フォロワー700人到達記念作品 700文字ショートショート『色んなパンツ』
パンツ。
世の中には色んなパンツがある。頭に「お」を付けるだけで、あら不思議。ちょいと洒落た「御パンツ」となってしまう。
しかし、付けるだけで決して頭に被ってはならない。
パンティー。
なんとも豊潤で口当たりの良い言葉であろう。毎朝の発声練習にうってつけである。
しかし、決して口に入れてはならない。
静寂の中、わびさびを感じさせられる苔(コケ)がはいるくばる一枚岩。その上にふわりと一枚のパンティー。
それすなわち『花鳥風月』
ここだけの話。私は大変、興味深い発見をした。
それはなんと、長年連れ添っているパンツの横の面積が、年月と比例して徐々に大きくなっているのだ。
昔は殺傷能力が高そうなとても布地が少ない鋭利なパンツだった。しかし、今はどうだ?
まるで昭和のレスラーではないか。年月がこんなにもパンツを強くするとは・・・。
こんなアハ体験をレポートとして残すが、どうかアホ体験として笑っていただきたい。
そういえば人生を振り返ると、パンティーを覚えだした辺りから、夕陽に漂うカモメもパンティーに見えて、そのまま放浪の旅へと出かけて行った。そして、パンティーの真ん中にあるリボンの謎を探求している内に、馬鹿だなぁと二人になって笑っていた。
ブーメランパンツに乗って帰って来ると、ちっちゃいパンツもついてきた。
小さなパンツは紙のパンツで、気が付くと二枚になっていた。その紙のパンツが今度は布のパンツとなって、段々だんだん大きくなっていった。
最近では、大きいパンツを「臭い」と罵しられる。このまま、こうやってちっちゃいパンツが反対を向くのだと少し寂しい気持ちになった。
しかし、今は「パンツ」と言うだけで腹を抱えて笑ってくれる。