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答案改造☆劇的ビフォーアフター Vol.1 「はじめまして刑法」という名のジェノサイド感あふれるイベントと今後の展望について

わたくしは受験生である。名前はあるが、まだ名乗らない。

何がどうなって予備試験なるものを受けることになったのか、いまだにとんと見当がつかぬ。何でも蛍光灯のともる深夜のリビング、深夜労働で疲れ果てた頭でぼーっとスマホの画面(※予備校アフィサイト)を覗き込んでいたことだけは記憶している。

そんな、むにゃーっとした流れで予備試験受験生になった筆者も学習開始から2年が過ぎ、とうとう「そろそろ試験も本番だぜ」という時期になった。

しかし、ここで受験生として致命的な問題がひとつ。過去問どころか、短文事例すら起案したことのない科目が多すぎるッ!!

OLS予備試験採点実感講義。第1回目は刑法(令和元年)ッ!

そんなへっぽこ受験生である筆者だが、やると決まってしまったものは仕方ない。「だって書いたことないし」などと甘えた発言はせず、腹を括って過去問を起案するのである。

改めて、みなさまご機嫌よう。筆者ことOLSライター・別宮です。

ついに始まったOLS予備試験採点実感講義。記念すべき第1回目は刑法である。

担当は麦畑先生。軽妙な語り口で人気急上昇中。と見せかけて、結構「添削だとコメントが激辛といわれることが多い」(ご本人談)らしく、これから起案する側としては若干プレッシャーが……。

ちなみに筆者、これまでに刑法の答案って3通(うち2本が予備過去問)しか書いたことなくて、しかも六法のみで刑法の過去問を起案するのは今回が初めてだったりする。

もちろん令和元年の問題は初見。先に起案したゼミ友たちとのやりとりでうっかりネタバレ……を引きかけたこともあったけど、まあ初見だ。というか、多少ネタバレを引いたところで、どうせ書けないに決まっているので問題はない。なんといっても、一筋縄では行かない予備試験ですから。

筆者のスペック

このnoteをご覧になっている方の中にはいろんな学習歴の方がいらっしゃると思うが、ご参考までに筆者のスペックを簡単に晒しておこうと思う。

・学習状況:入門講義は一通り聞き終えた……けど、サボっていたせいで基礎がボロボロ。論文講座は未受講だし、短文事例もほとんどやったことないよ!! ちなみにR3は短答で落ちた(140点代後半)。

・添削・個別指導:あり。安田先生ん家の裏庭で絶賛放牧中の身の上である(※オンライン添削生)。

・起案歴:通算で約6ヶ月(六法のみで起案するようになってから2ヶ月経たないくらい)。題材はほぼ過去問のみ。

・これまで起案した答案数:20〜30通程度。民法の過去問を集中的に潰してきたため、刑法はほとんど書いたことがない。

ただでさえやばい学習状況だが、さらに仕事の繁忙期が重なり、イベント開催の告知から起案予定日まで学習時間がほぼ取れなかった。

苦し紛れに薄めの短文事例問題集を半分くらい読み(もちろんチンプンカンプン)、メインインプット教材として使っている予備校本にざっと目を通し、あとは運を天に任せて起案に臨むことになった。

※以下、本文に入ろうと思うが、ここから先のブロックは令和元年予備試験刑法の問題の詳細なネタバレを含む。まだ起案していない方はスルーされることを推奨したい。

起案を終えて

率直な感想~やっぱり短文事例をやっておけばよかった

予備試験の刑法はほとんどの問題が共犯だと聞く。なので、素直な筆者は今回も共犯が出るものと信じて疑わなかった。

が、まさかの単独犯である。

ナンバリングと書き出しの表現から迷う。

とりあえずなんとかしようと答案構成を始めたものの、なんと途中でペンのインクが切れてしまった。

慌てて筆箱を取り出し、万年筆に持ち替えるも……そっちもインクが切れており、ここでカートリッジの交換作業が発生。思わぬタイムロスである。

さらに2週間ほど起案ができなかったこともあり、書き間違いも頻繁に発生する。

設問の前半は業務上横領? 後半は遅すぎた構成要件の実現??

パッと正確な定義や規範が出てこなくて、現場で苦しみながらでっち上げることになった。後半の総論関係の処理がめんどい。っていうか、論じる順番どうしよう。

担当者の麦畑先生が今回この問題を選んだ理由って、多分そういう面倒さがあるからなんだろうな。

とまあ、てんやわんやだったにもかかわらず、最後、実は時間が5分くらい余った。おかしい。これは明らかに論点を落としている。苦し紛れに、最後「なお書き」で余計なことを書いてしまう。

書き終わってすぐに、「これは余事記載だったかも」と気づいて思わず天を仰いだ。

トータル3枚(と少し)。ああ、オワタ……。

1ページ目
2ページ目
3ページ目
4ページ目(蛇足感が溢れている)

短文事例ゴリゴリやっておけばよかったし、各論の構成要件をゴリゴリ暗記しておけばよかった。こーゆうところで足をすくわれるんだよ、と真剣に思った。

反省点

ペンを置いた瞬間に、ああダメだと思ったわけだけど、終わっちまったものはしかたない。本番じゃなかったのが不幸中の幸いである。

ところで、筆者には同じ安田門下に所属する優秀なゼミ友がいる。

デキるゼミ友たちの答案を拝読して、さっそく論点をいくつか落としたことに気づいた。

個人的にやってはいけなかったミスNo.1は、文書偽造を落としたことである。問題文にこれみよがしに書いてあったので、どう考えても問題文の読み落とし、凡ミスの類であった。定義・規範が出てこない系より、正直タチが悪い。

多分、最大の原因は問題文にマーキングしなかったこと。

過去問集やiPadを利用して問題を読んでいたがために問題文に書き込みをしない癖がついていたが、刑法は民法と違って図が書きにくい。問題文はプリントアウトし、行為ごとに、きちんとマーキングしてメモをとっておくべきだった。


個人的に添削をお願いした安田師匠には、ミーティングやら添削コメントやらで「どーゆーつもりでこれ書いたの?」「ここの部分、記述がループしてない?」「これ、行為として別に考えるべきなんじゃない? 判例はなんて言ってた?」等々いろいろ突っ込まれ、しょんぼり。

さらに小牧くんから「間違えた文字の修正なんだけど、横線できちんと消した方がいいんじゃない?」とアドバイスをもらう。長年の手癖って怖い。

あーあ、やっちまったよ、という感想しかないが、とりあえず何とか提出はしたわけで、読み途中の短文事例問題集に取り組んだり、テキストを読み直したり(定義を暗記しないと!!)、年末進行にオタオタしたりしながら講義本番という名の処刑タイムを待つことにする。

しかし、なんといっても、1番恐ろしかったのは全体的にゼミ友たちの答案のレベルが総じて高い印象だったことである。正直、震えた。予備試験が相対評価の試験である以上、これってすごく怖いことだ。

今回の自分の答案は正直話にならないレベルだが、今から頑張っても多分良い評価をもらうのは難しいんじゃないかと思う。人生諦めも必要だよね、うん。

講義に参加してみて

麦畑先生が令和元年の問題を選んだのには、「総論と各論の理解が広く問われる、受験生の実力が点数に現れやすい問題だから」という理由があったようだ。

講義当日は詳細なレジュメが配布され、出題趣旨を踏まえた大まかな解説、さらに先生作成の答案構成例をもとに話が進行。

みんなができているところ・できていないところについてコメントをはさみつつ、各論点の検討が行われた。

「これが正解筋だと思うけど◯◯も」と現実的な落とし所も伝えてくださるなど、とことん受験生目線の講義になっていたように思う。

個別の論点の解説はもとより、事実を使えない論点は配点がないので手短にまとめる、複雑な問題は論点落としを防ぐために図を書くことなど、答案作成時における実践的なアドバイスをいただいた。

その一方で、「知っていることと書けることは違うから、短答で出た知識を深く理解してきちんと文章の形で出せるように」「要件は漏れなく検討すること」「総論の論点は要件と紐付けて整理しないとダメ」「三段論法ができていない答案が散見された」(←ドキッ)と、ちょっと耳が痛い指摘もあり。

ただ、「論文、これから書きまくるぞ!!」と重い腰を上げた今の時期に、先制パンチを浴びたのは、かえってよかったのかもしれない。

たぶん、今なら変なクセもついていないと思うから。ここはポジティブに行こう! ポジティブにね(泣いてない……泣いてないもん)

試験本番に向けて

はじめての採点実感講義はほろ苦いを通り越して、ひたすらに苦かった。

このnoteでこんなことを書くべきではないと思うけれど、筆者が「刑法が得意です」と胸を張って言える日は永遠に来ないだろう。

だって、他のみんながものすごくよく書けると知ってしまったから。これは、「複数の受験生と一緒に同じ過去問を解く」という本講義に参加したからこその感想だと思う。

試験本番まで、もうすぐ半年を切ろうとしている。

麦畑先生に最後にいただいたアドバイスは、「自分にできなかったこと、その原因が何かを考えること」「どうすればできるようになるのか考えて今後の勉強計画を見直すこと」「試験本番もそうだけど、時間はあるように見えて意外とない」ということ。

正直、今からできることなんてほぼないと思うが、やっぱり基礎基本の徹底に尽きるのかな、とつくづく考える。

個々の論点は予備校本で「重要」扱いされているレベルのものであっても、これらが組み合わさったり、事案に合わせて文章化しなければならなくなったり、となると、とたんにボロボロになってしまう。

求められているのは、ミニマムでいいから「きちんと使える知識」を増やすことで。

手を広げず「読んで・覚えて・書いて」を愚直に繰り返すしかないのだと改めて悟った。

今コツコツ、テキストを通読し直しながら薄めの短文事例問題を進めている。ひととおり終えた段階で、もう一度本問を書き直してみたいと思う。

さて、次回のOLS予備試験採点実感講義、次回の科目は行政法。担当アドバイザーは、厳しくも愛のあふれる指導でおなじみ、ともしび先生である。

次回執筆担当者の梶原くんに生け贄のバトンを回すことにして、本稿はここで終わる。

(執筆・別宮央都 編集・OLS編集部)

今回の執筆担当者

別宮央都(ベツミヤ オト)

豆大福とハーゲ◯ダッツが好きです。

怠惰なシロクマ。深夜残業中にたまたま予備校アフィサイトを踏んでしまい、「現実逃避したい」という不純な動機から予備試験の勉強を始めることになったらしい。いちおう塾っ子だが、論◯スの冒頭で早くも挫折。以来ほとんど論文対策をしないまま、ここまで来ちゃったゾ。好きなものは豆大福(こしあん)、嫌いなものは分厚い基本書。8時間寝ないと機嫌が悪くなります。
本講義後、ちょびっと反省して短文事例問題集を始めた。

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