【第九回】ちょっと小腹がすいたんで。
【其の一】天満/七福神→ぷらら天満→BEER BELLY
駅を降り立つとすぐに入り組んだ迷路のようなアーケードに繋がっている。
そこをくぐれば昼でも夜でもパラレルワールドに迷い込んだ感覚に陥るここ、天満。
大阪の中心地、梅田から環状線で一駅だ。
東京でいうとそうだな━━━━
赤羽のような。
街全体が酒気帯びしているようなそんな。
街全体が居酒屋のようなそんな。
大阪で暮らすにあたってまず根城にしたのがこの天満周辺だったりしたモノだ。
例えば駅から降りてすぐのこの七福神という串揚げ屋に何気なく入ったとする。
本当、ウェイティング・スペース的な。
待ち合わせの空き時間なんかでもチラッと入っちゃうような。
すーぐにこんな活き活きとした生ビールが出てきて━━━━
こんなドテなんかが出てきたり。
サクッと大阪名物串揚げなんかを摘んでまずはガソリンを入れていこう。
長っ尻はあまり好きじゃないせっかちなボクからしてみたらとても良い街ではある。
サッと食って飲んで出る。
さぁ、次に行こうぜ。
奥へ進めば進むほど雰囲気はディープになっていくが気にしちゃあイケない。
突然フッとひらける。
そうここが天満のランドマーク
ぷらら天満だ。
所謂業者が集まる市場ビルなのだ。
B1Fは野菜と大型の汎用品店主体だ。
この新鮮な野菜たち。
1Fは魚と肉主体のフロア。
まあビジュアルだけで強烈にテンションが上がることは間違いないわけで。
決して深酒してから行ってはイケないデンジャー・プレイス。
肉なんかもおろしたての新鮮なモノばっかりで安価で置いてある。
あちらこちらに目が行ってしまう。
こんないい鯖節や上物の鰹節なんかを見るとついついテンションが上がりすぎて━━━━
このザマである。
皆さんもぷらら天満の中を通り過ぎる時は注意すべし。
ぷらら天満は立ち止まってはイケない場所。
ということでここは一先ず置いといて酒だ、酒にしよう。
さあ、ぷららの中を突っ切ってまずは美味いクラフト・ビールを飲みに行こう。
BEER BELLY
ここは大阪が誇るクラフト・ビールの大手
「箕面ビール」の直売店。
わりかし奥まった所にあって店員さんも含めて兎に角落ち着く店なのだ。
ビールはもちろんのこと、アテもなかなか気が利いていてお気に入りなのである。
ここでスタウトを飲みながら連れてきた人の話をゆっくりと聞くのが好きなのだ。
箕輪モンキー可愛い。
パイやら燻製やら、オトナのコドモを擽るワードばかりでついつい魅入って想像してしまう。
フィッシュ&チップス
衣にビールを入れて溶いているのでザックザクに仕上がっている。
こいつをモルト・ビネガー(麦芽酢)をたっぷりかけて頂くのが作法だ。
もちろん付け合せのタルタル・ソースでも美味い。
昼間からリアルエール。
リアルエールとは炭酸で押し出すのではなく、ハンドポンプで押し出す手動だ。
炭麦芽化された大麦、ホップ、水、そして酵母。
酵母は除去したものではないので生きたまま。
故にアルコール度数も高めで飲みづらい。
これが言葉にならないほど美味い。
シェパーズ・パイ
牛ひき肉とマッシュ・ポテトで作ったアイルランド伝統のパイだ。
これがまたビールと合う。
こういうのを突きながら大阪でどうするのかを練ったり、持ち込んだ土産話などを聞くのだ。
奥に長く20席くらい続くカウンター主体の広々とした店だ。
ビア樽倉庫をイメージしてるのか雰囲気も無粋で良いからつい居過ぎる。
パンチェッタを乗せたブルスケッタなんかも軽ーく。
前言撤回、長っ尻が得意でないといったがアテが良い店は別だ。
話に花が咲き、長く居座ってしまう悪い癖。
ちょいとスペイン的に炭火で焼いたマッシュルームとパンチェッタなんかを突いたりしてると時間を忘れてしまう。
山椒ペールエールなんかに戻しつつ。
勢いに飲まれた人なんかはこの辺でもうへべれけだ。
だがここからが本番。
このあとメキシコ料理に行くか?それとも燻製バーでもう一杯嗜むか、はたまた居酒屋日本酒にまみれるか━━━━
まだはじまったばかりである。
15時からやってるんで口火を切るには恰度良い店だが積んだ爆薬が些か多すぎないとも言い切れないが。
ここBEER BELLYを出る頃でもまだ空は明るい。
まだ明るいうちから飲む酒というのはどうしてこうも美味いのか。
ミート・パイ
こちらは中にみっちりと肉が詰まった本格的なパイだ。
こういうのもシェアして頂いていると色々なモノを食べることができて良いモノだ。
しっぽりと一人でグラスを傾けるのも悪くないが、
気の合う人の話をゆっくりと聞きながらグラスを開けるというのも誠に佳き酒肴である。(自分から自分のことを話すのは苦手なので)
ソーセージの五種盛り
炭火焼きグリルでじっくりと焼いてくれるソーセージにビールが合わないわけない。
日本酒に塩辛みたいなモンだから。
さぁ、これを開けたら次へ行こうか次へ。
まだまだ食い尽くすことの出来ないくらい美味いものがたくさんここ天満には待っている。
営業時間
15:00~24:00
日曜営業
定休日
不定休
座席
カウンター20席 テーブル5席
備考
休日は終日混雑しているが回転も早くすぐに席が開くので安心して来訪すべし。
表にもテーブル席あり。