パーン!バチーン!ポーン!
「おはよう」「おやすみ」
「ありがとう」「ごめんね」
「こんにちは」「さようなら」
当たり前の挨拶が上手く言えないのはいつからだろう。
人見知り云々ではなく、家族や友人にも言えないほど「下手くそ」なのだ。
頑張って絞り出すも声が小さくて聞き返される。
大きな声を出そうと意識すると、中途半端な表情と発声までの初速に時間をかけ過ぎてビックリされる。
言いたいのに言えない。
言えずじまいの帰り道は凄まじく憂鬱だ。
当たり前の挨拶を当たり前に言える人からすれば考えられないと思うが、僕は当たり前の挨拶が出来ない。
何故か小っ恥ずかしくて、タイミングや声量の調整も難しくて相手の目も見れない。
それまで楽しく盛り上がっていたのに別れ際の
「じゃぁ、またね!」が来るとまた絶妙な表情で手を振るだけ。
そんぐらい爽やかに言いたいものだ。
他人を介さない「頂きます」と「ご馳走様でした」はハッキリと言えるのにな。
というか挨拶に限った話じゃないな。
普段はどこか気を遣ってなのか、本当の事が言えずじまいになる。
心からジワジワと染み出した感情を脳が伝達し、腹からエネルギーを蓄え登っていく言葉が、喉元で急ブレーキをかける。
そもそも感情を伝えるのが苦手だ。
負の感情は顔に出るのに、喜び方はぎこちない。
ホントに嬉しいんだよなぁ。伝わってて欲しいなぁ。
憂鬱な帰り道、
閉店後のサーティワンの前を通る。
「もっとポッピングシャワーみてぇなコミュニケーションがしてぇんだ!」
今になってあの弾ける飴苦手かも。
パーン!バチーン!ポーン!
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