【伍の幕】超気軽に東京から大阪までチャリンコで行ってみた話(浜松〜名古屋)
3日目
2017年11/3(Fri)午前9時
浜松の夜を堪能したボクの脚は既に名古屋に向いていた。
名古屋の夜が愉しみで仕方無い!!!
そして文化の日!!!
祝日だ!
きっとパーリナイな名古屋を堪能できるであろう!
そりゃ東海地方随一の都市と来たら愉しみにせざるを得ないわけで。
うみゃーモノをたくさん食べたいわけで。
そんな期待感に胸が膨らみ脚取りも軽く。
ここ2日の経験則もあり、時間などはキチリと換算するような拙い学習能力もあり睡眠もバッチリのようだ。
そして本当に、本当に天気の神様のご機嫌だけは良かったようで。
迸るような快晴。
浜名湖の湖面がお日様で燦めく。
自転車旅ならではの風を全身で受けながらゆっくりと前へ進む。
先を急ぐわけではないが体力的な問題と地理的なアップダウンにいつ襲われるかわからないのでなるべく距離を稼いでおきたい。
そんな経験則からドンドンと脚は先へ進む。
そして遂に━━━━
その時が━━━━
静岡県(サイレントヒル)終わったああああああああ!!!
実にサイレントヒル1県だけで1日の足止めを余儀なくされた。
やっとこさの愛知。
本当に長かった……
わりかしアップダウンの少ない豊橋市をひたすら進む。
なんかエアーズロックみてえのが見えてきた。
後々調べたところ「立岩公園」という名所のようだ。
戦時中は防空壕にも使われたようだ。
今は立入禁止の区域も多いそうだ。
登ったらさぞかし壮観なんだろうな━━━━
などと考える間もなく頭は食欲に直結する。
急に前に作ったエアーズロックカレーが食べたくなった。
ジョージ・マロリーはそこに自分が居るから山に登ると言った。
これしかなかった。これしかないから、チャリンコに乗ってこんな豊橋市みたいな所までボクも来ている。
エアーズロックカレー、また作ろう。
まあ、愛知県に入ったと云えどそれなりにまだ距離はあるわけで。
平坦で何もない国道をただひたすら走る。
ただひたすら走っていたら腹も減るわけで。
━━━━午前11時半
くんくんくーん。
【中華そば 政次郎@豊橋】
なにやら美味そうな匂いを嗅ぎつけた。
豊橋の閑静な住宅街に車が挙って集まっている。
目の前にある自設駐車場は満車だ。
なんせこの日は文化の日。
アカデミックなわけなのです。
民家をそのまま改造したような小上り。
とりあえず腹ごなしには間違いなさそうな佇まい。
ギリギリ1席、待ちがなく座れた。
ほう、中々手広くやられている様相。
カウンター10席ほどで旦那が丁寧にラーメンを拵えている。
まあ、オーダーはデフォルトな感じでイキたいわけですよラーメンフリークからしてみたら。
ほう、なになに。
移転なされるとのこと。
初めて読んだ漫画が来週から違う雑誌に掲載されるかの如く。
情報的には間違いはない。
秀麗(塩)
非常にフォトがジェニックする水面の中華そば。
ブランド豚「秀麗豚」の香油が使われている。
お高い豚の綺麗な脂の薫りがスープ全体を覆う。
無化調だけあってエン味は非常に淡くもっと旨味成分が欲しいバカ舌ですが非常にさっぱりと纏まっている。
美味い。
細いストレート麺は東京で良く見かけるような三河屋的なタイプの食べやすいモノ。
食べる側を困らせない優秀なやーつ。
秀麗豚のバラロールチャーシューがバチっとキマってて良かったな。
この肉の旨味がありきなラーメン。
メンマに至るまでキレイに纏っておりました。
ごちそうさまです。
腹を満たしまた自転車に跨がる。
この日は浜松から名古屋まで120kmというショートスパン。
連日の移動で身体も参ってきているので名古屋に早めにつけて名古屋で遊ぼうという算段だ。
豊橋を過ぎると後は東海道をひたすら。
御油街道と呼ばれる緩い上り坂の宿場町を真っ直ぐに岡崎へ向けて進む。
途中ツーリストスタイルの自転車も見かけたが兎に角ボクは━━━━
名古屋で遊ぶ!!!
という並々ならぬ決意しかなく素早かった。
途中のコンビニのイートスペースでエッグタルトなどを摂取し手早くカロリーを満たしてそそくさと前へ進む。
ホントなんもねえ……
写真に収めるべきモノすら見当たらないので兎に角前へ進むだけだった。
12時〜15時までの3時間で程なく岡崎へ到着した。
ここいらで美味いモノでも━━━━?
などという気はサラサラ無かったそう。
名古屋
この魅惑的な3文字が頭にこびりつく。
岡崎から名古屋まで50km程度。
さっさと片付けちまおう。
国道1号線とかいう自転車乗りには優しくない国道を50km脇目も触れず名古屋へ急行する。
名古屋高速とクロスするあたりで急激に都会になっていく。
区画整理が成されて道幅が物凄い広い。
途中水分補給をしつつ、現地でのホテルも抑えるという計画性を見せつけこれはもう名古屋無双はキマったかのように思えた。
━━━━そして豊橋から6時間をほぼ走り続け
我、ギラッギラの名古屋へ。
祝日の名古屋の街は賑わっていた。
何処もかしこも人で溢れていた。
うおおああああ!!!
居酒屋か!?うなぎか!?
期待に胸が張り裂けそうになる。
卒なくチェックインさえ済ませほぼ1日動き通しの汗をシャワーで流す。
矢継ぎ早でそれなりの服に着替え夜7時の名古屋の街へ出る。
街は盛っていた。
兎に角人出が多い。
そして歓楽街に一極集中したような賑わい方だ。
さて、目指すは百年居酒屋、大甚本店だ。
百年続く老舗で瓶ビールでもやっつけてみれば心の渇きも晴れるだろうて。
休業日。
えっ?11/3だよ?ほら?祝日だよ?
ほらほら、かき入れ時じゃないねえ?
まあこんなことで挫けるようなたちじゃない。
次だ次!!!
あれっ?おかしいなぁ?
ここの居酒屋も休みだねえ?
ほら?ほらほらほら、かき入れd
こんな事では挫けない。
次だ次っ次っ次ぃいいい!!!
あの、あのあの。
すげえ断られ方したけど。
このあと6店舗ほど満席を喰らい流石のボクも━━━━
愚地独歩が如くイキリたち━━━━
それでも店には入れてくれない無限ループ。
辿り着けば行列。
いや、呑み屋で15人待ちとかもうね。
そうなのだボクは━━━━
祝日の名古屋にしてやられたのだ。
あれだけ少年のように浜松からひたすらと自転車で美味いモノを求めてここまできたボク。
何処にも入れねえ、以上だ。
プライドを折りホテルからほど近いこんな有名店舗に行きビールでも飲もうかと思ったら━━━━
店員さん来ない(号泣)
仕方なくトボトボと月明かりに照らされた老いぼれ犬のように。
セレナーデ。
この屈辱は忘れるはずもなく。
計15店舗にフラれるという人生でも類を見ない大敗日になったのであった。
甘くない。
ストロングゼロにはそう書いてある。
そうだ━━━━
予約しとけよバカヤロウ。
疲れも相まってこれを飲んだあと程なくして明け方まで気絶。
午前3時半
諦められない。
ものすごく盛った地域にあるラーメン屋に特攻をキメる。
【藤一番@錦店】
四川ラーメン
夜の盛り場帰りでウェイウェイした感じの人たちばかりだった。
兎に角腹が減っていた。
なんとかラーメンにありつけた。
うん!ふつう
普通のラーメンを名古屋で食べたのだ。
ボクは必ず名古屋にリベンジアタックを仕掛けることを胸に誓った。
よし、明日は待望の大阪入りだ。
━━━━伍の幕、了。
陸の幕に続く。