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宿泊プログラムからのまなび

コロナ禍ではありますが、感染予防対策は万全に、1泊2日の宿泊プログラムを行いました。

今回は小学校高学年のお子さんと。

宿泊先は、キッチン、風呂付きの貸別荘。
そのため、少人数で、いつものプログラムを再現しながら、かつ、お楽しみイベントも入れながら、これまで育んできた力試しを存分にすることができました。

見出しの絵は、宿泊プログラムの思い出をお子さんが描いてくれたものです。(「表現」については、またの機会に綴ろうと思います。)

ホームページでも少し紹介しましたが、今回の宿泊プログラムでのお子さんの様子やこれから…について綴っていきます。

ねらいは2つ

Oleaの宿泊プログラムには大きく2つのねらいがあります。

・これまで育んできた生活スキルを自宅やOleaではない環境でも発揮できるようになる
・Oleaでは見ることができない時間帯の生活スキルを観察し、今後の課題を探る

普段のプログラムの力試しの場です。はじめは、道具や場所、手順などが同じでないと難しいかもしれませんが、宿泊プログラムでは、いつもと同じことを、いつもと違う場所や道具で、手順を考えながら「こと」を進めていく。そうすることで、普段のプログラムで培った生活スキルの定着度や、いつもより長く過ごすことで、くらしの課題が見えてきます。

前提として

これまでもお話してきましたが、Oleaでは、変化を楽しんだり、ファジーな部分を受け入れたりする力を子どもたちにつけていきたいと考えています。これは、本人も、本人を支える周りの人々もくらしを豊かにすることだと思います。

宿泊プログラムでは…

「変化を楽しむ」
→いつもと違う場所で、いつもより長い時間、ちょっとだけ新しいことに、「いつもと同じパートナー」(←これは大事)と安心して過ごす。

「ファジーを受け入れる」
→あえて視覚支援のようなかたちで、スケジュールは提示せず、その都度、伝えたり、相談したりしながらプログラムを進めていく。自分がやってみたいことを提案したり、パートナーから提案されたことを受け入れ、どのように実現していくかプログラミングする。

さあ、出発!

ご自宅近くに車でお迎え。普段のプログラムでも乗車の仕方を練習していたこともあり、助手席大好きなお子さんもスムーズに後部座席に乗車。(安全のためにも大切ですね)

車の窓から見える景色に、子どもたちも「海だー」とうれしそう。1時間半ほど車を走らせ到着。

ちょっと待って!我先に!

到着するや否や、車の外に出ようとソワソワ。すぐに扉を開けたら、飛び出していってしまいそう…一見すると、建物の玄関が見えて、入ろうとする…見通しが立っているように見えますが。

ちょっと待って!自分の荷物はどうするの?友達を乗り越えて扉から降りるの?…一回、落ち着いて、これからのことを確認しようよ…ということで、車を降りる順番、降りたら自分の荷物を持つことを伝えて降車。

確認したところまでは、よかったのですが、その先…玄関に入ると、すぐに靴を脱いで中に入ろうと…どこに行くの?(初めての建物です。)なぜ…?

ということで、このお子さんの今回の大きなテーマは「ちょっと待って!我先に!」でした。パッと全体を見て、把握して動こうとすることはとてもすごい力なのですが、思い込みも大きく…今回は、行動する前に一呼吸。というところをがんばってみました。

スケジュールをその都度相談したり、確認したりすることで、パートナーからの言葉や友達の動きを注意深く聞いたり観察したりしないと、自分の見通しが立ちません。そうすることで、行動前に一呼吸とることができます。このお子さんも、自ら一呼吸とれる場面が何度か出てきました。一呼吸おけると、その先の行動も落ち着いたものになります。

いつもどおりに

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炒め&ごはん

ごはんは、Oleaおなじみのメニューをいつもとちがう場所で再現。今回は、2日間で、子どもたちと4食自炊しました。パートナーが手伝うのは、まだ練習前のこと。野菜を小さめに切ること、味の調整、食器の選択など。その他、大きめに野菜を切ったり、炒めたり、ごはんを盛ったり、配膳したりすることは、子どもたちがかわるがわるキッチンにやってきて、自分が知っていることや、やってみたいことを自然にやっていました。ここは、Oleaで培ってきた力を発揮できているなぁと感心したところです。

いつもとちがって

今回のお楽しみは、テラスでの「露天風呂」。

お風呂が沸くまで、テラスでどう過ごすかなぁと子どもたちを見ていると、あるお子さんの提案で「おにごっこ」が始まりました。タッチしたら鬼が交代というルールはわかっている様子。追いかけられる方が楽しいようで。鬼=パートナー(語弊があるなぁ…)という図式ができつつあったので、追いかける人を意識するために、ルール追加。「タッチされたらその場で鬼になった人が10数える」ということを、言葉で伝えるのではなく、流れの中で何度かやってみると、自然と子どもたちは学んで実行していました。このような、流れの中で、ナチュラルに学んでいくこと、(今回はルールがあること)とても大切です。

パートナーがへとへとになりはじめた頃、お風呂が沸きました。一人は、「わーい!」と水着でドボン。もう一人は、「水着を着てるのにプールじゃないの?」と尻込み…いいじゃないの!とパートナーとドボンすると、気持ちよかったようで、のんびり堪能。結果的には、お楽しみになったようです。

あっという間の2日間

子どもたちとの2日間のくらしはあっという間。ねらいにも書きましたが、子どもたちとのくらしの中で、このようなことを読みとりました。

・いつもと違う場所でもいつもと同じことができるかな?
・初めてのことに誰かと一緒にチャレンジできるかな?
・いつものプログラムより長いくらしの流れを通して、どのくらい「くらし」に興味があるかな?

宿泊プログラム中、保護者には定期的にお子さんの様子を映像でお知らせしたり、1日ごとに連絡帳にてリポートしたり。

翌日には、「Oleaくらしのアセスメント」に沿って、宿泊プログラムで見られた様子やこれからについてリポートをお送りしました。

実感したのは、子どもたちは、Oleaで練習していることを少しずつ着実に身につけていること、「くらし」への興味も広がりつつあるけれど、普段意識して自分でやっていないことがまだまだ多いなぁということ。特に、自分の荷物への関心がまだまだだなぁと。(衣類、洗面セットなど)
自分の衣類はどこにある?今日は何を着よう?洗濯物は袋に入れて整理してかばんにしまおう!といったことは、家庭生活にも生きてくることです。

これも、宿泊プログラムだからこそわかってきたことです。お楽しみの宿泊行事ではなく、定期的な力試しの場としての宿泊プログラムの必要性を感じました。

保護者の声

保護者より、このような声をいただきました。

「自信に満ちた顔で帰ってきました。」

「少し声のトーンが下がったような…」(時々、大きな声を出してしまうお子さん)

「すごい進歩ですね!(←いろいろな食材に自分からチャレンジしたことを報告。)いっぱい楽しんで、いっぱい自分で出来ることを発揮できて、きっと良い思い出と経験になったと思います。」

「写真からエンジョイしてる感じが伝わります。」

「詳しいリポートありがとうございます」

その他にも、家庭ではあまり見られないけれど、Oleaで練習してきた姿が、今回の宿泊プログラムでは見られていたようです。

このような、経験を積み重ねることで、年齢に関係なく、さらなる「くらし力」の定着がはかれるのではないかと実感しております。

「楽しい」気持ちをキープしながら、普段なら、おうちの方が手伝ってくれるようなくらしのあれこれを自分でやってみたり、初めてのことにもチャレンジしてみたり。とても貴重な経験です。

もちろん、パートナーとも長い時間過ごすことでさらなる信頼関係が築けたようにも思います。

今後も、普段のプログラムや宿泊プログラムでのお子さんたちの成長を綴っていきます。お楽しみに!

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くらしのまなび舎 Olea
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