【ストーリー】脱皮ピーポー脱ピーポー②
この話は脱皮ピーポー脱ピーポ①の続きです。
まだ読んでいない方はコチラからどうぞ。
「ボボミー!ボボミー!ボボミー!」
「サチエオバアチャーン!」ヒイヒイ孫は叫んだ。今まで感じたことのない感情が全身を駆け巡りすぎて目の前が真っ白けになった。
「サチエオバアチャーン!うあ〜〜!」
しかしそこにサチエはもういない!
サチエはただの皮なのだ。
そこにはボボミーしかいないのである。「ボボミー」と鳴くのでボボミーと呼んでいるが、なんの生き物なのかよくわからない。家の中をニワトリのように走り回っている。
「ボボミー!ボボミー!ボボミー!」障子をビリビリ破っている。「ボ!ボ!ボ!ボボミィ〜!」畳をひっくり返し大暴れしている。
「ギィィヤア〜!ギィィヤア〜!ボボ!ギィィヤア〜!ボボミィヤ〜!」
「やめろや!」孫、大ブチギレ!しかし、ブチギレながらも
「でも、なんかカワイイナ…。僕、田中やすおはこのボボミーのヒイヒイ孫です。と素直に認めてしまう可愛らしさがあるなァー。」
と、思っていた。
孫はボボミーの頭をなでた。
ナデナデ…ナデナデナデ…ナデナデナデナデ…
とてもフワフワで手が吸い込まれそうだ。気持ちがいい!一生触っていたい!孫はそう思い5分ぐらいそうして触っていると…
ポコポコ…ポコポコポコ…ポコポコポコポコ…
ボボミーのケツの穴からたくさんのしいたけが出てきた。あれ?このしいたけって3日前バアチャンが作った「しいたけと豚肉の炒め」の一部じゃないか?孫は眉毛を上下にグィンアグィンア動かしながらしいたけをじっくり観察した。
観察している間にボボミーが顔を舐めてくる。ちょっと臭いけどカワイイナ〜また孫はボボミーの頭をなで始めた。とてもしっとりしていて気持ちよくまた5分くらいなでていた。
ナデナデ…ナデナデナデ…ナデナデナデナデ…
ポコポコ…ポコポコポコ…ポコポコポコポコ…
ボボミーのケツの穴からレンコンがたくさん出てきた。鼻の穴からもゼンマイやふきのとうがニュイルニュイル出てくる。
あれ?これってバアチャンが4日前に作った「山菜の天ぷらとざるそば」の一部じゃないか?と思いながらついにケツの穴から出てきたレンコンを口に入れてみた。
ウマイ!
こりゃ商売したら儲かるて!
つづく