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いよいよマップ作成へ、初回はシドニー:「世界の都市・パブリックスペース」を考えるソトノバ・スタジオ

 こんにちは。ソトノバ・スタジオ:「世界の都市・パブリックスペースクラス:シドニー・メルボルン・アデレード」感想レポート担当の新村です。第2回はいよいよ都市ごとのマップ作成作業に着手です。今回はシドニーから。前回決定した4グループに分かれて、それぞれが設定したテーマに沿ったリサーチを進めていきます。

シドニーのイメージーーアイスブレイクからスタート

 「コの字」型に配置された机の好きなところに座ると、各自の前にはA3カラーで拡大されたシドニー中心部の地図が3枚。げ、やっぱりでかい街だ、と、ちょっと緊張(いまさら何を)。前回から1週間しか経っていませんが、まだ初対面に近いので、まずは10分ほどアイスブレイクの時間。前回あまり話せていない人の席へ移動して、両隣のメンバーとシドニーについて知っていること、あるいは持っているイメージについて、軽く雑談風に話し合いました。僕の隣に座っていた現役高校生のゆーたろう君は5年ほど前に訪問したことがあるそうで、街なかは起伏が少ないとか、自分が勝手に想像していた街とはちょっと違っているようなお話に、興味がかき立てられました。

マップ作成作業の流れ

 ちょっとほぐれてきたところで、矢野拓洋さんからマップ作成についてのガイダンスをうかがいました。前回、メンバーそれぞれが関心のあるテーマに沿ってチーム分けをし、「公園」「モビリティ+観光スポット」「食事+オープンカフェ」「ストリート+カフェ」というテーマで3都市のマップを作成していく4つのチームができています。

  「マップを作る」という集団学習のなかでは、まず4つのチームそれぞれが、設定したテーマを掘り下げていくヒントとなる「視点」を決めます。たとえば「インスタ映えする(モノ、場所、サービスなど)」かどうか。3都市ごとに異なる視点の設定もありうるし、チームの構成メンバーそれぞれが独自に決めた複数の視点を持ち寄ってもいい。初回でお聞きした梅中さんの「旅をしながら働く」というお話にもヒントがたくさん詰まっていることも振り返りつつ、「視点の多さ、角度の広さは、ひとつの重要なポイントになる」と感じました。

リサーチをする媒体を選ぶ

 チーム内で視点の設定が決まったら、次はマップを作成するうえで、「テーマ」と「視点」に合う情報が得られそうな媒体を探します。観光であれば定番のTripadvisorやAirbnb、同じ観光情報でも地図などに可視化しにくい地域密着型の情報を集めたタイムアウトなどがあります。また、民間にとどまらず、オーストラリア政府観光局やシドニー市など、行政が発信している情報も見逃せない、とのことでした。

リサーチの成果を地図に落とし込む

 エリアを分割する、視点別に調べるなど、チーム内で手分けして調べた成果をトレーシングペーパーにプロットしていきます。1枚に入りきらなかったり、わかりにくくなってきたりしたら、シートを新しくして「恐れずにどんどん書き込む」。5回めには3都市の地図がそろうわけです。ちょっと焦ったのは、5回めでは地図1枚ずつをA1サイズ、イラレなどで清書したものを提出すると聞かされたこと。

シドニーは2つ?

 ガイダンスが終わっていよいよシドニーの基本情報を泉山さんから解説いただきます。

 「シドニーは2つあるんです」。「えっ?」予習していなかったのでいきなり目を白黒。「シドニー大都市圏」と「City of Sydney(シドニー市)」で2つ。シドニー市は大都市圏の行政区のひとつで、シドニー湾に面したCentral Business District周辺のことを指すそう。

 シドニー市は"Sustainable Sydney 2030"(持続可能なシドニー2030)という中期的構想を掲げ、「環境に配慮した」「グローバルな」「Connected」(交通網の整備や行政と民間が『つながった』)というコンセプトを軸とする総合計画を掲げているそうです。市の中でも、タウンホールやセントラル駅などの要所を結ぶジョージ・ストリートという通りの再開発が進行中で、開発の基本コンセプトである「7つの原則」は、オープンスペースをいかに整備するかのヒントが詰まっているようです。

注目のスポットは

 泉山さんが昨年シドニーを訪問した際「これは面白い」と感じた場所を10箇所ご紹介いただきました。詳しい説明は省略しますが、いずれも日本の都市ではお目にかかれないデザインやアイデアが魅力的なところばかりでした。

マップ作成作業突入

 泉山さんのミニレクチャー終了後は、チームでテーブルを並べ替えて、いよいよテーマごとにシドニーのマップ作成作業がスタートです。まずは視点をどうするか。私のチームは「食事とオープンカフェ」というテーマをどういう視点で展開するかの議論から。他チームもみな盛り上がっている様子が伝わってきます。

冒頭で配布されたカラー刷りとは別に、A2サイズの白黒の「ベースマップ」にトレーシングペーパーを重ね、リサーチで得られた材料を次々と書き込んでいきます。

視点ごとに色ペンを変え、カラフルな付箋でアイデアや発見をメモしては並べ替え、見つけた素材が徐々に整理されていきます。

 各テーブルを矢野さん、泉山さんが歩いてまわり、アドバイスもいただきながら作業が進行。でも、時間が足りない・・。

作業終了、チームごとに発表

 1時間ぐらい作業時間があったはずなのに、気がつけば「まとめと発表」の時間がきてしまっていました。みなさん、短時間でよく調べ、うまくまとめています。トップは「さんさん」チームから。日常的なアクティビティ(ピクニック、ジョギング、芝生で寝っ転がるetc.)をどんなところでしているのかという視点です。

 続いて私のチーム「食いしんぼう」は「地元市民に人気のレストラン(たとえばコスパの良いワインがある」「眺めのよさそうなカフェ(たとえば公園に隣接している)」という視点から。

 ちょっと失敗したのは、ベースマップとトレペを視点メモの上にはってしまったこと。あがたさん、ごめんなさい。でも、視点は仮定でもあり、リサーチ結果は必ずしも仮定に沿ったものではなかった(公園に隣接しているカフェは意外に少ないらしい、など)ことはひとつの収穫でした。

チームKのテーマは「ストリートとカフェ」。朝はやくから営業しているカフェがあり、混雑の度合いが時間の経過とともに「北上」していくことがわかったそうで、これも興味深かったです。

しんがりは「モビサイト」チーム。テーマは「モビリティ(x観光)」。視点は5W1Hをそろえてきました(笑)。Wのひとつは「人はなぜ動く(移動する)のか」と哲学的な問いかけ。短時間でのリサーチ量とまとめ方がうまいなあ、と感心してしまいました。

さあ、まだまだ大変

 手順はおおよそ理解できましたが、やはり時間が足りないことを痛感。自宅でもそれなりの作業をしないといけないと感じました。

 ともあれ、みなさま、お疲れ様でした!

Photo by Sotonoba Studio Staff, Toshio Shinmura
Text: 新村 敏雄


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