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かわいいおばあちゃん最強

今日、可愛らしいおばあちゃんがお店に来てくれた。明るい色の服を着て、とってもおしゃれなおばあちゃん。

お店のドアまで3段の短い階段を上がらないといけないのだけど、結構重たいキャリーバッグを引いていたので手を貸そうとしたら、「がんばってみるわ」って言いながら、3段をあがって「できた!」とニコニコしてお店の中へ。

お店の中でも、これは何?、 色々あって楽しいわね、どこの国のなの?、私はねぇ、フランスとイタリアのオリーブオイルを使ってるの、とか次から次におだやかで、でも弾んだ声で話し続ける。私が説明するオリーブオイルのことやスペインの畑から買っていることとかも、質問もたくさんしながらキラキラした好奇心で聞いてくれる。10分にも満たない短い滞在時間で、こんなに初対面の人に魅了されることはそうそうない。でも、おばあちゃんはお店を出る時、「いろんな国に行くのはいいわよね。でも、最近は、みんなどこでもけんかしてるけどね」と、世界を憂いながら、またねと手を振った。

もうひとり界隈にかわいいおばあちゃんがいる。
近所の大学通りは、1.5kmの広い道路の両側に桜並木と銀杏並木と手入れの行き届いた花壇があり、大学の敷地と通りを隔てる堺には、背の高い木々が茂っている。

私は、植物の写真を撮りながら大学通りをよく歩いているのだけれど、ある日、見知らぬおばあちゃんに、何の写真を撮ってるのと声をかけられた。聞けば、電車に乗って毎日この大学通りの木々や植物を見に来ているのだそう。誰が見てもおばあちゃんの年齢なのに、しっかりした足取りで歩く速度も速い。ひとしきり、このあたりの植物の素晴らしさやほぼ毎日通っているけど、来るたびに見える景色が違うと嬉々として話してくれた。

話をしたのはその時だけだけど、大学通りを通るとおばあちゃんを見かけることがある。今日も、電車に乗って来たんだ。

こんな息苦しい世の中だけど、長く生きてきて世の中の変化をずっと見てきただろう年齢の人の明るい笑顔は救いだと思った。かわいいおばあちゃん、最強。と同時に、未来のある若者に見る希望と、老年の域にいる人たちの何もかもを飲み込んで優しく包み込んでくれるような懐の深さのどちらもあってこそ、人間を支えているんだなと思えた、久しぶりに晴れた冬の日でした。

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