単焦点レンズを買ったわけ、それはレンズ沼にはまらないために 吾唯足るを知る
一眼カメラの単焦点レンズを買った。
一眼カメラのレンズ沼にずっぽりハマりこみ、太く長く重くお目目が飛びでるほどのお値段の望遠レンズを買わないために。
一眼カメラと単焦点レンズの組みあわせはリーズナブルなお値段であり、趣味としての一眼カメラを気楽にはじめられる。
個人的な意見としては、標準レンズよりも単焦点レンズのほうが一眼カメラ初心者は扱いやすく、また撮影しやすいように思う。
そのうえ単焦点レンズであれば、短時間で背景がボケた写真や、おもむきのある写真を撮影できるようになる。
いや、撮影できるように私はなった。
私の撮影する被写体は、料理や花など近距離にあるものばかり。
鳥や蝶、猫、月などを撮影しないのであれば中古の一眼カメラと単焦点レンズの組みあわせで十分すぎるほどの写真を撮影できる。
ブログとnote、お仕事用の写真を一眼カメラで撮影している。
散歩中の風景、ふと目にとまった花なども撮影する。
文章だけの記事よりも、見栄えのよい写真がのせられている記事のほうがよく読まれる。
百聞は一見にしかずと昔の偉い人が言った。
文章を書く人間としては、文章だけで情報を伝えるべきだと思い日々精進している。
けれども写真よりも正確な情報を伝える文章を書くのは、とても大変だ。
そこで一眼カメラで撮影した写真を記事に貼りつけている。
料理や花、散歩中に撮影するだけならスマートフォンやコンパクトカメラでも十分なのでは。
たしかに、言われるとおりだ。私もコンパクトカメラと一眼カメラを併用している。
コンパクトカメラが苦手なこと、それはボケた写真を撮影するのが不可能とは言いませんがむずかしいこと。
一眼カメラと単焦点レンズの組みあわせであれば、シャッターを押すように簡単に背景がボケた撮れます。
コンパクトカメラは、背景がボケない。メインの料理だけでなく、背景までもがメターっと映りこむので、花瓶やフォーク、ナプキンなどを用意したほうが見栄えがよくなる。
とても、メンドクサイ。
コンパクトカメラに対して、一眼カメラと単焦点レンズの組みあわせは、料理の背景をボカせる。
つまり、料理だけを用意すればよい。
きれいな花を活けた花瓶や透明に輝く水をいれたコップや、ピカピカに光り指紋ひとつない食器などを用意する必要がない。
料理を用意するだけで、料理写真が完結するのである、一眼カメラと単焦点レンズの組みあわせであれば。
背景をボカした写真を撮影できるスマートフォンはある。というよりも、ほとんどのスマートフォンで被写体の背景をボカせる。
さて、あなたのお手元にあるスマートフォンのお値段はHOW MUCH?
中古一眼カメラと単焦点レンズのお値段は2万円。
レンズカバーやストラップなどのアクセサリーのお値段が5千円ほど。
2万5千円ほどでスマートフォンと同等か、すこし劣った画質の写真を撮影できるようになる。
そればかりでなく一眼カメラであれば撮影技術も引き継げる。
あたらしい一眼カメラを買っても、ふるい一眼カメラでつちかった撮影技術はいかせる。
一眼カメラと単焦点レンズの組みあわせは、F値と照度、ホワイトバランスを調整するだけでいい塩梅の写真を撮れる。
F値と照度、ホワイトバランスを調整する技術は、平仮名のいろは、赤ちゃんのハイハイ、ボクシングのジャブぐらい初歩中の初歩のカメラの技術。
一眼カメラと単焦点レンズの組みあわせは、基礎となる技術だけでいい塩梅の写真を撮影できるのである。
その基礎となる撮影技術は、ほかの一眼カメラにもいかせる。
しかも、F値と照度、ホワイトバランスを調整する技術は、スマートフォンとコンパクトカメラの撮影技術にも応用できる。
一眼カメラと単焦点レンズの組みあわせは、お財布へのダメージを最小限に抑えつつ、いい塩梅の写真を撮れる最短の道。
さらに、写真撮影の基礎をしっかりと学べる。
いいことづくめの一眼カメラと単焦点レンズの組みあわせだが、当然のようにデメリットはある。
単焦点レンズは、一眼カメラのレンズのなかでは、もっとも軽いレンズのひとつではある。
だけども、コンパクトカメラやスマートフォンとくらべると重い。
そして、でかい、さらには防水もされていなければ、防塵もされていない。
また衝撃にも弱そうにも感じられる。
ガラスの靴が階段でくずれ、王子さまに見つけてもらえなくなる、それぐらい儚い。
一眼カメラを手でしっかりと固定し、静かに歩く必要がある。
単焦点レンズは、他のレンズに比べて安いので壊れてもダメージは少ないが、壊れないにこしたことはない。
つぎに散歩をしているときに、猫や鳥、昆虫などを見つけフレームにおさめるためには、被写体にちかづかなければならない。
ペットであれば問題ないが、野生の動物たちに一眼カメラをぶらさげペンギンのようによちよち近づくと当然のように逃げられる。
さらに少し離れた被写体をアップで撮影できない。
10メートルほど離れた動物園のオリのなかにいる被写体や、運動場をかけまわっている子どもたちをアップで撮影できない。
このような状況が続くと、望遠レンズが欲しくなってくる。
これは、人間の性であり、一眼カメラのレンズ沼に浮かぶ鬼火のような魔力の影響だろう。
寝ても覚めてもレンズのことしか考えられなくなる。
レンズがあれば、あれも、これも撮影できるようになる。
レンズだけでなく、中古の型落ちの一眼カメラでなく新しい一眼カメラであれば、すばらしい写真を撮影できるかもしれないという妄執にとりつかれるというデメリットは、一眼カメラと単焦点レンズを買った人間に常につきまとう。
そんなときは、頭のなかで呪文を唱えましょう。
吾唯足るを知る、と。
もちろん、一眼カメラと単焦点レンズの組みあわせを試し、いろいろと撮影経験をつみ、撮影したい写真の方向性がきまった。
その写真を撮るためには別のレンズが必要だ、だからレンズを買う。
お金に余裕があるのならば、いろいろなレンズを買い素晴らしい写真を撮影することを否定するものではない。
一眼カメラと単焦点レンズの組みあわせで撮影術を学んだかたであれば、きっと素敵な写真を撮影できるだろう。
私は、単焦点レンズと中古一眼カメラの組みあわせで満足している。
いただいた標準レンズと望遠レンズも併用して撮影をたのしんでいる。
あるものは使わなければもったいない。
私は、レンズ、もしくはカメラ本体が壊れないかぎりは、あたらしいレンズもカメラも買わないと決めた。