令和元年民法、1番難しいのは論点じゃないところ。【答案改造ビフォーアフターVol.6】
万年筆を走らせながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば無理筋だ。とかくに民法の問題は書きにくい。
筆の詰まりが高じると、某塾で入門講義を受講し始めたあの頃に引き返したくなる。どこへ逃げても書けないと悟った時、諦めが生れて、ヘッポコ答案が出来る。
こんなクソ面倒な問題を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣にチラチラするただの人である。……
紳士淑女の皆様ごきげんよう、OLSライターの別宮です。
令和4年度予備試験短答式試験、本番まで、あと少し。必死で短パフェや肢別本と格闘している方も多いのではないでしょうか? かくいうワタクシもその1人です。
親族相続といえば短答プロパー扱いされがちなところですが、ところがどっこい論文でも出ます。特に相続。それこそ嫌になるくらい出ます。
というわけで、今回の予備試験採点実感講義、お題は令和元年度民法。物権変動あり、相続あり。今振り返っても盛りだくさんすぎて泣きそうです。
講義担当は、民法の名門・京大ロー出身にして令和元年予備試験合格者でもある、ぽつアドバイザーです。
起案時を振り返って
とにかく要件事実というか、請求を立ててから本論に入る、の流れは徹底しようと思っていました。
ただ、振り返ってみると、ちょっと筋がぐちゃぐちゃしてますね。
所有権の移転と、対抗問題と。さらに相続も絡んでいます……。
基本中の基本ですが、自分の中で理解が不十分だったと思いました。短答前に改めて見直す機会があってよかったかもしれません。
あと、今回の答案、実は途中答案になってしまいまして、あとから書き足しています。設問1で力尽きてしまいました。
自分の筆の速さが把握できるのは、時間を測って書く最大のメリットといえるでしょうが……うーん、でも悔しい。
肝心の書くスピードについては、私の場合はやはり3枚が限界ということになりそうです。これはもう諦めるしかないでしょうね。
本番では途中答案は絶対に避けなければなりません。タイムマネジメントやページ配分には本当に気をつけようと改めて思いました。
講義を受けて
まず、ぽつアドバイザーお手製レジュメを見ての感想をば。
うわ、何これ、超細かい採点表ある!! しかも、各項目ごとにみんなの平均点も出してる!!
思わずクラクラしました(笑)。
民法答案の型・論理のあるべき流れへの言及&本問における設問の読み方についての丁寧なイントロダクションから始まり、内容面については採点表をベースに「何を書くべきか」「どこに配点があるのか」「落としてはいけないポイント、加点要素は何か」という視点からの解説が行われました。(採点自体は甘く行なったそうですが)
また、みんなの答案からダメダメなところを抽出した「本番でやっちゃうとやばいぞ」リストも作ってくださっており、本当にありがたかったです。
でも、各設問・各項目の解説もものすごく詳しくてタメになったんですけどね。
ぽつアドバイザーさんの発言の中で、何より胸に刺さったのが、「みんな論点はそれなりに書けてるけど、論点論点してない部分での構成に難がある人が多いよね」(要約)というもの。答案の骨格ができていない、細かいところでたくさん気をつけるところがあるんだよ、とも。
論理の一貫性が見られるから、という理由で令和元年度の問題を選んだ、と、ぽつアドバイザーは講義の最初にコメントされていましたが、うーん、深いですよね……。
講義レポートの終わりに、そして令和4年度短答式試験に向けて
この文章を書いているのは、2022年4月初め。まさに令和4年度予備試験短答直前期であります。
OLSの採点実感講義って、ぽつアドバイザーのもそうなんですけど、問題や答案例の解説に止まらずに「論文の書き方」や「あるべき思考プロセス」について惜しみなくノウハウ出してくれるのが良いところだと思うんですよね。
正直、今の自分の到達度を考えると、どこまで本番まで完成度を上げられるのかはわかりません。
でも、それでも「論点論点してないところでもきちんと書ける」ように勉強していこうと思いました。
うまく言葉で表現できないんですけど、今回のぽつアドバイザーの指摘って本質を突いていると思うんですよね……。
なぜ、論点以外のところで形が崩れてしまうのか。
これについては、一度突き詰めて考える必要があると思っています。
また、短答でも似たようなことがいえるんじゃないかなって、漠然と考えたりもしました。こちらはまだボンヤリとした仮説の段階ですけども。
最終的な結果がどうなるかはわかりませんが、泣いても笑っても残り40日。精一杯頑張っていきたいです。
(執筆:別宮央都/編集:OLS編集部)
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