【布スピいよいよ開催でちょいネタバレ】布スピが可能にするのは五感への音楽的アプローチなのだと気づいた話
いよいよ布スピーカーを使ったインスタレーション「SOUND FABRIC ORCHESTRA」も今週土曜日12月3日にやってきます。いまとなっては巡業サーカス団ような思いです。クラファン支援いただいた80名の皆様、現場でお会いできるのを楽しみにしてます。
クラファン支援者以外の一般入場の方々へ
お問合せが何件かあったので先にお伝えしておくと、支援者以外の一般の方々も広くご入場いただけたらと思っています。もちろんこの展示は支援者の皆さんのおかげで成り立っています。なのでその支援いただいた一人一人からのエネルギーを多くの人と共有できれば幸いです。
もちろんベイビーもキッズも大歓迎!
布スピもついにこの日を迎えました。
ここに至るまで長かった。コロナも人生も何度も試練をくれるものですね。
布スピは本当に、展示会場に来て体験しないとその良さを十分に味わうことができないので、思い切って展示前に何を展示するのか説明してみようと思い立ちました。
つまりネタバレのようでネタバレでない、体験した人にしかわからない感動があるので、ぜひ布スピで創る空間を美味しくいただきたい人はお越しくださいまし。
*この先は展示に関してネタバレを含んでます。当日何も知らないままの感動を味わいたい人は、このままそっとページを閉じていただき、当日お会いできるのを楽しみにしております。
ListenではなくSoundというUIUX
そもそも音楽って、皆さんどんな風に聞いてますか。
耳で聞くのが当たり前。イヤホン、AirPods、便利ですよね。
耳に直接アプローチするデバイスから、私たちは音を感知しています。
それが当たり前の今。
では本当に音楽は耳で聞くものなのでしょうか。
未来の音楽体験は本当はそうじゃない….のかも?
私たちは肌でも聞いているし、目でも聞いている。
というのが今回のスタートラインになります。
布スピーカーってなんですかとよく聞かれます。
布状のスピーカーです。以上(キリッ)。みたいな雑な説明を何度もしてしまうのですが、本当にそれ以上でもそれ以下でもなく、
シンプルに布から音が出力されている状態です。
それだけでもすごいことなのですが、
それで可能になることは、
音を聞く、聞こえるというUIUXで、
イヤホンを使用しなかったら、
布から音を楽しむとしたら、
私たちはどんな感覚になるのか?どんな生活になるのか?
という行動や感覚を多様化させるとうところにも
魅力があるわけです。
それは人に対するアプローチだけではありません。
空間をまるごと変えてしまう。彩っていく。
みたいなことも可能なわけです。
つまり、耳から得られる以上の想像力を創り出す。
そんなイメージです。
以上のことを踏まえつつ、
今回展示するのは三種類の作品です。
1- TENT 感じる
囲まれる/包まれる/想像する
テントと言うのは不思議なもので、外から見るとただのカラフルなテントなのですが、中に入ってしまうと、中の人が外の世界を見ることができません。つまり一度中に入ってしまうと、外の世界は音で想像するしかなくなります。
一人しか入れない完全なる密室。
ここで使われているのはテント壁面に施された布スピーカー1枚。
でもこれが布スピーカーだとわかるようにはなっていません。
2- NOREN 味わう
挟まれる/中に入る/沁み込む
音の中に入るというのはどんなイメージなのでしょうか。
大きな布スピーカー2枚に挟まれることで、それが可能になります。
天井はないのに天井があるような感覚。
そこに何もないのに、ない場所からある音楽が聞こえるという感覚。
空間のあちこちから噴き出るように聞こえる音。
3- SOFA 触る
触れる/体を預ける/身を任せる
ソファーに施された布スピーカー三つを使って、
音との共存、音による存在を感じるようになっています。
まるで音が隣に座っているような感覚。
ソファーって家の中でもかなりプライベートな場所ですよね。
だらしないカッコで座ったり。本当はそんなことしちゃいたい。
けど展示会場だとちょっとかしこまっちゃうけど、ゆったりできると思います。
布スピをこの三つのアイテムに昇華した理由は、
私たちの日常生活、特に家という空間で目に触れるものを想起させるためなのですが、例えばテントは部屋の壁、のれんはカーテン、ソファーはソファー(そのまんま)という具合に、自分の部屋の中のアイテム達がある日突然、音楽をオーケストラのように奏で始めたら、それはSOUND FABRIC ORCHESTRAになるんじゃないか、というところから名前がきているというわけです。
ある日突然喋り出すかもしれない。ある日突然、アレクサ!というかもしれない。ワクワクする世界。きっとまだまだやれることはありそうです。
興味を持った企業様、私と変なもの創りましょう。是非。
布スピが可能にする五感への音楽的アプローチ
イヤホンで聞く以上の感覚をもたらす。拡張性がある。
なぜそんなことが可能なのかというと、布状だからなんです。
布は肌で触れ、形も自由自在。いや、自由自祭。
テキスタイルが持つ印象でフレンドリーにも、クールにもなり、
あらゆる形に適応する。体を包む。空間を創る。
布が元々可能にしていた五感へのアプローチと、
音による演出が融合されているからこそ、できる新しい提案なのだと、
作者として会期を目前に再認識したということでございます。。。
展示に関して、産総研の吉田さん無くしては語れません。
彼が産声を与えた技術に、私が服を着せたような感じ。
今回は今まで全ての布スピを展示に使い倒しています。
そして当日も朝から来てくれるという。
本当に本当にありがとうございます。
そして布スピで様々な発想を持つことができたのは、オーディオメーカーではない自分のファッションというバックグラウンドもうまく機能したと思っています。とはいえ音は奥が深い。完全なる沼。まだまだ勉強です。
ちなみに今回のDMはまさに織物を想起させるようなスペシャルなDMになってます。これ、一つ一つ織ってるんです。。。。!!!!!
DMデザイン、ならびに展示ディレクションをしていただいた坂井浩秋デザイン事務所の坂井さん、本当にありがとうございます!!!
エンタメは「生きるか死ぬか」には関われないけど、きっと「生きがい」にはなる
最後に、コロナ禍を経て、めちゃくちゃ変化した創る視点について。
コロナ初期に世間が大騒ぎだった頃、私は医療従事者でもなく、なんてファッションは非力なんだと、命を救える仕事こそ素晴らしい、私は何の役にも立てないのかと思っていました。
ただ今改めて思うのは、
エンターテイメントは「生きるか死ぬか」には関われないけど、
きっと「生きがい」にはなるということ。
生きてて楽しいと思えることを創ることなんだとということに気づいたわけです。
そしてコロナ禍で我々はオンラインでなんとか繋がっていたけど、フィジカルな部分ではめちゃくちゃ孤独だった。つまりプラトニックな感じで、ヘレンケラー的に言うと「ゥゥウォータァーーーーー(これが水だーーー)!!!!!!!」というものがなかった。
水は知ってるけど、感じたことがない状態。
コロナから少しずつ回復している今、私たちはゥゥウォータァーーーーー!!!!!!!と言う感覚を欲している。
私はこれからもウォーーーターーーー!という感動を作り出したい。
もちろんオンラインでもオフラインでも。
感動ってやっぱり、感じるものだと思うから。
感度を高めて一緒に叫びましょう。
ゥゥウォータァーーーーー!!!!!!!
みなさん、会場でお待ちしてます。
O l g a
おまけ
制作途中の小川氏。小川さんと私との付き合いの年月は親を超えそうです。
病める時も健やかなる時も、長年私とものづくりをしてきてくれた。
親より私のやっていることを知っている。
ほぼ思い出が一緒という貴重な方です。
そして偉大なるマルチプレイヤー。
当日も会場にいると思います。
彼女の話はまた今度。こちらも完全な小川沼。