クリスト論入門 クリストロン名称のカード編
こんにちは
クリストロン愛好家のことうゆみです。
前回の記事ではクリストロンの基本的な構築と展開方法について説明しました。
今回からは4回に渡り、より進んだ内容として、クリストロンに採用される可能性があるカードを紹介し、それらのカードがクリストロンにおいてどのような役割を果たすのかについて説明していきます。
今回扱う内容の特性上、あるカードを説明する際にまだ説明していないカードの名前などを説明せずに挙げることが多々あります。
そのため、本稿を読む前にクリストロンカードの効果を一通り確認したり、手元にクリストロンカードを用意したりすることを推奨します。
本稿を、ざっと目を通してから、精読し直すという方法などでも良いかと思います。
なお、考察の対象にする構築は、前回の記事でも用いたこちらのものを引き続い再利用することにします。以降、本構築またはそれに類似する単語は、こちらの構築のことを指すことにご注意ください。
カード紹介の初回となる本稿では、本構築では採用していないカードも含め、メインデッキに入る全てのクリストロンカードについて記します。
本構築で採用していないカードであっても、環境や展開ルート次第では採用に一考の余地があるものも多々ありますので、効果の把握をしておくだけでも有意義であると考えられます。
それでは早速本題に入っていきましょう。
クリストロン名称のカードは以下のいずれかに分類できます:
(1) 下級非チューナー
(2) 上級非チューナー
(3) チューナー
(4) 魔法・罠
(5) シンクロモンスター
本稿ではそれぞれ順に説明していきます。
また、それぞれの類における役割は大まかにいうと次のようになります:
(1) 共通効果+固有効果
(2) 展開の潤滑油
(3) 相手ターン展開
(4) 展開補助+耐性付与
(5) 妨害+後続の展開
最後におまけを記しておきましたが、この部分を見る必要は一切ありません。
筆者が持つカードゲーマー特有の自我の部分だと思って見て見ぬフリをしてただけると幸いです。
1 クリストロン下級非チューナー
まずは下級非チューナーの効果から見ていきましょう。
上でも述べた通り、チューナーでない下級クリストロンモンスターは、墓地から除外して発動する固有効果と、以下のような共通効果の2つを持っています。
本構築では展開途中に共通効果を使うことはほぼありません。
ただ、まるちゃみーや増殖するGを弾けなかった時や、スモーガー以外の下級非チューナークリストロンしか引けなかった場合は、こちらの効果を使用し、以下のような妥協展開を行うことがあります。
手札のクリストロンモンスターを通常召喚する。
場のクリストロンモンスターの(2)の効果を自身を対象に起動し デッキからトリスタロスを特殊召喚する。
このように展開することで、相手の効果に誘発してレベル4~7の機械族シンクロモンスターを特殊召喚することができます。
この際に特殊召喚するモンスターはF.A. ライトニングマスター(レベル7)か甲化鎧骨格(レベル6)のいずれかでしょう。
前者は魔法・罠カードの効果を無効にできる制圧モンスターであり、後者は相手ターンを生き延びるための遅延カードになります。
手札の状況や相手のデッキ、環境などに応じて適切な方を特殊召喚しましょう。本構築では甲化鎧骨格を採用していないため、必然的にライトニングマスターになります。
なお、この共通効果と固有効果はいずれかターン1であるため、同一ターン中にどちらの効果も使うことができないことに注意してください。
例えば、スモーガー召喚に対し増殖するGを撃たれた場合、共通効果をスモーガー自身を対象に発動し、トリスタロスを出しつつ、その後スモーガーの固有効果を発動し、デッキからクリストロン・クラスターを手札に加えて2妨害を構えることはできません。
水晶機巧 スモーガー
新規獲得以来、1枚初動になった下級クリストロンです。
以前は相手ターン中に展開できる罠をサーチする役割しかありませんでしたが、インクルージョンの登場により実質クリストロン名称なら何でもサーチできるカードになりました。
このカードの主な役割は展開途中でインクルージョンをサーチすることです。
インクルージョンを素引きしている場合は、インクルージョンの代わりにクラスターをサーチすることで妨害数+1及びリソースの回復を行うこともできます。
総じて現在のクリストロンにおいて最もアクセスしたい下級クリストロンモンスターです。初動にもなることを踏まえ、特別な事情がない限りは3枚採用されることになると思います。
水晶機巧 シストバーン
かつては3枚採用されていた唯一の下級クリストロンモンスターでしたが、現在のクリストロンにおいては1枚初動になれないため、採用枚数が減らされているカードです。
このカードの固有効果はデッキからクリストロンをサーチする効果であるため、主にサルファドールの効果でサルファフナーと共に墓地に送り、サルファフナーの効果を起動するコストを調達する役割を担うことが多いです。
そのため、以前ほどこのカードの素引きが重要でなくなったため、基本的にはデッキに1枚あれば十分です。
その一方で、シストバーン+他の展開札の組み合わせで本構築における最大展開を狙える組み合わせが非常に多くありますので、素引きしても何ら問題ありません。
また、エレスケルタスの登場時効果で墓地・除外状態のクリストロンカードを1枚回収する際に最も回収する頻度が高いカードでもあります。
総合して素引きしても問題ない優秀なリソース源と言えますので、クリストロンを組む限りではこのカードを採用しないという選択肢はないでしょう。
しかし、採用枚数の好みは分かれます。
水晶機巧 プラシレータ
このカードの固有効果は手札からクリストロンモンスターを場に出す効果です。クリストロンチューナーは手札から能動的に場に出す手段が通常召喚以外に存在しない上に、それらはデッキからリクルートしたいモンスターであるため、チューナーを手札に引き込んでしまうと想定していた展開ができなくなりますが、このカードの存在により、引いてしまっても問題なく展開することができます。
特にプラシレータは元々の攻撃力が500しかないため、場にさえ出てしまえば、機械仕掛けの騎士の素材にすることで、このカードを能動的に墓地に送ることができます。
すなわち、プラシレータを墓地またはフィールドに用意できれば、召喚権を使わずに手札からクリストロンチューナーを特殊召喚することができます。
他にもニビルをケアするルートや無効系誘発をケアするルートでは、このカードが展開に絡むため、このカードを入れておく利点は大いにあると言えるでしょう。
また、クリストロンテーマ内における唯一のレベル2非チューナーであるため、レベル4機械族シンクロモンスターをエクストラデッキに採用するのであれば、採用することになると思います。
総じて燻銀な働きをするカードですので、メインから1枚は採用したいカードになります。
ただ、クリストロンのギミックを制限してメインデッキのスロットを節約したい場合や、チューナーの素引きを多少の事故として許容できるマッチ戦などの場合であれば、採用する理由は薄くなりますので、状況によってはこのカードを抜くという発想を持っておくことは重要です。
水晶機巧 ローズニクス
固有効果はレベル1水属性機械族で攻守0/0のモンスターを場に出す効果です。
この効果によりリンク数を増やしたり、レベルの数合わせを行ったりすることができます。
しかし、展開を太くする以上の役割は持っていないため、展開力がさほど重要でない純構築の場合や、ギミックを絞ってメインデッキのスロットを節約したい場合には真っ先に抜けるカードでもあります。
総じて展開力向上のために採用されるカードになりますので、重要性で言えば下級非チューナーの中では最も低いでしょう。
そのため、このカードを採用する際には、このカードの持つ役割を予め具体化しておく必要があります。
例えば、甲化鎧骨格を採用するがリオンを採用しない場合は、シトリィ(レベル2)かトリスタロス(レベル2)の効果でレベル4のモンスターを召喚し、甲化鎧骨格(レベル6)を特殊召喚することになるため、クリストロンモンスターで唯一レベルが4であるローズニクスを採用する理由になります。
2 上級クリストロン
上で述べた通り、この2つはクリストロンにおける展開の要になるカードです。
効果の兼ね合いから先にサルファドールを特殊召喚し、サルファドールの効果でサルファフナーを墓地に送ることが多いですが、逆にサルファフナーの効果でサルファドールを特殊召喚することも多々あります。
また、この2枚のレベルは共に5であるため、同名2枚もしくはサルファフナーとサルファドールでランク5のエクシーズモンスターを立てることができます。
これらのカードはいずれも機械族であるため、当然サイバー・ドラゴン・ノヴァ、インフィニティも特殊召喚することができます。
特にインフィニティについては機械族であるため、サルファドールの制約下であっても特殊召喚することができます。
なお、本構築においては、この2種のカードについては最低でも合わせて4枚になるようにする必要があります。
理由は以下の通りです:
本構築の通常の展開において、メインデッキからレベル5のクリストロンモンスターを3枚消費します。その際、4枚目のレベル5クリストロンモンスターを採用していなければ、トリスタロスの効果で特殊召喚するレベル5のクリストロンモンスターがデッキに存在しないため、相手ターン中にグリオンガンドを特殊召喚することができなくなります。
それゆえ、本構築であれば最低でもこの2種は合わせて4枚は採用する必要があります。
水晶機巧 サルファドール
クリストロンにおける革命的なカードです。
場のクリストロンカードを破壊し、手札・墓地から特殊召喚できる効果と、登場時に最大2枚までデッキから墓地へクリストロンカードを送ることができます。
後者の効果により、サルファフナーとシストバーンを墓地に送ることで、この効果に連鎖してサルファフナーの効果を起動することができます。
すでに手札にサルファフナーまたはシストバーンのいずれかを引いている、またはそれらが墓地に送られている場合は、そのカードの代わりにクラスターを墓地に送ることで、エレスケルタスからクラスターにアクセスすることができます。
クリストロンを回しているとこのシチュエーションはかなりの頻度で生じるため覚えておくと良いでしょう。
また、インクルージョンからこのカードをサーチすることで、特殊召喚に必要なコストを賄いつつ、このカード自身も手札に加えることができるため、強力な効果を持つ上級モンスターでありながら場に出すことは非常に容易です。
ただし、このカードの効果で自身を特殊召喚した場合は、その効果を発動した後は機械族モンスターしかエクストラデッキから特殊召喚ができなくなる制約が生じることに注意が必要です。
純機械族特化の構築であれば何も問題はありませんが、エクストラにアポロウーサやフルール・ド・バロネスなどを採用する場合は、サルファドールの特殊召喚効果使用後は、それらのカードを自分ターンに出せなくなります。
しかし、プラシレータの効果やサルファフナーの効果でこのカードを特殊召喚をすればその制約はかかりません。
この裁定はクリストロンに混ぜ物をする際に特に重要になります。
クリストロンを中心とした混成デッキについては第3回で述べますので、そちらをご覧ください。
(現在執筆中です。しばしお待ちください。)
優秀なカードであることに疑いはありませんが、単体では機能しない点や、展開をする中で自然と手札に加えたり、リクルートできたりする点を考慮すると1枚でも十分ではあります。
その一方で、かなり緩い条件で特殊召喚が可能であり、場にさえ出せれば初動ができるカードですので、上限の3枚まで採用するというのも一理あります。
採用枚数を1枚に絞った場合、このカードが除外されたり、相手にコントロールを奪われたりした際は、サルファドールなしの展開ルートをゲーム中に考える必要に迫られます。その必要性を排除するため、1枚にはせず、かと言って単体では貫通札にもなりにくく、強く使える初動の組み合わせも少ないため、3枚は入れたくはないということを踏まえ、本構築における採用枚数は2枚にしています。
他にもレベル5クリストロンモンスターの採用枚数を4枚まで絞ると、トリスタロスの効果に使うリソース管理がシビアになるため、その分のゆとりを考えるとサルファドール1枚では難しいです。
ただ、サルファドールの複数枚採用は、ゲーム中に楽をすることを目的としているため、上記のような苦労を厭わないのであれば1枚まで削った方が適当です。
水晶機巧 サルファフナー
色々と煩雑に書いてありますが、やりたいことはクリストロンモンスターのリクルートです。
現在のクリストロンにおいては、サルファドールの効果で墓地に送られ、トリスタロスを特殊召喚するために効果が使われます。
基本的には場に出したいカードをリクルートする以上の役割しかありませんが、素引きしたサルファフナーは、誘発のケアルートと絡む組み合わせが非常に多くあります。
以下にその一例として、サルファフナー+インクルージョン初動の展開を記します。
このルートは、サルファドールに対する無効系誘発をケアしつつ本構築における最大展開を行えるルートです。
インクルージョンを発動し、サルファドールを手札に加える
手札のサルファフナーの効果を手札のサルファドールをコストに起動し、サルファフナーを特殊召喚し、場のサルファフナー自身を破壊する
サルファフナー破壊時の効果によりデッキからトリスタロスを特殊召喚する
墓地のサルファドールの効果をインクルージョンを対象に発動し、インクルージョンを破壊しつつ、サルファドールを特殊召喚する
サルファドールの効果を発動し、シストバーンとスモーガーを墓地へ送る
墓地のシストバーンの効果を起動し、プラシレータを手札に加える
墓地のスモーガーの効果を起動し、クラスターを手札に加える
トリスタロスとサルファドールでエレスケルタスをシンクロ召喚する
エレスケルタスの効果でシストバーンを回収する
手札のプラシレータを通常召喚する
プラシレータ1体で機械仕掛けの騎士をリンク召喚する
墓地のプラシレータの効果を起動し、手札からシストバーンを特殊召喚する
機械仕掛けの騎士とシストバーンでクリフォートゲニウスを特殊召喚する
墓地のトリスタロスの効果を場のエレスケルタスを対象に発動し、場のエレスケルタスを破壊しつつ、デッキからサルファフナーとシトリィをクリフォートゲニウスのリンク先に特殊召喚する
チェーン1ゲニウス、チェーン2エレスケルタスでチェーンを組み解決する:破壊されたエレスケルタスの効果により除外ゾーンのトリスタロスを特殊召喚する、その後ゲニウスの効果でデッキからキングレギュラスを手札に加える。
墓地のインクルージョンの効果を墓地のサルファフナーを対象に発動し、墓地からサルファフナーを特殊召喚する
場のサルファフナー2体でノヴァをエクシーズ召喚し、ノヴァに重ねてインフェニティを特殊召喚する
手札のキングレギュラスを墓地の機械仕掛けの騎士を対象に発動し、手札から特殊召喚しつつ対象のカードを装備する
上記の展開により、以下の盤面を形成できました:
妨害 : キングレギュラス、ノヴァ、クラスター、シトリィ、トリスタロス
リソース : シストバーン(墓地)
注目が必要なのは、4.のあたりです。
サルファドールを場に出す前に、トリスタロスを場に出しておくことにより、サルファドールの効果に無効系の誘発を撃たれた場合、その効果の発動にチェーンしてトリスタロスの効果を発動できます。トリスタロスの効果を発動すると、トリスタロスの効果処理時にでデッキからシトリィを特殊召喚し、シトリィとサルファドールでエレスケルタスをシンクロ召喚することができます。すると、無効系誘発は対象不在で立ち消えますので、サルファドールに当てられた無効誘発を1枚だけ回避することができました。
なお、無効系誘発を受けた場合の展開ルートは若干変わりますので、変化したルートも合わせて記します。
Noteの仕様上、展開ルートは初手から記述する形になってしまいました。お許しください。
変更した箇所は4.以降です。
手札のサルファフナーの効果を手札のサルファドールをコストに起動し、サルファフナーを特殊召喚し、場のサルファフナー自身を破壊する
サルファフナー破壊時の効果によりデッキからトリスタロスを特殊召喚する
墓地のサルファドールの効果をインクルージョンを対象に発動し、インクルージョンを破壊しつつ、サルファドールを特殊召喚する
サルファドールの効果に対し、相手がエフェクトヴェーラーを発動、その発動に対し、トリスタロスの効果を発動する。その後、トリスタロスの効果でデッキからシトリィを特殊召喚し、シトリィとサルファドールでエレスケルタスを特殊召喚する。その後、サルファドールの効果により、シストバーンとプラシレータを墓地へ送る
エレスケルタスの効果で墓地のシトリィを手札に加える
墓地のシストバーンの効果を起動し、スモーガーを手札に加える
スモーガーを通常召喚する
場のトリスタロスとスモーガーでゲニウスをリンク召喚する
墓地のスモーガーの効果を起動し、クラスターを手札に加える
墓地のトリスタロスの効果を場のエレスケルタスを対象に発動し、場のエレスケルタスを破壊しつつ、デッキからサルファフナーとスモーガーをクリフォートゲニウスのリンク先に特殊召喚する
チェーン1ゲニウス、チェーン2エレスケルタスでチェーンを組み解決する:破壊されたエレスケルタスの効果により除外ゾーンのトリスタロスを特殊召喚する、その後ゲニウスの効果でデッキからキングレギュラスを手札に加える。
墓地のインクルージョンの効果を墓地のサルファフナーを対象に発動し、墓地からサルファフナーを特殊召喚する
場のサルファフナー2体でノヴァをエクシーズ召喚し、ノヴァに重ねてインフェニティを特殊召喚する
手札のキングレギュラスを墓地の機械仕掛けの騎士を対象に発動し、手札から特殊召喚しつつ対象のカードを装備する
場のクリフォートゲニウスとスモーガーでアザレア・テンペラスをリンク召喚する
墓地のプラシレータを除外して、手札からシトリィを特殊召喚する
上記の展開により、以下の盤面を形成できました:
妨害 : キングレギュラス、ノヴァ、クラスター、シトリィ、トリスタロス
リソース : スモーガー(墓地)
上記の例は無効系誘発を1枚しか投げられなかった時の例ですが、2枚投げられた場合や、無効系誘発ではなくうららを投げられた場合でもトリスタロスで特殊召喚するモンスターを変更することにより妥協展開を行うことができます。それらの場合の具体的な展開ルートについては、紙面の都合により省略します。
次にサルファフナーを用いるときに注意すべきことをいくつか挙げます。
このカードのコストとなるカードは同名以外のクリストロンカードです。そのため、インクルージョンやクラスターであってもコストにすることができることができます。
なお、リクルート効果は同名も特殊召喚することができます。
また、上記の例でも行った通り、サルファフナーの自身を特殊召喚する効果の起動は墓地だけでなく手札にあっても可能であるため、サルファフナーの素引きも何も問題ありません。
最後の注意点は、クリストロンモンスターのリクルート効果は場で破壊された時の効果であることです。そのため、下級クリストロン非チューナーの共通効果やサルファドールの特殊召喚効果などでサルファフナーが破壊された時でも、サルファフナーのリクルート効果は誘発します。
例えば、自身の盤面に不要なカードがあるときは、サルファフナー自身の特殊召喚効果で破壊するカードを当該カードにし、下級クリストロンやサルファドールの特殊召喚効果でサルファフナーを破壊することでモンスターの頭数を増やすことができます。
他にも、スクラップギミックを採用した時は、スクラップワイバーンの効果でサルファフナーを破壊すれば、スクラップギミックによる損失を大きく低減できます。
総じてクリストロンの根幹に深く関わるカードであると言えます。
余程の事情がない限りは3枚採用しないということはないでしょう。
3 クリストロンチューナー
全てのカードが共通して、特定の場所からモンスターを特殊召喚し、そのモンスターを含むシンクロ召喚を行う効果を持ちます。
これらのモンスターが効果で特殊召喚を行う場合、特殊召喚するモンスターには何も制約はありませんが、シンクロ召喚をして特殊召喚するシンクロモンスターは必ず機械族でなければならないことに注意が必要です。
これらのカードは、クリストロンの十八番である相手ターン展開を担うカードになりますので、クリストロンの主役はまさしくこのクリストロンチューナー達です。
ただ、効果自体も名称ターン1の制約が付いていますので、数合わせ以外で同名を2枚以上場に並べる必要もありません。
さらに、クリストロンチューナーは下級クリストロンの共通効果やサルファフナーのリクルート効果など、場に出す手段が豊富であり、その上、クラスターの効果によりデッキに回収することもできますので、基本的にはピン刺しで十分です。
しかも、これらのカードは手札事故の原因にもなりますので、できるだけ採用を絞りたいカードでもあります。
水晶機巧 トリスタロス
相手が発動した効果に誘発して、デッキからクリストロンモンスターを特殊召喚し、特殊召喚したモンスターを含むシンクロ召喚を行うカードです。
この効果により、無効系誘発のケアや相手の行動に合わせた妨害に用います。
ケアの方法や相手ターンでの展開例についてはすでに別の箇所で述べているため、ここでは省略することにします。
なお、他にチューナーとは異なり、シンクロ召喚を行う効果はトリスタロス自身を含む必要はありません。
他にも展開効果がありますが、この効果は必ず2体の特殊召喚する必要があることだけ注意が必要です。またこの効果による特殊召喚は同時に行われるため、クリフォート・ゲニウスのリンク先に特殊召喚すれば、ゲニウスの効果が発動できます。
無効系誘発のケアを行えることを評価して3枚投入することが最善になる環境もあれば、クラスターとエレスケルタスを用いてうまくリソースを回すことで、1回でも場に特殊召喚できれば、1枚採用でも場に定着させ続けることができるため、デッキスロットの節約のため1枚だけ採用することが最適な場合もあるなど、何をどう重く見るかで採用枚数が変わってきます。
以上まとめると、1枚採用、または3枚採用のいずれかにはなるかと思います。
水晶機巧 シトリィ
シトリィは墓地のモンスターを対象に蘇生し、蘇生したモンスターと自身でシンクロ召喚を行う効果を持ちます。
なお、素材にしたモンスターは除外されます。
そのためシトリィで除外するモンスターはタイダルのような除外された時に効果があるモンスターが望ましいですが、クラスターやエレスケルタスの存在により、その辺りはさほど気にする必要はありません。
むしろ、欲張った結果、展開が弱くなって負けてしまうことの方が問題であるため、基本的には除外されることに価値を見出さず、デメリットとして大人しく受け入れた方が得策です。
リオンやクオンと比べ、効果を発動するお膳立てが簡単に行えますので、それらの2枚を採用せずともシトリィのみを採用する機会は多々あります。
特にそれらの2枚とは異なり、下級クリストロンの共通効果を用いた際に自然とシトリィの効果が使える状況になる点は優秀です。
ただ、トリタロスが存在する今となっては、そのような状況であれば、シトリィではなくトリスタロスを特殊召喚しますので、他のチューナーと比べて大きなメリットがあるとは言い難いです。
また、墓地からモンスターを釣り上げてシンクロ召喚を行うフリーチェーンの効果という都合上、増殖するGと若干相性がいいです。
具体的には、自身が発動した増殖するGに対し、相手がチェーンして墓穴の指名者を発動した場合、墓穴の指名者の効果にチェーンしてシトリィの効果を増殖するGを対象に発動することで、相手の墓穴の指名者を対象不在で無力化できます。
そのため、レベル4機械族シンクロモンスターを採用している場合は、増殖するgを投げるタイミングはスタンバイではなく、シトリィの効果が使えるメイン中に打つのがベストです。
以上をまとめると、採用に値するほどのパワーを持たないカードではありますが、トリスタロスだけでは十分な妨害を行うことができないことと、他のチューナーと比べて扱いやすい点が多いことを踏まえて採用されているカードです。
水晶機巧 クオン
クオンは手札からモンスター1体を特殊召喚し、そのモンスターと自身の2体でシンクロ召喚を行う効果を持ちます。
その特性上、ハンドアドバンテージの損失がありますが、シトリィやリオンとは異なり、相手は効果を発動したタイミングでは特殊召喚されるモンスターのレベルが判別できないため、相対的に奇襲性が高い効果であると言えます。
しかし、現在のクリストロンにおいては、最大の利点であった奇襲性はトリスタロスに奪われてしまったため、その点での強みは薄れたと言えるでしょう。
ただ、エレスケルタスで回収するモンスターを工夫することにより、1枚初動の展開からシトリィでは出しにくいレベル4、レベル6のシンクロモンスターを特殊召喚できるため、出したいシンクロモンスターによっては現在でも採用圏内に入ってきます。
また、素引き前提のギミックではありますが、ファラオの化身とのコンボにより、レベル4からレベル10の間で素材指定のないシンクロモンスターであれば好きな物を特殊召喚することができます。
具体的な展開ルートは次のとおりです:
クオンの効果でファラオの化身を特殊召喚し、2体でクオンダムを特殊召喚する
ファラオの化身の効果により、ファラオの化身自身を墓地から特殊召喚する
ファラオの化身とクオンダムでシューティング・ライザー・ドラゴンをシンクロ召喚する
シューティング・ライザー・ドラゴンの効果をチェーン1で発動し、チェーン2でファラオの化身の効果を発動する : ファラオの化身の効果で自身を特殊召喚し、シューティング・ライザー・ドラゴンの効果で適当なモンスターを墓地に送りつつ、自身のレベルを調整する
シューティング・ライザー・ドラゴンの効果により、場の自身とファラオの化身でシンクロ召喚を行う
以前のクリストロンにおいては、この展開でシューティング・ライザー・ドラゴンを特殊召喚する代わりにブラック・ローズ・ドラゴンを出したり、シューティング・ライザー・ドラゴンのレベル変動効果チェーンして、シンクロ召喚効果を発動することで、好きなレベル6以下のモンスターを墓地に送りつつ、バロネスを立てる動きが強力でした。
今となっては素引き前提のカードに依存しているため、このルートを当てにするのは非常に厳しいものがあります。
以上まとめると、構築次第では1枚は入れてもいいという感じでしょうか。
水晶機巧 リオン
除外状態のモンスターを特殊召喚し、そのモンスターと自身でシンクロ召喚を行う効果を持ちます。
クラスターが出るまではこのカードでリソースを回していましたが、クラスターのある現在においては採用する必要性が薄いカードです。
下級クリストロンで特に有用なものがレベル3に固まっている一方で、レベル6に強い機械族のシンクロモンスターが存在しない現状もこのカードの扱いにくさに拍車をかけています。
以上を総括して、クオンと同様に構築次第では1枚入れてもいいという感じでしょうか。
もし仮に本構築において新たにクリストロンチューナーを追加するのであれば、リオンか2枚目のトリスタロスになると思います。
(なお、筆者は事故の要素になりうるクリストロンチューナーはなるべく採用したくないと考えているため、実際に追加でクリストロンチューナーを採用する日が来るとすれば、十中八九2枚目のトリスタロスを選ぶと思います。)
4 クリストロン魔法・罠
クリストロン魔法・罠は、その大半がサーチ効果や展開効果を持ちます。
これらについてはこれ以上まとめて語る箇所がないため、早速本題に入りましょう。
クリストロン・インクルージョン
1枚初動兼他の1枚初動が誘発を受けた際の貫通札にもなる最強カードです。
このカードは1ターンに1度だけ戦闘耐性されない耐性をクリストロンモンスターに付与できるため、場に残しておけるのであれば残したいカードです。
そのため、重ね引きしてしまった場合は、片方をサルファフナーのコストにすることで場に1枚インクルージョンを残しつつ、コストにした方のインクルージョンの墓地効果も利用できます。
また、サーチを行える範囲はクリストロンカードであるため、モンスターのみならず、以下に述べるようなカード達もサーチすることができます。
強いことしか書いていないカードです。
スリーカードしてしまう可能性があるくらいしか欠点のないカードですので、問答無用で3枚入れましょう。
クリストロン・クラスター
表側のカードを割りつつ、リソースを回せる新規です。
おまけで自分フィールドのクリストロンカードが除外されなくなります。
コズミックサイクロンで自身が除去されないことは地味にありがたいですね。
このカードで考察に値すべき点があるとするならば、戻すカードについてでしょうが、それは構築に依存します。
ただ、何を戻すか迷った際は、ピン刺しのチューナー、シンクロモンスター、墓地にダブっているレベル5クリストロンモンスターあたりを回収しておけば凡そプレミになることはありません。
それでも強いて言うことがあるとすれば、クラスターに除去が飛んできた際には、エレスケルタスを回収するくらいでしょうか。次の自分ターンでエレスケルタスを再度特殊召喚することにより、除去されたクラスターを回収することができます。
以上まとめると、1枚あれば十分なカードであり、妨害を兼ねつつリソースを回復できるこのカードはデッキに1枚は入れておきたいカードになりますので、基本的にはピン刺しすることになると思います。
ただ、マッチ戦で後攻が確定している状況下であれば、捲りに寄与しないこのカードはサイドアウト筆頭候補であるため、無条件にデッキに入れ続ける必要あるカードではないことも認識しておきましょう。
クリストロン・インパクト
場で発動する効果は除外状態のクリストロンを帰還させる効果であり、墓地効果はクリストロンモンスターを対象とする効果無効にする効果です。
かつてはハリファイバーのエクストラデッキから特殊召喚を行う効果を使った後に、除外状態のハリファイバーを帰還させたり、シトリィで除外させたサルファフナーを場に特殊召喚したり、シンクロモンスターを特殊召喚する際に必要な頭数を増やしたりするために用いられていました。
現在はおろかな副葬とセットで採用し、サルファドールの効果に対する無効誘発ケアという役割を思いつくのは自然な発送ですが、残念なことに、このカードは墓地に送られたターンには墓地効果が使えないため、そのようなことはできません。
そのため何か思い入れがないのであれば、わざわざ使う必要性は薄いと思います。
クリストロン・エントリー
場での効果は手札と墓地の両方から1枚づつ場にクリストロンチューナーを特殊召喚する効果であり、墓地での効果はシューティングライザーのような墓地肥やし兼レベル変動効果です。
かつてのクリストロンでは、相手ターンに複数回シンクロモンスターを特殊召喚し妨害する上振れルートで用いるカードでしたが、現在ではその枠にクラスターが存在するため、こちらを優先する理由は薄いです。
また、墓地効果も強力ではありますが、初動が豊富で尚且つ展開時にリソースが残る現在のクリストロンにおいて、わざわざ採用する理由はないでしょう。
ただ、手札と墓地からそれぞれ1体ずつチューナーを特殊召喚できる展開力には目を張るものがありますので、インパクトと比べるとまだ使い道はあるような気がしますが、具体的なアイディアはありません。
そのため、現在では凡そ理由がない限りは採用する必要のないカードであると考えています。
5 クリストロンシンクロモンスター
クリストロンシンクロモンスターは、破壊された時に墓地、または除外状態のモンスターカードを特殊召喚する効果を共通して持ちます。
そのため、これらのモンスターはリンク素材として墓地に送るよりも、クリストロンカードの破壊コストに充てる方が経済的です。
しかし、先行展開が通り相手ターンにシンクロモンスターを特殊召喚できたゲームでは、十中八九、返しのターンに盤面のモンスターで攻撃して終わりという状況になりますので、現在ではあまり使わない効果です。
強いて言えば、わずかに生存力が上がる程度でしょうか。
水晶機巧 エレスケルタス
特殊召喚時に墓地除外状態のクリストロンカードを回収する効果と、相手モンスターの攻守を500下げる効果、破壊時に墓地除外状態のクリストロンモンスターを特殊召喚する効果の3つを持ちます。
リソース回収効果はいずれも対象を取らない効果であるため、墓地除外系のカードに対して強く出れます。
このカードは強力なカードではありますが、展開補助の役割しか持たないため、本稿でこれ以上説明することはありません。
水晶機巧 グリオンガンド
クリストロン不動のエースです。
登場時に相手の場・墓地のモンスターを、素材にした数まで対象にとり、除外する効果を持ちます。
その効果ゆえ、多くの場合で相手ターンに特殊召喚するシンクロモンスターの筆頭です。
現代遊戯王では、効果を使い終えた墓地のカードが妨害の貫通札や、次ターン以降のリソースになるテーマがいくつもあるため、場と墓地を一括で触れるこのカードは、現代遊戯王のゲーム性との親和性が高いです。
また、このカードが破壊された場合に相手の除外状態のモンスターも特殊召喚することができます。
そのため、自身の除去効果を発動する際、場のカードよりも、コントロールを得たい相手墓地のモンスターを優先して除外することも多々あります。
特に、グリオンガンドの効果で相手の墓地からカードを除外し、クラスターでグリオンガンドを破壊することで、除外したモンスターを直ちに自身の場に特殊召喚できるということを覚えておくと良いでしょう。
召喚条件がチューナー2体以上+非チューナーであることに注意してください。
水晶機巧 クオンダム
相手ターン中にシンクロ召喚を行うモンスターです。
メインデッキに入るクリストロンチューナーの効果では機械族のシンクロモンスターしか特殊召喚が行えないため、機械族以外のシンクロモンスターを特殊召喚しようとする際には相手ターン中にシンクロ召喚を行う効果を持つクオンダムのようなカードを採用する必要があります。
ハリファイバーが禁止カードである現在において、このカードのライバルとなるカードはアクセル・シンクロンのみです。
こちらもクオンダムと同様にクリストロンチューナーから特殊召喚できる機械族で、相手メインフェイズにシンクロ召喚を行う効果を持ちます。
アクセル・シンクロンはクオンダムと異なり、シトリィやトリスタロスで特殊召喚を行いやすいというメリットがあります。
一方、クオンダムはアクセル・シンクロンと比べると、バトルフェイズにもシンクロ召喚を行える点や、破壊された時に墓地のクリストロンモンスターを蘇生する効果があるなどのメリットがあります。
また、シトリィの項目でも述べた通り、自身が発動した増殖するGに対する墓穴の指名者を回避する構築であれば、レベル4の機械族シンクロモンスターが必要であるため、その中でも有用性の高いこのカードが採用されることになると思います。
このカードとアクセル・シンクロンのどちらを採用するかについては、特殊召喚したいシンクロモンスターや先行展開などに依存しますので、基本的には何か目的意識を持って採用されるカードです。
逆に、採用する理由が何もないのであれば、エクストラに入れておく必要はありません。
水晶機巧 アメトリクス
特殊召喚成功時に相手のモンスターを表側守備表示にする効果を持つシンクロモンスターです。
このカードの登場当時は、まだリンク召喚が存在しなかったため、遅延効果を発揮する場面もありましたが、当時でもあまり強いカードではありませんでした。
同じレベル5機械族シンクロモンスターの枠であれば、登場時に機械族モンスターをサルベージできる超重剣聖 ムサ-Cが既に存在していました。
相手盤面への干渉力も低ければ、リソース回復も受動的にしか行えないアメトリクスがそれよりも優先して採用される理由は何もありません。
現在でもこの関係は変わらず、機械族レベル5のシンクロモンスターの枠が必要であれば、上であげたムサ-Cが最有力候補になりますが、それ以外にも、ワンキル性能が高いHSRチャンバライダー、戦闘耐性の高いA・O・J カタストル、レベル変動効果を持つHSRマッハゴー・イータなどの強力なライバルがひしめき合っているため、基本的には採用されることはないでしょう。
水晶機巧 フェニキシオン
登場時に相手の場と墓地の魔法・罠を全て除外できるシンクロモンスターです。最後に見かけたのは、閃刀全盛期に閃刀姫メタとして採用されていた時でした。
今では、墓地リセットであれば、ブラッド・ローズ・ドラゴンが存在しますし、魔法・罠を破壊したいのであれば、魔法・罠だけでなくモンスターも破壊できるサテライト・ウォリアーが存在します。
そもそも、現代遊戯王で魔法・罠を中心としたデッキは片手で数えるほどしかおらず、ほとんどのデッキが1、2枚程度しか魔法・罠を伏せてこないため、魔法・罠を触りたいのであれば、バロネスで十分です。
現代の遊戯王のゲーム性を踏まえると、採用する必要性は薄いと言わざるを得ません。
もし、今後、閃刀姫のような魔法・罠を中心とし、墓地の魔法・罠を除外されると不利になるテーマが再び環境に現れたら、出番は来ると思いますので、念のため、今のうちに1枚だけ確保しておくのも悪くありません。
おまけ 水晶機巧 ハリファイバー
クリストロンにおける最強カードかと思いきや、ただただ展開が楽になるカードでした。
別にこのカードがなくても同じ展開はできるのですが、それをしようとするとかなり頭を使う必要があるので、大体いつも面倒臭くなってハリファイバーを出してました。
しかも私は閃刀姫をよく使っていたので、クリストロンで使うよりも、むしろ閃刀姫でフィニッシャーを出す際によく使った覚えがあります。
何なら、クリストロンで使った回数よりも閃刀姫で使った回数の方が多い気さえします。
もし仮にいま帰ってきたとすると、そこそこ強い動きができるようになるのは間違いないのですが、そうするとハリファイバーから特殊召喚するモンスター分の枠だけエクストラの枠を消費したり、メインデッキに事故要素にもなるチューナーの数を増やしたりする必要が増えるので、採用するかと言われたらかなり怪しいです。
ただ、シークレットのハリファイバーをいまだに持っているので、また効果を使って見たいなぁという気持ちはありますが、頭数がものを言う現代遊戯王において、緩い条件から強力なチューナーを場に供給しつつ、リンク3まで伸ばせるこのカードが許されるはずがありません。
もし、ハリファイバーが許される可能性があるとすれば、ハリファイバーのリクルート効果に下級クリストロンの共通効果と全く同じ制約が追記されたときでしょうか。
そうなったらクリストロン以外では使わないでしょうし、何なら私も使いません。
そう言うわけで、現代遊戯王のゲーム性が変わるまでは、是非とも豚箱にいて欲しいカードだと思っています。