![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/164645906/rectangle_large_type_2_7640ad159108f8c7960b192441b3dcde.png?width=1200)
悲しかったこと1つで、楽しかった思い出全てを消さないで
今日は息子と公園で遊んだ。「ドラゴンの公園」と呼んでる場所。砂場とか遊具のほかにドラゴンの形をしたオブジェがあって、そこが大のお気に入り。だけど1人でも誰か遊んでると、絶対に近寄らない。誰もいない隙を狙って遊んでても、誰か他の子供が来たら「他の遊びがしたくなった」と嘘をついてその場所を譲ってしまう。本当に優しいんだよね。そんなところも好きだけど、ちょっと遠慮しすぎててママはちょっぴり心配。
そんな息子が他の遊具で遊んでて、やっとドラゴンに誰もいなくなったから「ドラゴンに行こ!」って、ワクワクしながら走り出したら、盛大に転んだ。しかも地面が木の根っこで凸凹してたから、思いっきりズッコケて唇を切ってしまった。最初は普通に転んだだけだろうと思ったけど、息子の顔を見てびっくり!まさかの口の中が血だらけで焦った。えっ、歯をぶつけた!?唇切った!?どこから血が出てんの!?ってテンパったけど、ウェットティッシュで唇拭いてたら血が止まってきて安心した。当の本人はびっくりしたのと、あまりの痛さで大号泣。ついさっきまですごく楽しそうに遊んで笑ってたのに、今は「痛い、痛い」と言いながら泣いてて、「守ってあげられなくてごめん」っていう気持ちでわたしまで泣きそうになってしまった。
何よりもわたしの心を苦しくさせたのは、息子が本当に遊びたかった場所を譲ってやっと自分の番だ!と思って楽しみにしてたのに、転んで痛い思いをして、楽しみにしてた気持ちがしぼんでしまったこと。もしわたしが息子の年齢だったら、ワクワクして走り出して転んだ自分が恥ずかしすぎて、ワクワクしたことすら後悔してただろうなって。それまでの楽しかった時間と、たった今ワクワクしてた気持ちをなかったことにしただろうな。だって、ワクワクして走り出してなかったら、転んで恥ずかしい思いなんてしなくてよかったんだから。昔のわたしはたった1つの嫌なこと、恥ずかしいことがあったら、その日1日全部が最悪な日だった。たとえ、楽しかった瞬間があったとしても、悲しかった思い出で全てを塗りつぶしてしまってた。そんなことないのにね。楽しかった瞬間は、たしかにあったのに。全部楽しくないと、「今日は最高だった!楽しかった!」って言っちゃいけないと思ってた。
そんなわたしだったけど、あるとき教えてもらったの。「ずーっと楽しくなくていいんだよ。楽しくない瞬間があってもいいんだよ。楽しくない瞬間があっても、楽しかった!って言ってもいいんだよ」って。楽しかった時間を、消さないであげて!って。汚いものに蓋をする、じゃないけど、昔のわたしはきれいな思い出だけで満たしたかったんだろうなぁ。今の息子は昔のわたしにすごく似てるから、もしかしたら同じようなこと感じてんのかな?と思ってさ、それで胸が苦しかったんだよね。色んな遊具で遊んでたとき、息子はすごく楽しそうだった。痛くて悲しい思いをしただろうけど、それまでの楽しかった時間をなかったことにしてほしくなかったし、ワクワクして走り出した自分を恥じてほしくなかった。だから全力で抱きしめた。楽しかったことも、転んで痛かったことも、両方あって良かったんだよ。悲しいことも、痛いことも、辛いこともあっていいの。何も恥ずかしいことなんてない。全部全部、息子にとって大切な出来事だったんだよ!だから今すぐじゃなくてもいい、でも楽しかった瞬間をなかったことにしないで!と伝えたくてぎゅーって抱きしめた。
わたしの気持ちが伝わったのか分からない。でも、それでいい。これから何度も何度も伝えていくから。息子の人生が悲しい思い出で満たされないように。楽しかった瞬間もちゃんとあったんだよ、って伝えていくから。大好き、本当に本当に大好きよ。今日も一緒に遊んでくれてありがとう。ママはすごく楽しかったよ。