ゲームルールの考察:遊戯王OCGについて
みなさま、あけましておめでとうございます。この一週間くらい、遊戯王OCGの無料アプリが登場しまして、ポケモンアルセウスの発売直前ということもあり、鬼のように配信されていましたが、私もこれを機にこの無料アプリ「遊戯王マスターデュエル」を遊んでいました。
割と、昔取った杵柄でやったんですが、割と操作性もよくサクサクと進められて自分が作ったファンデッキが通用する間は楽しく遊べました。まぁ、シルバーティアになった瞬間割と普通に対策カードでなすすべない状態になったわけですが、それでもファンデッキでも組み方によってはゴールドティアくらいまではすんなりいきそうな感じもあります。現状では、ですが。
で、思ったんですが、案外ルール自体は昔のままで、近年の高速化を対策カードで何とかする、同じくらいスピードを大量に作って対抗する的な方向でなんとかバランスを保ってるという感じで、それはそれでまぁアリなのかもなぁということで、今回は、遊戯王OCGの変遷とかどういう感じで遊ぶものなのか的なところを考察していこうと思います。
遊戯王OCGのざっくりしたルール
遊戯王OCGは何度か大幅な改定が行われており、今後も新たなカード種が増えることで変更される可能性がありますが、2022年現在のところ、特定のカードを置くスペースが決められており、それを「デュエルフィールド」といいます。で、そこに置くカードの束が2種類ありまして、それぞれ決められたカードのなかから40枚の束としての「デッキ」と15枚の束としての「エクストラデッキ」というものを別々に置いておきます。
「デュエルフィールド」には、墓地、フィールドゾーン、メインモンスターゾーン、エクストラモンスターゾーン、魔法&罠ゾーンがあり、魔法&罠ゾーンの両端を共有する形でペンデュラムゾーンがあり、「デュエルフィールド」外に「除外領域(造語)」があります。詳しくは公式の遊び方を参照してください。
で、ゲーム開始時に先攻後攻を決め、お互いの手札が5枚になるまで引いてゲームが始まります。プレイヤーターンはそれぞれドロー、スタンバイ、メイン1、バトル、メイン2、エンド、というフェイズがありますが、基本的にはメインフェイズで魔法カードを使ったり、モンスターを召喚したり、罠カードをセットしてバトルフェイズで攻撃して、エンドフェイズを迎えるという流れを交互に行っていきます。先行1ターン目だけは、ドローフェイズでドローがなく、バトルフェイズは行えません。
こうして、基本的にはお互いに持っている初期ライフ8000ポイントを0にしたほうが勝ち、という流れです。詳しくは公式の遊び方を参照してください。
現在の遊戯王OCG
という感じではあるのですが、遊戯王OCGが現在のかたちになったのは2020年4月ごろ、ということみたいで、それまでにも様々なルール改定が行われてきました。基本的には新しい召喚方法を持ったモンスターカードが制定されるにつれ、フィールドが更新されていった経緯があります。
遊戯王は、1ターンに1度モンスターを召喚することができますが、これを「通常召喚」といいます。モンスターカードには「通常モンスター」「効果モンスター」がいて、それぞれレベルが設定されています。レベル5以上のモンスターを「通常召喚」するためにはフィールド上のモンスターを墓地に送る必要があり、これを「アドバンスド召喚」といい、「通常召喚」の一つになります。
メインフェイズに入ると「通常召喚」という行動が「1回できる」ようになりますが、これはカードの効果により増やしたり、禁止されたり、条件が付けられたりします。また、各カードの効果により「通常召喚」という行動以外の方法で召喚ができることがありますがこれは「特殊召喚」といいます。なかにはエクストラデッキにしか入れることができず、ほかのカードにより「特殊召喚」されないとフィールドに出せないモンスターカードなどもあります。これらのカードは出し方によって「儀式モンスター」「融合モンスター」「シンクロモンスター」「エクシーズモンスター」「ペンデュラムモンスター」「リンクモンスター」などと言われます。
現在の、遊戯王OCGの主なプレイとしては、いかに通常召喚の回数を抑えつつ、これら「特殊召喚」の条件を整えるためにカードをサーチしたり、墓地に送ったりして条件を整え、エクストラデッキから強力なモンスターをフィールドに展開し、場に出た効果で相手のカードを除去したり、攻撃力を上げたり、ドローやサーチなどをしたりして、場を制圧していくか、というパズル的な要素がかなり大きくなっています。感覚としては、効果モンスターの効果をバケツリレーしていきその過程で発生する効果を利用して場を制圧していくような感じです。ほかのTCGでは「ソリティア」として忌み嫌われていたりしますが、遊戯王の現在の本質は「いかにソリティアを続け勝利までつなげられるか」という部分にあります。
先攻1ターン目にドローとバトルがない、というのは先攻1ターン目での勝利を難しくさせるため、という意図があり、現在では罠カードのセットなど後攻1ターン目の妨害を先攻時に完結させるか、バトル以外の方法(例えば効果ダメージや特殊勝利など)でソリティアして勝つか、という目的で先攻をとることが多いようです。基本的には後攻有利なんじゃないかと思っています。
プレイングの変遷
多分、こういう変遷です。(完全に一方的な個人的な見解です)
繰り返しドローをしまくってエグゾディアをそろえて勝つ
ヤタガラスやサイコショッカーなどで相手のプレイを阻害して勝つ
相手の手札、デッキ、墓地からカードを除外して勝つ
強力なモンスターカードを出してそのモンスターカードの効果で相手フィールドを除去して盤面を制圧し勝つ
帝で勝つ
トリシューラで勝つ
(↓↓↓この辺からソリティア要素マシマシ↓↓↓)
ショックルーラーとビッグアイで勝つ
征竜で勝つ
クリフォート、ネフィリム、ネクロス、のいずれかで勝つ
ファイアーウォールドラゴンで勝つ
ワンキルソリティアで勝つ。←今ここ
補足:ほかのデッキはいわゆる「ファンデッキ」と呼ばれ、勝負よりも演出やコミュニケーションツールとしての社交的な遊び方を主軸にプレイされていたりする。
感覚的にはワンキルソリティアが可能な組み合わせをたくさん作ってメタゲームを回そうとしている感じがあります。ワンキルソリティアを組みやすい特定のデッキが圧倒的なトップメタを形成していた時代から、その種類が増え、また相手のターンでも手札から発動して妨害するカードも増えたことから、ワンキルソリティアをどのタイミングで阻害するか、といった駆け引きの主戦場が1ターン目に行われるようになった、という点では勝負の駆け引きや、デッキ制作の自由度については今が一番いいタイミングかもしれません。
若干、ターンの意義について再考したほうがいいんじゃないかなとか思いますが、個人的には3ターン以内に決着がつかなかったら先攻勝利か引き分けにするルールにしたほうがいいんじゃないかとか思うこともありますが、それは本質的でもないし、下手にルールいじくって世界滅亡してもしょうがないので、まぁ、デザイナーの方々は頑張ってください、と思います。