車オタクと見る「デザインと機能」
僕は今年の5月に、富士スピードウェイで開催されたSUPER GT 第2戦 に友達と参加してきました。
サーキットでレースを観戦するのは初めてで、爆音のエンジン音をこの身で体感できて楽しかったです。
実際にレーシングカーを目の当たりにするのも初めてでした。
そのほかにも各自動車メーカーの車が展示されていたりして、1日中飽きることがない貴重な体験でした。
いつか鈴鹿にも行ってみたいですね……。
レーシングカーのギモン
さて、そういうモータースポーツで登場し、競い合うのがレーシングカーです。
代表的なものだと、F1に登場するフォーミュラカーあります。(ちなみに僕が参加したSUPER GTでは、市販車を改造したレーシングカーで戦います)
みなさんは疑問に思ったことはありませんか?
「どうしてレーシングカーやスポーツカーは低くて薄っぺらいんだろう?」
と。
モータースポーツと車の形状
それは、レーシングカーが「競い合う車」であることに由来します。
そもそもモータースポーツとは、誰が一番速いかを競い合うものです。
そのため当然、誰よりも速く走る必要があります。
では、速く走れる車を作ろうと思ったらどうすればよいのでしょうか?
やり方は色々あります。たとえばエンジンをハイスペックなものにすれば、手っ取り早くより速く走れますが、ここでは「どうしてレーシングカーやスポーツカーは低くて薄っぺらいんだろう?」という疑問に答えるため、ボディに着目してみましょう。
レーシングカーは、もっとも速い速度域では新幹線と同等(300km/hぐらい)となります。そのため、通常の車のようなボディ形状とすると空気抵抗がとても大きくなり、速く走ることはできません。
そのため、空気抵抗を減らして最高速度や加速性能を上げるために低く、薄っぺらいボディになるのです。
スポーツカーについても同じことが言えますね。フェラーリやランボルギーニなどに代表されるいわゆるスーパーカーでは、(走行速度をはじめとする)高い運動性能を実現するために、レーシングカーに近いようなフォルムが採用されることがあります。
ここであることに気付く
低く薄っぺらいボディ形状は、走行速度を上げるという機能要件を満たすためのデザインと見ることができます。現に、フォーミュラカーはほとんど同じ形状になっていますよね?機能を考えると自然とそういうデザインになるのです。(さきほど例にあげた新幹線も、空気抵抗を減らせる流線型が多いですよね)
逆に、ミニバンやバスがなぜ空気抵抗の大きな箱型のボディ形状をしているかというと、速度を犠牲にしてでも居住性や乗車可能人数を上げるためです。
機能を実現するためのデザインということを考えると、Webページにおいても同じことがいえると思います。
Webページで考えてみよう
たとえば、なにかしらを表示するかどうかをユーザーに委ねるUIを考えてみましょう。
レーシングカーを速くするためのアプローチがエンジンやボディなど様々あるように、表示するかどうかを決めるためのアプローチは色々考えられます。
1はありえませんね。複数個のチェックボックスは複数の選択肢から0個以上の選択肢を選ぶためのもので、今回のような「表示する/しない」といった真偽値を選ぶためのものではありません。
2も不適切でしょう。プルダウンは複数の選択肢から1個の選択肢を選ぶためのもので、今回のような「表示する/しない」といった真偽値を選ぶ用途としてはいささか不適切であると考えられます。
3も同様です。ラジオボタンも複数の選択肢から1つを選ぶためのものなので、今回の例ではふさわしくありません。ただし、実際のシチュエーションによっては3が最適となる可能性はあると思います。
個人的には、今回の例だと4が一番適切であると考えます。真偽値をもっとも端的に表現できていて、スペースもとりません。
機能から来るデザインを見つめ続ける
車好きの間では、「FRスポーツカーのロングノーズショートデッキのプロポーションは美しい」とよく言われます。
ロングノーズショートデッキのスタイルは、エンジンを縦置きするためや前後重量配分を整えるために生まれたデザインです。それは結果的に美しいスタイルをもたらすものとなっています。
このスタイルのように、自分が作るWebページやシステムも、機能から来る美しさを考え続けていきたいと思います。
おまけ
本当はGTウイングとかカナードとか、サイドスカートとかを例にとって話をしようと思っていたのですが……画像を引用しないと絶対に伝わらないと思いまして……。画像は著作権のアレ的に下手こいたらまずいと思ったんで諦めました。無念。