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子供の頃の出会い

 小学校1年生のときの先生は、ずっと覚えている。小学校を卒業する頃には定年退職されたが、私の母も小学校のときに受け持ってもらった方だったのだ。母が、同じ先生だと嬉しそうにしていたのを覚えている。
 私はおばあちゃん子で、若い先生よりは、この先生の方が好きだった。私の祖母にも感じが似ていた。
 先生には怒られたこともあるが、小学校に入って最初に受け持ってもらったのが先生で本当に良かったと思う。生きることに必要なことも、教えてくれた。小学校1年生だ。何を言われたのか当時は理解できていない。先生の話をしっかり聞く様に話し、叱るときは小学校1年生に対しても、してはいけない事としっかり教える先生だった。話をするとき、生徒から話し声が聞こえてくると、目を大きく開いて口を結んだ。空気がピリッとし、話し声が途切れても、しばらくシンとしたままの時もあった。そうして、少し待ってから話し出す。
 このことは、しっかり覚えておきなさい。どういう風に話しだしたのか記憶にないが、先生の話で忘れられないものがある。
 この先、あなたたちは色んな人と出会う。人と話すとき、相手の目をしっかり見なさい。相手がそらすまで、じっと目を見続けなさい。目を見れば人がわかる。
 こういう内容だった。よく分からなかったけれど、いつもとは違う真剣な話をしているのが伝わって、覚えている。
 目をそらしたくなるまで、人の目を合わせ続けるのは難しい。でも、目があったとき言葉より先に気持ちが通じるなと思うことはある。人と目を合わせたくないのは、近づいて話したくない相手だったりする。または、その人に対して自分が悪い事をしてしまったかなという時。自分に自信がない時。
 人に言われて覚えているのは嫌な言葉もあるし、嬉しかった言葉もある。この先生の言葉は、この先も思い出す言葉になるだろう。
 最近、リベラル社から発行された「黒柳徹子の言葉」を買い、読んでいる。黒柳さんは、小学校のときの校長先生が忘れられない存在だったようだ。子供のうちに、心に刻まれる、これが先生だと思う大人に出会うのは良い事だと思う。

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