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【子どもの脳脊髄液減少症】体調不良から回復まで
何かがおかしい・・・
*4年生の秋冬〜
鼻炎(後鼻漏)、花粉症や衣服、食べ物などのアレルギー症状。風邪をひきやすくなった。体調により学校を休みがちに。登校しても勉強や活動に取り組めない。
*5年生の春〜
腹痛、胸部痛、頭痛(横になると楽になる)、頭が重い、めまい。耳が痛い、顎が痛い、首が痛い。全身の倦怠感が強くなった。やる気がおきない。思考力の低下。便秘、尿の量が少ない。胃腸の具合が悪く、1年前から体重が4キロ減った(背は伸びている)。学校への登校がほとんどできなくなった。
「お腹が痛い」からはじまった
息子は小学1年生で交通事故に遭い、頭を打っていたために、とにかく疲れやすいという症状を抱えていました。それでも上記のような症状はそれまでになく、腹痛で学校に行けなくなって、、そこから私たち親子のドクターショッピングが始まりました。地元の小児科では、腹部と胸部のレントゲンを撮って異常なし、便秘ぎみだから水を飲みましょうと言われ、しばらくして別の漢方系の内科では水毒、水の飲み過ぎとのこと、症状は悪化するばかりなのに、先生からは、どこも悪くない、お母さんノイローゼだから、と言われ。ノイローゼになっている自覚はありました。幼い頃から食欲だけは人一倍あった息子が、交通事故で奇跡的に助かり、奇跡的な回復を遂げたのもこの食欲のおかげ、と思っていたのに、元気盛りの小学生のはずなのに日に日に痩せ細り、気力なくだるそうにしている様子を見て、気丈に振る舞っても不安は募るばかり。今から思えば息子も、こんな状態の母親と常に一緒にいるのですから二重に大変でしたよね。病院であれこれ言われ、もらった薬をいくらまじめに飲んでも元気になれず、息子にとって不治の病イコール癌だったのでしょう、「ママ、子どもも癌になるの?」と聞いてきたり、テレビで病院のシーンになるとパニックを起こしたりしていました。
交通事故により脳のクモ膜(硬膜)が傷つき、脳脊髄液が漏れ出す
交通事故の後遺症について相談していた家族会の会長さんから、もしかして脳脊髄液じゃない?と指摘されたとき、確かに!そうかもしれないと調べ始めました。実は軽症ながら脳脊髄液減少症に悩んでいる友人がおり、以前から話を聞いたことがあったのです。友人にもすぐに連絡を取りました。
脳脊髄液減少症の発症1ヶ月以内の治療として、2週間程度の臥床安静で多くが自然治癒すると、第一人者である篠原医師のご本にも書かれています。つまり、大きな交通事故で息子はおそらくクモ膜にも傷を負ったが、数週間意識不明でベッドに横になっている間に傷がある程度ふさがったのかもしれません。そして、10歳頃が人生で最も脳脊髄液が少ないために症状が引き起こされやすい、また、成長期にもともとの傷が引き伸ばされ裂け目が大きくなるということがあるそうです。友人から、脳脊髄液が漏れていると経口補水液(水ではダメ)を飲むと楽になると聞き、息子に飲ませると、飲んだ瞬間に頭痛が消えた!とのこと。一時的とはいえ、頭痛が消え、体が楽になるようでした。
受診を決め、交通事故の後遺症でお世話になっている病院の主治医に相談して紹介状をお願いしました。
国際医療福祉大学熱海病院にてブラッドパッチ
*5年生の秋
篠原医師を受診、MRI検査。診断は「脳脊髄液漏出症」、MRIにて明らかな脳の下垂と静脈の拡張あり。
おそらく息子の体調不良の原因は脳脊髄液だろうと確信していましたが、ブラッドパッチの危険性、またブラッドパッチをしても繰り返してしまうケースが多々あるという不安を抱えつつ受診。子どもの診断の難しさや、状況によって患者が希望してもブラッドパッチも断られるという話を聞いていましたが、篠原先生は、息子のこれまでの経緯、本人の様子、MRI結果から明らかな漏れが確認できたこと、できるだけ早くブラッドパッチをしましょうとのことでした。信頼できるお話に迷いなく「お願いします」と答えました。ようやく原因が見つかった、よくなるかも、という希望がもて前向きになることができました。
回復の過程
*5年生の冬
国際医療福祉大学熱海病院に4日間入院し、ブラッドパッチ(硬膜外自家血注入療法)を受ける。
子どもの場合は、背中の上の方に注入することが多いようです。5分程度の処置で、もちろん麻酔をするのですが、本人によると、痛みとも違うものすごい衝撃があったそうです、、腰が外れそうだったと言っていました。
このころ頭痛はもっとも強く、歩いていても頭に響くので、そーっと、そーっと歩いている状態でした。もちろん車に乗っていても段差の揺れが辛く、長時間は厳しいのですが、埼玉から熱海まで新幹線で乗り継いでいくのも大変、私が細心の注意を払いながら、そーっと、そーっと運転して熱海まで往復したのを覚えています。
そして家に戻り、その日からシャワーはOKとのことでシャワーを浴びると、お湯が頭にかかり急に血流が良くなったのでしょう、風呂場から「痛い!!」と叫び声が。ズキズキとした頭痛はしばらく続き、1〜2週間、ひたすら横になって過ごしました。
*6年生の夏(術後半年後)
経過観察のため受診、MRI検査。視神経の丸がはっきりしてきた、静脈が少し細くなった、脳全体がクリアになってきた。
頭痛は減ってきた、勉強する気になってきた。引き続きこまめに水を飲むこと。
*中学1年生の夏(術後1年半後)
経過観察のため受診、MRI検査。
まだ少し頭痛が残っているが(高いところから飛び降りる、前まわり、トランポリンなどはダメ)、かなり元気になってきた!勉強はこれからに期待。
篠原先生より、これで治療完了でいいでしょう、とのこと。また何かあれば受診して、と優しい言葉をかけていただきました。
息子は、ゆったりおおらかな校風の私立中学へ進学したため、勉強などのストレスも少なく体調の回復にとてもよい環境で過ごすことができました。友達からはいつも眠そうな顔をしていると言われ、授業中に寝たり、教室外で休んだりしながら徐々に元気になり、中学を卒業する頃には、頭痛や疲労感などの症状はほぼなくなりました。速やかに治療まで進めてくださった篠原先生、お世話になった皆さまに本当に感謝です。
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回復のために
・こまめな水分補給
高校生になった今でも本人は大きなペットボトル(お気に入りの天然水)を毎日持ち歩いています。
・栄養バランスの良い食事
『食べたもので体が作られる』でもこだわり出すとキリがない、、ストイックにやろうして失敗も。食事は作る方も食べる方もストレスにならない範囲で、楽しくバランスよくを心がけています。本人が欲しがるものが体が欲しているものなのだろうと。栄養療法界隈では胃腸が弱っている時の栄養補給にボーンブロス(骨付き肉を煮込んだスープ)がおすすめされます。うちでは簡単に、手羽先と大根など家にある野菜を加え煮込んでいます。
・適度な運動
・できるだけストレスのない環境を作る。楽しいことをする!!
その他:
・整体
全身のバランスや流れを整えることは自然治癒力の回復に有効だと感じます。脳脊髄液漏れの人がなかなか改善しない体調を抱え整体や鍼灸に通うことも多いようですが、篠原先生のご本には悪化する原因になることもあるとか・・。息子を見ていてもあらゆる刺激に敏感な状態でしたので、よほど慎重に選ぶ必要はあるかと思います。息子がこの頃通っていたところは、キネシオロジー(筋肉反射)で毎回どこまで施術するかを本人の身体に確認しながら、内臓や頭蓋骨、全身を調整して流れをよくしてもらっていました。施術後、本人は、身体が軽い!羽が生えてるみたい!と言っていました。
・アロマ
息子の場合は、背中に塗布したりして睡眠に効果がありました。また、熱など風邪症状にも、できるだけ薬は使いたくなかった(過敏に反応していました)ので、いろいろお世話になって助かりました。