#114 自発性を促す質問
気づきとは、物事に対して今までとは異なる理解や認識を持つようになることと定義づけられています。
他人から教えらたり指摘されたりすることは、人によっては不快に思うこともあります。
では、どのように相手に気づきを促すのが、相手にとって良いのでしょう?
他人からではなく、自ら気づくというのがポイントです。
今回は、気づきの促し方について考えてみたいと思います。
物事に対する認識の歪みや欠如の存在を促せば、自然と気づきにつながりまが、それを考える前に、何が「気づき」を妨げているのかを知る必要があります。
気づきを妨げる大きな要因は、信念や思い込みや先入観などです。あるいは今まで考えもしなかったことでもあります。それらを踏まえて相手に気づきを促すには、どのような質問が良いでしょう。
間違っても指摘や安易なアドバイスは避けたいものです。
なぜなら、その歪みの存在を自らが知り、考える機会を与えることが、結果として物事に対しての今までとは異なる理解や認識へとつながるからです。
「思い込み」や「先入観」という認識の「歪み」は、ハッとさせられる質問により、自ら正していくことが理想的だからです。
では、典型的な質問をご紹介します。
「今、どこまで出来てる?」
現状を把握することは、正しい認識を持つための出発点です。この質問をする際の注意点は、相手を尋問している印象を与えないことです。同志として「今、どこまで出来てる?」と寄り添う感じが好ましいでしょう。
次に現状を把握したければ、「現在の進捗度は、何%くらい?」と尋ねてもよいでしょう。
仕上がり具合に自信を持っていなかったり、全く出来ていない場合もあります。
そのような回答が返って来た場合には、「既に出来てることはある?」と尋ねるとよいでしょう。
部分的であっても、出来ていることに対して確認することが大切です。「出来ていないこと」ではなく、「出来ていること」に焦点を当てることで、少しでも前進しているのだという気づきにもなります。
あるいは、質問されて初めて進捗度について考える人もいるかも知れません。
「考え不足」を正すのには、この質問は効果的です。
逆に自分は何でも出来ていると考える人もいます。この場合は「出来ていること」を確認した後に、それとは逆に、まだ「出来ていないこと」について質問することによって、過不足なく現状を認識することが出来ます。
「このまま行くと、どうなりますか?」
これは、意外と奥の深い質問です。
将来を尋ねる質問ではありますが、これもまた「現状把握」の質問です。
なぜなら、将来を決めるのは、まさに「現状」が出発点でもありますからね。
もっと極端に「もしそれをしなければ、どうなりますか?」という質問もあります。危機感や仕事の必然性を確認させる意味もありますが、逆に何もしなくても全く問題はないことに気づいたりもします。
さらに言えば、「もしそれが失敗したら、どうなりますか?」という質問もあります。失敗を必要以上に怖れ、前向きな気持ちを持てない人に対しても、非常に効果的な質問になります。
「周囲からどのようなサポートを得ることができますか?」
責任感を持って仕事をするのは非常に重要なことです。
しかし、何でもひとりで出来るものでもありません。責任感の強い人ほど、周囲からサポートを得ることなどは、考えてもいなかったりします。
「その手があったか」と、外部のリソースを活用する視点を持つことで、新たな気づきが得られるでしょう。
認識の「歪み」や「欠如」は、人が能力を発揮し、成果を上げていく際のマイナス要因でもありますが、例として挙げた質問を使ってみることで、新たな気づきを促し、修正していくことが可能になります。
まずは自分に対して使ってみて下さい。
今日もよい一日でありますよう
godaigenso
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