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映画の感想文 ”The Holdovers”
※ネタばれあります。まだご覧になっていない方はお気をつけくださいmm
先月観た映画。映画を観たあと、感想文を書いて友達と話し合うのが好きです。この映画も話し合って、深まりました。
クリスマスの置いてけぼり三人組の物語
置いてけぼりたち、というタイトル。まさに、置いていかれて最後まで残った3人のクリスマス休暇の物語。
クリスマスはこんなに特別なんだと改めて思う(日本のお正月もそうかもしれない)。クリスマスなんだから、クリスマスでしょ、と魔法の言葉のように繰り返される。
その分、クリスマスらしい休暇を過ごせないThe Holdovers が浮き彫りになる。
高校生のアンガスは、バカンス旅行に置き去りにされ、寄宿舎で過ごすことに腐り切り、不満を爆発させる。ハナム先生はそんな彼に手を焼きながらも、管理しようとし続ける。戦争で息子を亡くした料理長のメアリーは、2人をどっしりと見守りながら、ひとり、息子のいない空白を抱えている。
三者三様の痛みとトホホ
3人とも模範的じゃない。人を傷つける痛いような失言をしてしまう。傷つけたことを知り、それは自分も、知っている痛みで、しまった!と気づく。あやまって、許されて、自分も許して。3人は、ボールをパスし合うゲームのように、許して許されてを繰り返す。
一方的でない、大人も子どももない関係。
アンガスは屈折しているけれど、年相応の無邪気さで、これは嫌だ!あれをしたい!を叫ぶ。ボールのように跳ねてはじけて、年老いた2人を翻弄する。でも、ハナム先生も子どもみたいだ。いつでもお酒を手放せなくて、ウソをつく(ウソはダメだと言っていたのに!)。この人たちはどうしようもない、でも、好きだ!と思っている自分に気づく。
少しずつ与えあう それがクリスマスプレゼントなのかな
思いやりや優しさは、少しでもいいんだ。少し、相手を思いやれば相手は前に進める。いつもいい人でなくて大丈夫。自分のわがままや気持ちが第一でいい。
アンガスとも対等な様に見えたハナム先生は、最後、大人にしかできない決断をする。自分の環境を失い、でも、それが外の世界へと連れ出してくれた。思いやりを少し。それは、自分を大きく変える養分なんだ。
この監督の作品、どれもトホホなおじさんが魅力です。
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