『民事実務基礎科目でAを取る!!「大島本」活用方法』を受講して、令和2年の問題を解いてみた
みなさま、こんにちは! OLS編集部です。
突然ですが、実務基礎科目の対策は順調ですか? 実務基礎科目は「予備試験合格の鍵を握る」ともいわれる超重要科目……と言葉にするのは容易くても、実際に勉強するとなると「なかなか手が回らないよー!」となりがちなのも事実。
特に、勉強を始めて間もない場合は、短答後に慌てて実務基礎科目の学習を始める、という方もいるのではないでしょうか。
重要科目なのはわかっちゃいるけど時間がない!!
噂の大島本に手を出してみたはいいけど、なんかよくわかんない!!そもそも入門編と上巻どっち選べばいいんだ?
今回レポートをお届けする、ぽつ先輩の『民事実務基礎科目でAを取る!」はまさにそんなアナタのための講座です。試験対策の定番・大島本の正しい選び方から、通読する際のポイントまで、民事実務基礎科目をマスターする上で外せないポイントが詰まってます。
R4受験予定の方はスキマ時間に。来年以降受験予定の方はじっくりとどうぞ。
はじめに
3月も終わりに近づき、皆様におかれましても着実に近づく予備試験の足音に焦りを募らせておられる頃だと推察いたします。(というより、私自身がとても焦ってます!笑)
特に実務基礎科目は周りが本格的に対策を始めてきていて、取り残されている感覚になっている人も多いのではないでしょうか?
一方、対策を始めてはみたものの理解がいまいち進まない…という人も多いことと思います。
かくいう私もそんな焦りを抱える一人でして……。
そこで、藁をも掴む思いで『民事実務基礎科目でAを取る!!「大島本」活用方法』(ぽつアドバイザー)を受講し、『民事裁判実務の基礎(入門編)』(以下、大島本)を大急ぎで通読。初めて過去問を解いてみました!
今回は単なる受講レポートではなく、同講座を通じた民事実務基礎科目過去問演習への導入体験レポートという形でお届けします!
講義受講編
①大島本を読む目的
この講座はまず目的意識の確定から始まります。なんとなく読む本ほど頭に入らないものはないので、この部分は絶対に大事ですよね。
ぽつアドバイザー曰く、大島本を読む目的とは「本番で解答するための思考過程を獲得すること」にあります。
講座内でも言及されているように、これは「本番をイメージしながら教材を読み込む」という全ての科目に通じる勉強方法だと思います。つまり同講座は、本番に向けて教材をインプットするスキルを民事実務基礎科目を通じて伝えてくれる講座でもあり、汎用性がとても高い内容だと感じました。
②書籍の選び方
ご存知の方も多いと思うのですが、大島眞一先生による同シリーズはいくつか書籍があり、初学者は「どれを買えばいいの?」と迷うと思います。(特に上巻と入門編がややこしいですよね。笑)
この講座では全てを確認したぽつアドバイザーが書籍ごとの棲み分けを丁寧に教えてくださります。
これによると、上巻は発展的な事項への網羅性が高く、入門編では予備試験で出てくる可能性の高い基礎的な事項が網羅されているとのことでした。
結論としては入門編が推奨されているわけですが、この棲み分けは書籍ごとの特徴に沿って詳細に説明されているので、「え、上巻買っちゃったよ…」という人や「入門編を勉強したら次はなに読むべき?」という人にとっても一見の価値があると思います。
③具体的な読み進め方
そして「本番で解答するための思考過程の獲得」のために具体的にどう大島本を読み進めていくべきかが解説されます。
ぽつアドバイザーが再三強調されていたのは「事案ごとのフローチャート(いわゆるブロックダイヤグラムと呼ばれるものだと思います)を実際に作ることの重要性」でした。
やり方のコツと注意点についても、貸金返還請求を例にしながら具体的に説明してくださりました。「こう読み進めればいいんだ」という点が明確になり、大島本を読む上での不安を払拭してくれる内容だったと思います。
こればかりはビジュアル的側面が強く、記事で伝えることがなかなか難しいので、是非一度ご視聴いただきたいところです。
個人的に特に印象的だったのは「丸暗記しないこと」でした。この講座を受講するまで「要件事実は丸暗記なんでしょ?」と思い込んでいたのですが、ぽつアドバイザーのこのアドバイスで科目の印象がガラッと変わりましたね。
受講した直後、「早く要件事実を勉強したい!」とモチベーションが上がりまくる単純な私でした。
大島本通読編
そこで早速、大島本に取り掛かったのですが、フローチャートを作りながらだとやはり時間は結構かかりましたね。笑
ただ、おかげで主体的に読み進めることができました。1つ1つを自分で考え手を動かして理解していくので漫然と読むことはありませんでしたね。
それに要件事実は文字だけだと混乱するので、ビジュアル的に整理するためにも理に適った方法でした。そして、この講義のレジュメは大島本の副読本として本当に有用です。迷ったらすぐに参照して方向性を修正することができたのでとても助かりました。
もちろん難しかった部分もあります。民法では「書くこと」に意識が向きがちだと思うのですが、要件事実は「書かないこと」も大事なのだと思います。
例えば請求原因やそこに行くまでの攻防で既に現れた事実は主張されない等、要件事実特有の頭の使い方には苦戦しました。また、予備的抗弁になるか選択的抗弁になるかなど、一つ一つの要件事実についてインプットすべきことも結構あるので大変でしたね。
しかし、これらには全て論理的な裏付けがあるので、焦らずその論理的な連なりをしっかりトレースしていくことが大事なんじゃないかと感じました。
実際にやってみると、ぽつアドバイザーの仰るように本当に暗記科目ではありませんでしたね。むしろ非常に論理的な科目であると実感しました。
実践編
大島本通読後、令和2年の過去問を実際に解いてみました。この年度を選んだのは、質疑応答でのぽつアドバイザーの「最新年度からできるだけ遡るべき」というアドバイスを前提として、大島先生の予備過去解説本の最新年度が令和2年であることが理由です。
ちなみにこの解説本は大島本とのリンクが明示されているので非常に復習しやすかったです。
答案の評価は読者の方にお任せする他ない訳ですが……笑
解いた感想としては、設問1から設問3までをできるだけ早く、そしてタイトな分量で書き切り、設問4の事実認定に時間を割くことが大事だったのではないかということでした。そして、前半を素早く処理するために重要なのは当事者の主張の整理であり、ぽつアドバイザーの強調されたフローチャート作りはその最大のツールであると実感しました。
この点、私は小問ごとに検討してしまい、全体的なフローチャートを綿密に作らなかったことが反省点ですね……フローチャート作りの重要性を実践の中で再認識する形となりました。
まとめ
今回は私にとっての初めての民事実務基礎科目の過去問演習へ至るまでの過程を見ていただきました。自分としては反省点はあるものの、まずは過去問にチャレンジできたというのが大きな第一歩でした。
この講座がなければここまでスムーズに入っていけなかったんじゃないかなぁ…と思います。
さらに過去問演習を重ねていき、より良い答案を作っていけるようにしていきたいと思います。
ぽつアドバイザー、本当にありがとうございました!
(執筆・梶原恭二 編集・OLS編集部)
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