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22歳、最後な私

ふと、誕生日当日よりも、誕生日前日の方がなんとなく特別な感じがした。

20歳になるまでは誕生日当日が特別で、楽しみで仕方がなかった気がする。


20歳になった日の夜は父が、おつまみとほろ酔いと白ワインのボトルを用意してくれていたのを懐かしく感じる。高校生の頃も、誕生日には友人がメッセージをくれたり、私の好きな抹茶のお菓子をくれたりと楽しかった記憶がある。


それに比べて21、22と誕生日を迎えても何か喜びきれなかった。

これはたぶん、自分が大人になってしまったからなんじゃないだろうかと推察する。20歳までは大人になるまで、数が減っていくカウントの仕方だったのが、20歳を過ぎたら、もうひたすら増えていくカウントの仕方に変わったのだ。

今日が一番若いとは、当たり前のことを言ったものだが、それを強く感じさせるから誕生日前日は特別なのかもしれない。感じたところで、何か行動を起こすわけでは全くないが…


そんな23歳の誕生日前日、帰りの電車を待つ駅のホームで、この文章を書いていた。どんなことを書こうかと考えながら顔をあげると、すぐ目の前に見えた月が綺麗で絶対月のことは文章に入れたいと思った。

家に着くと父が迎えてくれて、1日早い誕生日プレゼントだと缶に入った焼き菓子の詰め合わせをくれた。


特別な日ではないけれど、特別に感じる今日はそれなりにいい日で、そんな風に感じるられる私は恵まれていると改めて思う。


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