映画

女性をエンパワメントする映画5選


個人的に、同性にオススメしたいと思う映画を5つ選んでみました。

・自己肯定感が高まる


『アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング』(2018)

容姿にコンプレックスがあり自信を持てない主人公・レネー(エイミー・シューマー)は、ある日、自分を変えようと一念発起しジムに通い始めるが、そこでエクササイズ中に転倒し頭を打ってしまう。そして、目が覚めて鏡を見てビックリ。夢に描いていたような理想的な美女が鏡の中にいたのだ。しかし、これはレネーが頭を打ったことによる思い込みで、実際容姿は何も変わっていなかった。それでも、自分は美しいと思うようになったことで超ポジティブになったレネーは、これまでの卑屈な考え方も、振る舞いもどんどん変わっていき、理想の仕事を手に入れ、優しい彼氏もできる。ただ物語はここで終わるわけもなく…。自分が美女に見える魔法が解けてしまったレネーは、一体どうなってしまうのか。

劣等感との向き合い方や、ありのままの自分を肯定することの大切さを教えてくれる、笑えて元気が出るハートフルな作品。気楽に見られる上に満足感が高いので、疲れている時なんかにもオススメ。

・個性豊かなイケてる女たち最高!


『オーシャンズ8』(2018)

イケてる女達が見たいなら、これ。
見終えた後、風を切って外を歩きたくなる映画。あとオシャレしたくなる。

今作の主人公・デビー・オーシャン(サンドラ・ブロック)は、『オーシャンズ』シリーズの主人公・ダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)の妹。出所した彼女は、7人の犯罪のプロフェッショナルを集め、メトロポリタン美術館で開催される世界最大のファッションの祭典『メットガラ』でハリウッド女優・ダフネ(アン・ハサウェイ)が身に付ける1億5000万ドルのネックレスを盗む計画を企てる。世界中に生配信されているファッションの祭典で果たして本当にそんなことができるのか。という、ハラハラドキドキさせてくれるクライムアクション。

サクサク軽快に進んでいく物語は見ていて気持ちが良いし、「女の敵は女」という古い価値観に抗うように、お互いを尊重し連帯する女性達の姿は見ていて最高に楽しい。こうした王道エンタメが、全員女性で描かれていることにも大きな意義を感じる。

また、映画公開当時ケイト・ブランシェット演じるルーに惚れてしまう人が大勢現れたので、これから見る人は心して見た方がいい。私もその一人でルーのブロマイド買いました。主人公・デビーとの「この二人…?」と思わせる濃い関係性も注目ポイント。

・証明する必要なんてない


『キャプテン・マーベル』(2019)

大人気「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」の一作。MCU初の女性ヒーロー単独主役映画でもある。アベンジャーズ結成以前の1990年代を舞台に、強い力を持つ女性ヒーロー・キャプテン・マーベルが、失った自身の過去を探っていく形で物語は進んでいく。これまでのMCUシリーズを見ているとより一層楽しめるけれど、見ていなくても単独で楽しめる作品だと思う。

女には無理だと軽んじられたり、感情的になるなと何かと言われたり、日常の中でおそらくほとんどの女性が経験したことのある、現実社会における女性蔑視やジェンダーギャップの問題が作中に散りばめられている。ネタバレになってしまうので詳しくは書けないけれど、何故か上目線でこちらを「認めてやろう」とジャッジしようとする側に、私達は何も証明してやる必要はない、と明確なメッセージを打ち出しているところが痛快。相手の土俵に乗ってあげる必要はないのだ。

あ、あとこれは猫ちゃん映画でもあります。

・父権社会にサヨナラ


『アラジン』(2019)

言わずと知れたディズニーアニメの名作『アラジン』を実写化した本作は、作品がもともと持つ魅力を大切にしながら、現代へとうまくアップデートさせており、アニメファンの多くが絶賛。『A Whole New World』や『Arabian Nights』『Prince Ali』といった数々の名曲が完璧なビジュアルと歌声で楽しむことができる。

そして今回唯一の新曲となる『Speechless』は、女であるが故に抑圧されてきたジャスミンの心を歌った一曲。アニメ版と同様、結婚相手は自分で決めるという意志を持っているだけでなく、今回のジャスミンは王国を統治するサルタンになりたいという願いも持っているが、そうした願いを「女はサルタンになれない」と一蹴されている。そんな境遇にあるジャスミンがどのように答えを出すのか。どの場面でどのようにこの曲を披露するのか是非見てほしい。もう黙らないと力強く歌いあげる姿は、鳥肌が立つくらい素晴らしかった。

・私の身体は私のもの


『ホットギミック ガールミーツボーイ』(2019)

相原実貴による少女漫画『ホットギミック』(2000年~2005年)の実写化。サブタイトルの「ガール ミーツボーイ」は、永らく恋愛物語の代名詞であった「ボーイミーツガール」を反転させることで、少女が自分自身の主体性を奪われる恋ではなく、自分自身の主体性を知るための恋を映し出そうとした山戸結希監督の想いが込められている。

どこにでもいる平凡な女の子が、全く違うタイプの男の子三人に好意を寄せられる物語。と、これだけ聞くといわゆる逆ハーレム的な楽しいお話なのかな?と思うかもしれないが、ティーンエイジャーの不安定さや焦りが色濃く描かれており、だいぶヒリヒリする。登場人物にイライラしてしまう人も多いかもしれない。見ていられないと感じる人もいれば、これは私のための映画だと突き刺さる人もいると思う。また、作家性がかなり強い映像になっているので、上で紹介した4作と比べるとやや見る人を選ぶかもしれない。けれど本作が女の子のために作られた作品なのは疑いようがないので、救われる女の子が間違いなくいると思い今回紹介しました。

自分の身体は自分のもの、一見当たり前に思えるこの感覚に気付かないまま、誰かに振り回されてきた経験がある人はきっと少なくないと思う。そうして傷ついてきた「私」に、自分の価値を知ること、自分を大切にすることを伝えてくれる作品。


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