#48 結婚記念日
鎌倉のアパートが火事になり、住むところが無くなり、一旦実家に戻ることになった。そろそろ世帯でも持って新しい人生を歩んで見ようと考えていた父。
姉2人は既に結婚し、残りは私と妹2人だけになった。
自分が誰と結婚するのか、どんな男性が好みなのか考えたことがなかった母にも、結婚の条件だけはあった。
それは、実家から近い事である。
理由はともあれ、そんな二人がお見合いをし、ご縁があって結婚したのだからメデタシメデタシである。
結婚を決めた理由を尋ねると、父は母の控えめなところや、気遣いが出来ることが良かったらしい。母に尋ねると、実家から近いからの一点張りである。
そんな真相すら教えてくれない母の控えめなところが、きっと良かったのだろう。
まあ結婚するのに実家が近い方が、色々と便宜は測れるとは思うが、まさかその条件だけで、結婚できるのも凄いことだと思う。
だからこそ、足るを知ることや、見る角度で景色が変わることを教わったように思う。
今では、アパートが火事になった事、実家から近かった事に心から感謝してる。
そのお陰で、私が産まれたのだから。
4/2が結婚記念日ということは、前日はエイプリールフールである。「明日は結婚式なんだ」と友人に伝えた場合、何人の人が信じてくれたのだろうと、余計な心配をしてしまう。
余計な心配と言えば、盆と正月に恒例行事として帰郷しているが、日数にして年間2日しかない、時間にすると24時間も滞在していない。
年齢のことを考えると、会う機会を増やしたいところだが、逆に気を遣わせてしまわないだろうかと考えてしまう。
会えなくとも電話で会話はできるので、少しずつ話す機会を増やしてみようと思う。当たり前のことだが、親元を離れた年月の方が長くなっている。
幾つになっても小言を言われるし、たまに食事をご馳走しようと思えば、「随分偉くなったなあ」ぐらいに言われるので、そこは有り難く気持ちを受け取って、こっそり会計を先に済ませている。
親としては、TAKEよりずっとGIVEをしていたいのだと思うし、
大人になっても、子供のままなんだと思う。
そこは共感できる。
何は共あれ、54年目の結婚記念日おめでとうございます。
今度、一緒にキャッチボールしてみようかな・・・
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
godaigenso