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エロイカジャパン2024への道⑨ 最終回
朝3時、少し頭が重い中での起床。
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個人的には893とかの方が良かったかも(笑
ところでゼッケンって、ジャージの背中に着けるものだとの
先入観がありましたが、結構な割合で
サコッシュに付けている方が多かったのが印象的でした。
実は私、この2年で20キロ近く太ってしまい
その当時に購入したジャージは悉くサイズアウト。
何とか入るジャージも、背中にゼッケンを着けると
パチン!と安全ピンが弾ける音が…
「また、やり直しかよ…」と挫けてしまいそうになります
(↑痩せればいいだけなんですけどね…)
サコッシュだったら、後からレインウェア等を羽織っても
提示し易いですしね。
そして今回チャレンジするSAMURAI(181Km)は
6か所のエイドステーションが設けられているのですが
盟友(勝手に私が思っているだけですが)のSilicate Meltさんが言っていた
よくスーパーで売っている、半生の和菓子詰め合わせを補食として
携行しました。
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一見「おばあちゃん家に遊びに行った時に出て来るおやつ」的な
日常生活上では少し縁遠い様な、普段はあまり手を伸ばさないカテゴリーのお菓子ですが
でもこれ、小分け包装され携行性に長け、口の中に入れた時の食感も良く、士気が揚がります。
私は近所のスーパーライフで購入。298円位とコスパも良し。
羽二重餅やくるみ餅、みたらし餅など小分け包装の餅の詰め合わせが
今は普段のおやつにも、特にお気に入りです。
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wi-fiと予備バッテリーを携行です。
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定刻通り04:30からブリーフィングを開始。
この時、フォローを頂いている
krypton-xさんとお会いする事が出来ました。
出発前に拝見した、カンパのCレコ?AssyのSAMSONを
生で拝見させて頂きました。
とても造詣が深く、ナンチャッテの私はタジタジでした(笑
私も今度、タイヤはコンチをセレクトします!
なるほど、同じパイプを使用しても
溶接時のガスの種類から、その後素性が変わって来るんですね。
勉強になりました!
こんな話、カーボンでは出来ませんよね。
そして、この時のブリーフィングのおおまかな内容は
・大仁橋、修善寺橋を渡れば、後はほぼ1本道。
・昼食が出るエイドステーションの松崎で、13時を目処に足切り。
・戸田のダウンヒルに注意する。
・最終エイドのMAPEIらららサンビーチで19時足切り
が主な内容でした。
この時点では、以前バイクで結構通った道でもあるので
土地勘はあるものの、自転車でのヒルクライムに関しては
未経験の未知数。
不安はありますが気合と根性の経験則で
今回も何とか乗り切れるだろうとの勝手な都合のいい憶測と勢いでの
エントリー。
ハイ、今回はこの浅はかな考えが通用しなかった
良い経験になったのです。
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5時前、薄っすら明るくなって来ました。
そして5時に周辺住民の方に配慮し、静か~にスタート。
最初は前日のMAPEIライドと同じコースを辿ります。
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大仁中央IC~大仁南ICの間のサイクリングロードでのひとコマ。
MAPEI30ライドと違い、大仁中央IC(神島橋)から橋を渡らず
大仁橋までそのまま直進して行きます。
右手に見える白い道は、MAPEIの技術で舗装した遊歩道です。
今回の大会に合わせて整備したとの事ですが
諸般の事情により今回の大会では使用しませんでした。
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また来年!
そして大仁橋を渡った後、また少しして修善寺橋を渡ります。
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そして修善寺の先、市山の交差点。
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FUJI(80Km)は右へ。
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この時はまだこんな写真を撮る位に、余裕をぶっこいていたのですが…
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トイレを借りました。
でも、今考えればこの時点でそれほど余裕がなかったのです…
湯ヶ島の辺りでは、この様な昭和初期に造られたと思われる建築物が
点在していました。
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結構山間で、昭和初期で道路整備もままならない環境で
こんな立派な建物があるのは、驚いてしまいます。
この時点ではまだ降りて写真を撮る余力があったのですが
この先から苦行のヒルクライムが始まるのです。
この先に浄蓮の滝があるのですが
そこを過ぎれば平たんになるだろうと言う甘い考えで登りましたが
そんな都合のいい憶測は見事に打ち砕かれ
新旧天城トンネルの分岐まで来ても、まだ上り。
モウカンベンシテ…
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右は新天城トンネルへのルート。
出場前に、二子玉辺りの多摩川沿いでグラベルロードの練習をしようと
思っていましたが、すっかり忘れていました…
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06:00発のODORIKOのトップランナーの方に抜かれました…
そしてやっと、旧天城トンネル入口まで来ました。
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迫力のある入口です。
ここからやっとまず、平坦路になりホッとしました。
中はやはり冷たく、風が通り抜け寒いです。
中の雰囲気は椎名林檎の「獣行く細道」のPVを思い出しました。
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グラベルロードの下りのテンションは、こんな感じでしたよ(笑
そしてトンネルを抜けるとそこは、エイドステーションでした。
どら焼きと飲み物を頂いて早々に出発。
するとそこからとにかく下り、下り、下り。
グラベルロードの下りは緊張の連続ですね。
腰を浮かして抜重し、サドルを膝でニーグリップ。
これが効果的なのかは不明ですが
ハンドルを無理に操舵したり
下手にドリフトすれば転倒のリスク→地面は砂利や岩だらけでケガは必須。
カーブはとりあえずスローイン、ファーストアウトの原則を貫き
リアは指一本で常にロック寸前までブレーキングしながら
フロントは指一本でポンピング。
昔ヤマハのRZ125でドリフトと言うか、パワースライドの練習を
港の敷地で夜中練習しましたが、その事をふと思い出しました。
常に前傾姿勢で上目遣いの目線での走行は
前にYZF-R1を試乗した時の様で疲れますが
自転車もやはりバイク同様、行きたい方向に目線を向ければ
ちゃんとその方向へ行くと言う設計になっている事を実感し
感動しました(笑
そして河津のループ橋は、気持ちリーンインのフォームで
目線に注意しながら定常円旋回で一定の速度を保ち通過しました。
ここでもリアはロックギリギリ指1本、フロントはブレーキ禁物です。
しかし、ここまでは良かったんです、ここまでは。
問題はこの後からでした、
交差点に向かうと
何か両手にEROICA JAPAN2024のポストカードを持った方が
右に行けとの合図が…
えっ、右折⁉
まさかこの下佐ケ野交差点を直進せずに、右折して下田に向かうとは…
何か、また登りみたいなんですけど…
正面が本ルート。左手に行けば、谷津の交差点。
下田まで海沿いのなだらかな道が待っていますが…
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私は画像右手の河津ループ橋方向から河津川沿いを直進し
画像左手の先、海沿いを走る国道135号線の谷津交差点に行くものだと
ここに辿り着くまで勘違いしていました。
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135号線の谷津の交差点まで出て、海沿いを走っていたので
今回もそのつもりで臨んでいたのですが、下佐ケ野を右折で下田まで?
初めて通る道だけど、目前は登り。何か凄く嫌な予感が…
まぢか⁉河津川を渡ると何か登りになっているんですケド…
この辺りから苦行の始まりでした。
そして何とか下田の市街地に入り始めた頃
下田警察署の少し手前だったでしょうか、わナンバーのワンボックスカーがしばらく並走し、加速すると、リアウインドウに「EROICA」の
見慣れたロゴのステッカーが…
あっ、これ回収車でしょ⁉
ヤバい、オレつまり最後尾⁉ありゃー
ここから松崎の手前までランデブーの始まりです。
ハイ、つまり私はリタイヤしたのです。(泣
この後下田、石廊崎のエイドに立ち寄りを終えると
そそくさとエイドを撤収する、スタッフの皆さん。
マヂか!やっぱり。
石廊崎で11:30。
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途中の案内標識には松崎まで23キロ。
平坦路の23キロなら余裕だけど
天城や河津~下田の登りに続いて
あの様な登りを続けるのは正直、腰が限界に近づいて来ているので
自信がない。あの様な登りで1時間半で23キロはどうか?
もう、無理でしょ。
浄蓮の滝の手前辺りから感じ始めた
腰の痛みは増す一方。士気も著しく低下。
石廊崎から10キロ過ぎた辺りで、とうとう押し歩きを始めました。
そして、松崎での足切りリミット13時を少し過ぎた
一町田の交差点を約200m程直進したところで
リタイアを宣言しました。
石廊崎のエイドから約18キロの地点でした。
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西伊豆スカイラインに何とか辿り付いたとしても
予想される悪天候。決断しました。
後抑えの回収車キャラバンは、スイスイと松崎を目指します。
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ここまでフカフカに感じたのは、今回が初めてでした。
やはり車は偉大だ!
その後松崎で弁当を食べ、大会のメカニックを担当する
葉山自轉車市場さんの柏木さんが運転するトランポで
大会本部まで戻る事となりました。
最初に乗った後抑えをしてくれた回収車は
その後ODORIKO参加者のチェーン切れのレスキュー
に向かうとの事で、丁重にお礼を言って別れました。
そして乗り換えた葉山自轉車市場のトランポに
もう一人、ODORIKOに参加されてリタイアした
カナダ人の方と自転車を積んで同乗しました。
その方は膝の痛みに耐えられなくリタイア。
当人は重いギアを踏み過ぎたと言っていました。
葉山自轉車市場の柏木さんと、日本語が堪能なカナダの方、そして私と
車中で色々と話をしました。
カナダの方は、長谷川自転車商会のオヤジさんの話とか…
何だ、生活圏ほぼ一緒じゃん、世間は狭いよホント(笑
そして大会本部に到着し、車を降りてリタイアの申告をしました。
代表の江口さんから特別に完走賞と同等の記念品を頂きました。
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今回のSAMURAIライドのルートブック
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押印はありません。
これが今の私の実力です。
そして宿に戻りました。
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結局初日とは違う別のお寿司屋さんの、うを正寿司さんを見つけ
そこで一人反省検討会をしました。
予約が無いにも関わらず、大将は何かを察したのでしょうか
男一人客の私を大きなテーブルの座敷席に通してくれた後
続いて入店したカップルについては
私は別に相席で構わなかったのですが
大将が丁寧にお断りをしているのを見て
申し訳ないと思いながら
私も伊豆でですが、アテに千葉名物のアジのなめろうと
特上寿司、上うな重(寿司と鰻を両方出す中々のお店)
を頼んじゃいました(爆
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おしまい。