1/1347 №243/レモン風味スパゲッティ
グリモア
西洋の魔導書のことをこう呼ぶ。
レメゲトン
調理技術の方法を書き記した書がレメゲトンだとしたら製麺自体はゴエティアなんだと思う。
テウルギア・ゴエティア、アルス・パウリナ、アルス・アルマデル・サロモニス、アルス・ノウァの5つの魔導書から成るモノがレメゲトン。
ゴエティアとは72の悪魔の召喚術を記述した書。
これをパスタの形に擬えよう。
自分自身で知っているだけで132種類のパスタを打つことが出来る。
なのでこれをソロモンの72の悪魔に擬えると製麺がゴエティアになる。
一方この「Il Nuovo Codice Della Pasta」
にはパスタを使った様々な調理法が1347種類、掲載されている。
悪魔(パスタ)を召喚し1347の術を用いて悪いことをしようという企み。
はい、冒頭の冗談はさておきましょう。
まぁ簡単な話、この本には写真が一切付されていないのです。
なので、1つ1つ自作してなんならパスタも打って映像化してやろうじゃないかってまた終わらなそうなプロジェクトを発進させた、という運びに御座候。
ルールとしてはレシピ№は順不同。
なるべくレシピに近い形で再現する。
たったこれだけである。
でもたったこれだけなんだが、
1日1杯のパスタを作って食べたとしても3年と7ヶ月程を要するのだ。
気の長い話だし食べ終わるまで飽きて止めたりしなければ良いのだが。
今回のレシピはレモン風味スパゲティだ。
材料はレモンに生クリーム、ウォッカにパルミジャーノチーズ(粉)とパスタだ。
至ってシンプル。
なんでも「エミリオ・レゴナスキ」(誰だそれ)というシェフが考案したレシピとのこと。
レモンはよく洗ってから皮の黄色い部分だけ摩り下ろす。
白い部分まで到達させてはならない。
何故なら白い部分は渋みと苦味がありそれだけで「失敗作」になり得るからだ。
カラスミのようだね。
もう摩り下ろすだけでキッチンがレモンの芳香で溢れる。
丸1個分摩り下ろす。
身の方は白い部分を削ぎ落とし種を抜く。
そして角切りにしていく。
生クリームは純動物性を使用。
今回は100cc
ウオッカは風味付けだ。
25cc程度で良いだろう。
エン味とうま味の要となるパルミジャーノチーズ。
量は定めない方が良い。
どっさりと仕上げに使おう。
先ずは生クリームを温めながらレモンの皮を入れていく。
この時点でもうレモンチーズケーキみたいな香りになる。
そこに追って角切りした身を入れウオッカを加えてしっかりとアルコールを飛ばす。
今回はパスタは手打ちだ。
レシピ通りスパゲティと同じモノを打っている。
無論、市販の乾麺で十分だ。
市販の乾麺を使う場合、袋に書いてある規定どおりの時間しっかりと茹でること。
そして茹で汁の塩分は水に対して1.5%を守ること。
パスタを茹でた汁でソースのエン味をキメるからだ。
ここでしっかりとレモンクリームソースにも塩分を入れておく。
水分を足したら水分を飛ばして塩気だけを残す。
こうやって適宜な味に調整するのだ。
麺が茹で上がったらソースと合わせパルミジャーノチーズとレモン半個分の絞り汁を入れて煽る。
クレマ(クリーム系)のコツはとにかくしっかり煽って粘度を出し重たさをつける。
№243/レモン風味スパゲティ
レモンとウオッカの高貴な香りがするパスタに仕上がった。
ちょっと見たところ信じられないパスタだが洗練された美味しさがそこにはあった。
未知の次元。
レモンの風味とチーズの塩分のマッチング。
しっかりと茹で汁でエン味もキメると尚良。
汎用食材でこんなにも美味しいものが出来る。
そしてこれを読んでくださっている皆様と共有できる。
大変素晴らしいことだと思う。
ボクが先手立って作るので美味しそうなものがあればピックアップして家庭の食卓へ是非並べてほしい。
誰も黒い文字しかないレシピ集を再現してまとめようとは思わないだろうしね。
何より楽しいので今後のルーチンワークとしてゆっくりと更新していくことにする。