さくらんぼの詩

　ドキドキ制服放課後デート
　繋ぐ手の主so cute
　cutしていい時間もなくて
　2人で進むよ色んな初めて
　そんなものはもう来ない
　なぜなら僕は
　成人しても童貞
　卒業しても童貞
　高校卒業してもなお、あっちはまだまだ留年さ

　出会いはサークル新歓で
　年上、姉御のパイセンで
　知らぬさ色気とアルコール
　下品な誘いの飲みコール
　そのままアンコール？夜の2回戦
　そんなものはもう来ない
　なぜなら僕は
　社会人になっても童貞
　卒業しても童貞
　大学卒業してもなお、下の単位は一個も取れず

　真面目に生きてます
　自立もしてます
　「そんなの当然、でも童貞でしょ？」
　はいそのとおり喜んで

　色んな人を認めていこう
　赤、青、黒と、でもチェリーはダメダメ
　童貞だけは全てが落第
　必死に生きても良くて落雷
　受けるような避雷針として
　誰かの犠牲になれれば及第点
　
　夢破れも、人と違っても
　「よく頑張った。それも個性さ。」
　優しい言葉
　でも童貞だけはダメダメ
　「努力が足りない。何振り構うな。」
　闇雲発破

　独りが楽？願望なし？
　それ以前の話、土俵入りもまだだし

　きっと彼女らは僕を覚えていて
　きっと彼女らは僕がどう思っていたかも知っていて
　僕の名字だって覚えている
　それがなんだ？なんでもないや

　独りが好きな訳じゃない
　ナイルのワニも、サバンナのキリンも
　生きていくために適応
　それ生物のモットー
　僕も高い適応能力
　誰も頼らず生きることに納得
　無理矢理させて、また今日も生きる

　キラキラ輝く恋愛ドラマ
　胸がときめく恋愛ソング
　「それ童貞へのハラスメント、恋愛ハラスメントですから」

　童貞は駄目、童貞はクズ、童貞は生きる価値なし
　きっとみんな思ってる
　隠す気もない
　だから僕は絶対に生きる
　今まで想った人たちが、散々愛を知る者たちが
　家族に囲まれただけで貧しく死んでいく様に
　どんな手を使ってでも長生きをして
　金には困らなくなった僕が
　唾を吐いて言ってやるのさ
　「ざまあみろ」

　輝いた夕飯を
　まだまだ僕は斜に見ている