大切なことほど、忘れがち
初めて女川町という町に行った。とても綺麗な町だった。
駅も、道も、お店も、学校も、家も。
統一感があって、おしゃれで、どこからでも海が見える。
素敵だ。良いなぁ。と思いながら、この町が今の姿になるまでを想像すると胸が締め付けられる感覚になった。
もちろん、どんな経緯で今の女川町になったのかを知らなかったわけではない。なんなら、知っていたから行きたいと感じていた。
百聞は一見にしかずって良く言うが、本当にその通りだと思う。
すごく綺麗な海だったけど、恐怖を感じずにはいられなかった。実際に私が体験したわけでもないのに。
それでも町の人たちは、どこからも海が見える町であることを選んで、町を新しく作っている。
女川町の人たちは強いな、と思った。
自分が町の人たちの立場だったとして、何を思っただろうか。何をしただろうか。自分にこの町の人たちと同じことができるだろうか。
女川の町の人たちは、100年、1000年先のことを想像して、町を作っていた。そんな風に考えられるような経験を私はしていないし、それはそれで、良いことなのかも…
色々と考えたが、わからなかった。どうしたって、同じ立場にはなれないから。それでも、考えて想像できたことは価値だと感じた。
いつ自分が、どんな経験をするのかなんて、未来のことは絶対にわからない。そうなったら、その時その時、最善だと思うことやるしかない。
日常を過ごしていたら、ちょっと忘れがちな大切なことを、改めて考えることができた気がする。そんな時間だった。