老猫に仕返しされた。怪談・逢魔が時物語「猫の復讐」
築数十年の安アパートに住んでいたことがある。
アパートは、野良の老猫の散歩道でもあった。
玄関扉は開いていることが多く、猫はするりと入れる。
その老猫は白と黒の薄汚い毛並みで、オスメス不明。
白毛は灰色に汚れ、見た目は黒白灰の三色だった。
ただ、この老描は消化器系が衰えていた。
アパートの塀の片隅で、カレーのような便を頻繁に
していた。
そんなある日、アパートに帰ってきた私は階段の
そばにいた老猫と鉢合わせした。
また勝手に入って来たのだろう。
汚い猫なので、シッシッと外へ追い払った。
私の部屋は、階段からいちばん離れている。
さすがにどの野良猫もそこまでは入って来なかった。
だがその翌日、奇妙な仕業を目にした。
私の部屋の前に、猫らしき糞があった。
というか、きちんと置かれていた。
糞をしたという表現ではなく、部屋の真ん前に
供えられるように置かれていた、という表現が
ぴったりである。
これには驚いた。
誰かの悪戯とも思えない。
もし、あの老猫だとしたらたいしたヤツである。
猫は邪険にした者の居場所を覚えるのだろうか。
そして、怒りのメッセージを形に表して復讐する
行動を取るものなのか。
その日から、猫よけスプレーを部屋の前に撒く
ことにした。
猫との『戦い』が始まるのかも知れない。
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投稿 T.Mさん(男性)