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高瀬隼子「いい子のあくび」感想~しゃないやんそうしてしまうんじゃけん~
「いい子」とは、どういう人なのだろう?
道徳的な考え行動ができ、優しくて笑顔が素敵な女性。
あっ!女性限定で考えちゃった。
だって、子供ではないなら、男性に「いい子」とは使わないよね。
ちょっとバカにしてる...って感じちゃう。
そんでもって、「いい子」って、面白い子やパンチのある子、刺激を与えてくれる子よりも下に見られてないかな...。
ようは、普通の人ってことなんだろうけど。
紹介されたとき、いい人なんだよ。と、言われるとひねりのない無難な答えだね。
他にないのかーーい!とつっこみを入れたくなるんだけど、私の場合は(´ㅂ`; )
そんな「いい子」論争に火をつけた本書を読む。
今回も、心の中で複雑な感情がぶつかっつたる。と、せめぎ合う様を見事に描いた一冊だった٩(ˊᗜˋ*)و
🐟🐟
気づいたら新刊「うるさいこの音の全部」が発売されているではないのーー!
全作品をコンプリしてるので、まずは本書から読まねば。
それに、何気に生まれた町が高瀬さんの出身地の近くで、どの作品にもちょこちょこ故郷をモデルにしてる場面がありそこも好き。
本書も「末永い幸せ」で、結婚式に物申す!結婚式嫌いで友達の結婚式に呼ばれたのに辞退し、でも気になって式を見守ために滞在したホテルって、リー〇ロイヤルですよね?
表題作の「よい子のあくび」では方言が出てくる。
しゃないやんそうしてしまうんじゃけん(本文より)
うんうん、じゃけんですよ。
私も損得勘定してしまうし、人によって使い分けて接しもしている、器の小さい女じゃけん。
主人公が見えないところで陰湿な行動したりするのに、ちょっいちょっいヒヤヒヤもするけど、恋人が浮気して、放送禁止用語を使って悪態をつくのにも引いちゃうけど....わかる私もいる。
恋人は、深夜までLINEで仕事の話を言い合える刺激のある人に惹かれているようにみえてね。
私の中では、いい子は刺激ある子より面白みに欠けると考えてしまいキツイ。
だから頭の中で悪態をつく、
くそぼけくされまんこめ。ちんこもげて死ね(本文より)
は、まさに、ぶつかったる感覚。
そんなこと頭の中でも言わないだろうと、言わずにいられないとせめぎ合っているようでリアルだった。
もっとリアルだったのは、「お供え」
会社内の女子の在り方リアルだった。
後輩になめられていると感じ、腕の毛が逆立つ感覚がするし、話し方ひとつ、歩き方ひとつ、全部にいらいらするのに、いくらでも仲良くできた...。
わかるーー!
仲良くしちゃったほうが楽だもん。
でも異動してほしい。
後輩もまた同じ気持ち。
ここまでは先輩目線で読んでいて頷いてたけど、最後にどんでん返し!?
後輩の嫌なこと気づきもしないで平気でやっちゃってるよコワイヨ(꒪⌑꒪.)!!!
私も大丈夫か?と不安になったわ( ˊᵕˋ ; )
🐟🐟
わかるわかると、気持ちがズトーンと落ち込む描写の加減が絶妙で、そんなに長くない話なのにエネルギーを使い果たし読了~