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【別れ】未来を信じて疑わなかった私と優しい嘘をつき続けたあなたへ

彼「また連絡する。」

この最後のLINEから1年以上が経った。

彼からの連絡は来なかったし、私からもしていない。


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何事も始めを想像する人は多いと思うけど、物事には終わりもくるしそれは突然のこともある。
私と彼の同棲生活も、終わりはあっけなく訪れた。

当時の私は、真っ暗で出口のない迷路を一人さまよっているような気分で毎日を過ごしていた。

強面の彼も私といるときだけは表情を緩ませていたのに、あの事件からは私を見る度に苦しそうな表情に変わり、いつしか見ようとせずに避けるようになっていった。

彼「いちはさ、引っ越ししよう。一人暮らしの家さがそう。」
私「…え、どういうこと?私達、終わりにするってこと?別れるの?」

あの頃の私は彼と別れるなんて信じられなかったし信じたくもなかった。

彼「そういうことじゃないけど…。」

突き放すことができなくてそう言うしかなかったのであろう。
私の質問に言葉を濁す。
上っ面な其の場凌ぎだとわかっていても、別れたくなかった私は形式上付き合っているだけでもまだいいと思えた。

好きな恋人と同じ空間にいながらも避けられ続ける生活に、私自身の心も限界だった。

少し、離れてみるのも必要なのかもしれない…私は彼の提案を受け入れることにした。

同棲をやめると決まってからは、彼はあからさまに私を避けることは少なくなったし、むしろまた時間が経てばもとに戻れるのかなと思ってしまうくらい優しかった。


年が明けて、私は引っ越しをした。
彼はその後も2回ほど様子を見に会いに来てくれた。

最後に会った日、一緒に住んでいた家の合鍵を返すことになった。
もう彼が私に会う理由がなくなってしまうと思い、思わず声がでる。

私「また、会いに来てくれるよね?」
彼「うん。また来るよ。」

鍵を返してからも彼が会いたいと思ってくれているのであればまた会えるかもしれない。
今日が最後の日になるのではと不安になりつつも、彼の言葉に少し期待をしてしまう自分がいた。





しばらくたった頃、彼の家から私の残りの荷物と
私の懐事情の心配をしてくれたのか家賃の足しにとお金が送られてきた。

もう本当にこれで終わりなんだなとその時になってやっと気付いた。
いや、本当はもっと前から彼の嘘に気付いていたのかもしれない。
気付きたくなくて、知らないふりを続けて、現実から目を背けて逃げていたんだ。

彼と結婚がしたかったのに彼女というポジションすら失ってしまった。
私、何をやってるんだろう。

虚無感でしかなかった。
期待なんてしちゃってばかみたい。

もう、彼にすがるのはやめよう。前を向くためにきちんと自分の中でも別れを受け入れよう。

荷物のお礼を…と思い、連絡をとるとすぐに返事がきた。

彼「頑張ってね。俺も頑張るから。また連絡する。」


最後まで嘘が下手で、優しくて、ずるい人だなぁと涙が止まらなかった。




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まろん
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