見たことがない生き物。怪談・逢魔が時物語「高速回転」
高校生の頃、深夜まで部屋で勉強していた時のこと。
部屋といっても応接間を勝手に占領していたので、
当然、応接セットやピアノなどが置いてある。
疲れてきたので、勉強の手を休めてぼんやりしていた。
すると、ふと何かの気配を薄っすらと感じる。
ゆっくり振り返るってみた。
ピアノの下の薄暗いところに何かが見える。
音も匂いもしないが、それは白っぽい
モヤのようなものだった。
今までそんなものは見たことがない。
直径15センチほどの丸い形で、とても生物とは
思えなかった。
それは高速回転しながら、
少しずつピアノの下から出てくる。
(なんだ、こいつは?)
はぁ? とは思ったが、怖いとは思わなかった。
目が疲れておかしくなったのかと、何度も目をこする。
何度見直しても、回転するそれはそこに居る。
唖然として見ていると、それは高速回転のまま
床をゆっくりと移動していった。
そして、壁際に至るとすぅーっと消えてしまった。
いったい、何なんだろう。
未だに、それの正体はまったくわからない。
※怪談・逢魔が時物語select
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・投稿 IZumiさん(男性)
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