最近のラッコブームに対する雑感

私はラッコが好きですが、ここのところのラッコブームを手放しで喜べないのです。

もちろん嬉しい側面もあるのです。園館からたくさんのグッズが発売されたり、ラッコに関する書籍がたくさん出たり。

しかし、(特に鳥羽水族館では)最近の盛り上がりはあまりにも加熱しすぎていると感じるのです。
最近行ってないのに、遠いところからいかにも懸念するようなことを書くのもなんですが。
SNSを見ていると、鳥羽水族館では連日開館待ちの行列ができ、開館と同時に一斉にラッコ水槽まで向かう人がたくさんいて、中には追い越しやダッシュをする人もいるようです。

昔(2018年、私が訪れた頃)はそれほどでもなく、ごはんタイム以外は見物される方も数えるほどしかいなかったのですが、今では水槽前は人、人、人。一眼レフに望遠レンズをつけるガチ勢や、見られるうちに見ておこうという親子連れ。譲り合おうにもスペースがない。一度譲ったら戻る場所がない。

何で譲らなきゃいけないんだよ、こっちは泊まりがけで朝一から並んでるんだぞと主張する人もいる。親子連れの中にもルール(というかマナー)を守らない人もいる。もちろんただ純粋に見たかったのにという人も大勢いる。

私は、こんな風にはなって欲しくなかったと思っています。

争わないでほしい。
騒がないでほしい。
空間と心に余裕を持ってほしい。
ラッコのことで揉めないでほしい。

ほどほどにお客さんが入って、ちゃんとルールやマナーを守ってメイちゃんキラちゃんをみんなで楽しく見守ることが出来る。
さらには案内板を見てラッコに関する見聞を深められる。そんな世界線はもう来ないのでしょうか。

水族館はエンタメ施設ではなく教育の機会の場だと信じたいのです。


これを受けてかどうかは分かりませんが、鳥羽水族館では7月27日から全日、「お子様専用スペース」が設けられることになりました。向かって右側の最前列。ちょうどキラちゃんがよく見えるスペースです。

「ご同伴者様を含め、大人の方にはご利用いただけません。」

これって(いろんな意味で)大丈夫なのでしょうか。親御さんですら入れないんですよ。
子どもですから、何かトラブルがあったり怪我したりすることもあるでしょうに……。あと、水槽と柵の間に物を落としたり。無法地帯になりそう(今もそうかもしれませんが)。

今しか見られないから、将来のために子どもたちに見せた方がいいという意見もあるでしょう。ごもっともです。反論はしません。

お金と時間をかけて遠方から来た人が見られなくなる可能性が高まるので良くない、という意見も、ごもっとも。

あえて具体的な解決策は提示しませんが。

今では水族館のラッコが「コンテンツ」となってしまっているように感じます。彼女らはただ毎日を真剣に(?)生きている生き物に過ぎないのに。
昔からラッコが好きでたまらない方は、どのように思っておられるのでしょうか。

ここが水族館の難しいところです。教育活動の場としてやっていくか、娯楽施設に振り切るか。


おっと、マリンワールド海の中道のリロくんについてここまで触れてきませんでしたね。
リロくんちは土日でもたまにがら空きの時間があるようです。どうしてだろう。アクセスの問題?あんなに可愛いのに。
やはりSNSでのキラメイてるふたりがあまりにも可愛すぎるのでしょうか。リロくんもスーパーアイドルなのに。

また、北海道にやってきた野生のラッコを一目みたいとやってくる観光客。決して否定はしませんが、どうかラッコたちが平穏で過ごせるように配慮していただきたいものです。
ルールを守ってくれ。


別々の由来で生まれた「メイ」「キラ」という名前が合わさって「キラメイ」てる二人になるという奇跡。とても尊い。

今は、あまりにも眩しすぎます。ラッコたちは全く悪くない、そりゃそうですが。

会いに行けるラッコが国内に3頭となってしまった今では、このようにブームになるのも仕方ないのかもしれません。
どうか、皆がルールやマナーを守って、気持ちよく見守ることが出来ればいいのですが。
もう、混雑具合はルールやマナーで解決するレベルではないかもしれません。

うまく言葉に出来ませんが、こんなに流行って欲しくなかった。これに尽きます。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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