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帰国はつらいよーーコロナ検査at成田空港・帰宅(2020年8月下旬の夜)
予定の1年があっという間に過ぎ、帰国する日が来ました。帰国時のコロナ検査と帰宅方法を巡る状況は刻々と変化している上に、情報もなかなか入ってきません。私が帰国した8月下旬はPCR検査から唾液検査中心に変わったため、状況がまた変わって判断に迷いました。迅速に空港を出られるようになりましたが、国からのサポートはなくなる方向です。私の体験がこれから帰国する方の参考になることを願います。夜の成田空港は見出しの写真のようにガラガラでした(SF映画みたいだね、と友人に言われました)。
※この写真、そしてホテルやハイヤーの予約空き状況と価格設定から判断すると、8月下旬の人の往来は少なめだったと思われます。今後は空港などの混雑状況も考慮して判断されるといいのではないでしょうか。曜日によっても違うでしょうし…難しいですね。私の便は平日夜の着でした。
飛行機が日本に着いてからの大まかな流れは、以下のようになります。飛行機を降りる→検疫キット配布所に案内される→唾液採取・提出(人によってはPCR検査も?)→帰国後の連絡先など確認→検査の結果待ち→結果が陰性なら帰れる(陽性だとそのまま病院等に連れて行かれると思われます)→荷物ピックアップ→入国審査→税関→帰宅。
検査は言われるがままにするだけなので、陽性でさえなければいいんですけど…問題は帰りの足です。
帰国者は陰性であっても公共交通機関を一切使わず自力で帰ること。
なかなか厳しいご指示です。これを守るとなると選択肢は3つになります。①家族、会社、友人に迎えに来てもらう ②帰国者対応できるハイヤーを頼む ③レンタカーを借りる (④ごく稀に歩くオプションも?)。これ、人脈かお金のどちらかがないとできません。
①は、一番頼みやすいであろう家族がいようと、「親が年取ってきてるから、感染させないか心配で頼めない」というパターンもあります。何しろ敵は病気。友人にもそんなに気軽に頼める状況ではないと感じます。②のハイヤーは、庶民にはとにかく高い。価格は会社によるようですが、成田から東京都内まで帰るとすると、2万円から4万円が相場のようです。余裕を持って予約したり、昼間に待機している車を拾えたりすれば、いい条件で帰れる可能性が上がると思います。これがさらに遠方となると…成田から青森あたりだと20万円台。胸がキュッとなる数字です。③のレンタカーは、乗り捨てのレンタル料金相場が1日数千円から1万円代。運転免許があり、かつペーパードライバーではないことが前提になります。ハイヤーよりは安いですが、関東近郊に限って言えば、電車やバスを使うよりは高いのは確かです。何より時差ぼけで疲れた体で運転したら事故の確率が上がるし。
ネットで情報検索をする中で見た、ある公的機関の文書には、このような記述がありました。
Q. 国内に身寄りがなく、所持金も少ないのですが、どうしたらよいでしょうか。
A. 国内の滞在場所等の手配を済ませて帰国・入国されるのが前提です。決まっていない場合やホテル等での滞在費用に懸念のある場合は、家族、実家、親族、友人等に連絡するなどして手配を進めてください。なお、検疫所では個人的なご相談やご要望には一切お応えできません。
相談に乗っていたら際限がないのはわかりますが、冷たい…と感じます。外国から帰って疲れてるし心細いしのところに、この対応。帰宅後2週間の隔離期間、スーパーや役所に行くのは認められているんですよ。マスクして喋らなければ、帰る手段の電車バスは許してくれないものかな…とは思います。機内でも喋らないでと言われたので、小さなお子さん以外、お喋りする人いませんでしたよ〜。
私の帰国は、成田着が夜の21時近くという条件だったため、さらに帰り道のハードルが上がりました。PCR検査が主流だった7月半ばに得ていた情報では、夕方以降に帰国した人は、厚労省の用意した宿泊施設に案内される流れになっているようでした。たぶん唾液検査だろうと思われたものの、PCR検査の可能性も排除できません。唾液検査だとしても、結果が出るまでに2時間から4時間かかる、ということは空港を出られるのはよくて23時、悪ければ夜中の1時です。レンタカーカウンターも何もかも閉まっている空港で、そんな時間に全員を放り出すことはさすがにないのでは?とたかを括っていました。
甘かったです。厚生労働省窓口に電話してわかったのは、検査が終わるのが夜中だろうと宿泊も何も提供してもらえないということでした。「お友達に頼んでください」の一点張りです。車を出してくれるという優しい知人はいましたが、帰国者と接触してもらうだけでも申し訳ないのに、夜の23時か1時かわからない状況で来てもらうのには躊躇しました。
成田空港は24時間営業ではないので、レンタカーカウンターも荷物配送カウンターも、21時や22時といった時間に閉まってしまいます。直近のホテルは1キロ先。徒歩かハイヤーで来てくださいと言われました。帰国者対応ハイヤーがその時間に予約なしで待機しているとは思えません。荷物も預けられません。これは最悪、空港で夜明かし…? 厚労省は「待機所は用意していません」「お友達に頼んでくださいとしか言えません」とのことでした。心が寒々とします。いえ、その前に路頭に迷ってしまうという不安の方が大きい。
成田の第2ターミナルにはカプセルホテルがあるとわかりました。徒歩で行ける、荷物用ロッカーあり(はみ出す場合もフロントは相談に乗ると言ってくれました。最悪の場合で2部屋取って2つロッカーを使う)、24時間フロントオープン。ここで選択肢は2つになりました。①ハイヤーを頼む ②カプセルホテルに泊まり翌日の昼間にレンタカーで帰るか知人に頼む。
結局、ハイヤーを頼みました。陽性結果が出た場合のキャンセル料金を無料にしている会社もありますが、私はキャンセル料100%を支払う設定の会社でしか予約できず、賭けでした。ハイヤーは飛行機の到着時刻あたりから待機し、その後はこちらと携帯電話などで連絡を取りながらの待ち合わせになります。検査のやり方に慣れてきたからか、夜遅くで人が少なくなっていたからか、検査結果は予想よりずっと早く出ました。飛行機を降りてからハイヤーにたどり着くまでに2時間切っていました。
この会社は成田空港から関東地区の自宅まで、キャンペーン料金で高速料金と税金込みで2万5千円に設定してくれていましたが(当日予約だと4万円超えるとのこと)。私の場合はギリギリで22時の深夜時間帯に入っての出発になってしまったため、上記の額に6千円少々が加算になりました。検査が遅くなって待機時間が延びると、更に割り増しがあるそうです。「大変だったでしょうけど、せっかくのリムジンですから寛いでくださいね」と運転手さんが優しく言ってくれました。確かに、シートがとても広くてフカフカ〜と、言われて気づきました。自腹で3万円超、せめて味合わわねば!
終わってみれば、スムースに帰れた方だと思います。客室乗務員の方々も検疫所の担当者も空港の係官も、ひたすら優しかった。でも、とにかく帰国前の段階で細かい情報がないのには焦りました。後追いで調べてみると、営業時間を23時まで延ばしているレンタカーショップもありました(ただし23時までに借りに行ける保証はありません)。厚労省がハイヤーの会社をリストアップしてくれているページもありました。でもこうした情報は、航空会社も厚労省も、尋ねても教えてくれませんでした。下手なことを言って責任を取りたくないという組織の方針が働いていると推測しますが、自らリストアップしているものくらい教えてくれてもいいんじゃないの?と思います(電話窓口では「ハイヤーは個人的に調べてください」と言っていました)。不確定要素はあるが最近はこんな感じだよと、航空会社とも連携して帰国者に教えてくれれば、帰国後の手配の目安がどれほど楽になったことか。
情報を得るのが難しかったのは、私たちの中に理不尽なクレーマーが増えているということなのかもしれません。だから組織は責任を取らなくていいように防御的態度になり、最低限のことしか言わない。そして帰国者は途方に暮れる(ウロウロしたら感染の可能性が上がるのでは…)。悪循環だ! 飛行機が飛んでくれただけ、ハイヤーの予約が取れただけ、比較的近距離だっただけマシだと感謝はしていますが、とにかくヤキモキする帰国でした。こんなに右往左往したのは私だけでしょうか?? 困っている方がもしいるのなら、この情報が少しでも助けになることを願います。