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All Apologies / Nirvana 【和訳】


Unpluggedバージョン

What else should I be?
どうなればよかったんだ?
All apologies
全部謝るよ
What else could I say?
なんて言えばよかったんだ?
Everyone is gay
みんな気楽だな(注1
What else could I write?
なんて書けばよかったんだ?
I don't have the right
そんな権利なんてないよ
What else should I be?
どうなればよかったんだ?
All apologies
とにかく謝るよ

In the sun, in the sun, I feel as one
太陽の下、一つになるように感じる(注2
In the sun, in the sun
太陽の下で
Married, buried
結ばれて、葬られて

I wish I was like you
お前みたいになりたかったよ
Easily amused
簡単に楽しめてさ
Find my nest of salt
クスリの巣窟を見つける(注3
Everything's my fault
全部俺のせいさ
I'll take all the blame
責任は全部取るよ
Aqua seafoam shame
波の花の恥じらい(注4
Sunburn, freezer burn
日焼けに、冷凍焼け
Choking on the ashes of her enemy
彼女の敵の遺灰で窒息する

In the sun, in the sun, I feel as one
太陽の下、一つになるように感じる
In the sun, in the sun
太陽の下で
Married, buried
結ばれて、葬られて
Married, buried
結ばれて、葬られて
Yeah, yeah, yeah, yeah

All in all is all we are
何より大切なんだ、俺たちみんな(注5


注1:gayといえば所謂同性愛者だと思われがちであるが、語原は「きらびやかな」といった意味の古期フランス語である。(らしい)
英語でも同性愛者の意味の他に、「陽気な」「気楽な」「派手な」といった意味がある。殆ど前者の意味で使われているだろうが・・・。
歌詞全体の雰囲気から、ここではみんな気楽でいいなという意味だということにした。
ただ、カート・コバーンはインタビューで「俺はバイセクシャルかもしれない」と発言していることから、同性愛者の意味も含めてgayという単語を使ったのだと思われる。

注2:as one 一つになって、一斉に

注3:nest of salt、検索してみても何もヒットしないことから、これ自体がスラングではないようだ。
かといって、他の和訳サイトにある「塩の巣、隠し場所」とか「安らげる場所(意訳しすぎ!)」というのもどうにもピンとこない。
調べてみたところ、saltは俗語で粉末のヘロインを意味するのだそうだ。
カート・コバーンは薬物依存症に苦しんでいたこともあり、きっとここでのsaltはそういうことなのだということにし、この訳。

注4:seafoam 波の花
波の花は、溶解性有機物質を多く含んだ海水が撹拌されて作られた泡、要するに海にできる石けんみたいな泡のことである。水の華という、微少な藻類の大発生によって水面付近が変色する現象に由来するものらしい。(褐色の場合は赤潮と呼ばれる。こっちの方が有名だろう。)
それが分かったところで全くもって意味不明であるが、一つの解釈として、ヴィーナスの誕生を示唆しているというものがある。
ヴィーナスは海から生まれたというのは、ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」で有名かもしれないが、正確には以下のような経緯があるという。
「ゼウスの父クロノスが、自身の父であるウラノスの男根を鎌で刈り取り大海原に投げ入れたところ、落ちたところから白い泡が湧き立ち、その中から女神アフロディーテ(ヴィーナス)が誕生した」
色々とヤバすぎるエピソードではあるが、要するにチンポが立てた泡から生まれたのだという。忌み子かよ。
閑話休題。そしてshame、恥の部分だが、ヴィーナスのような神は描かれ方にある種の型のようなものがあり、その中に恥じらいのヴィーナスというものがある。
これは右手で陰部を隠すようにしているのが特徴の型であり、ボッティチェリのヴィーナスの誕生もこの型である。
また話が逸れるが、この恥じらいのヴィーナスのことが書かれている「クニドスのアプロディーテー」のWikipediaを見るとつらつらと気色の悪い文言がたくさん出てきて面白い。一番好きな部分は
「一見するとその右手は奥ゆかしさを表しているように見えるが、実際には裸であることを強調しているに過ぎない。」
という部分だ。ドスケベ評論家?
注釈が長くなってしまったが、つまるところこの一節は海の泡から生まれたヴィーナスの誕生を表しているというのが私の見解である。
しかし、だからといって肝心の意味はよく分からなかった・・・。
ashes of her enemyのherはきっとヴィーナスのことだろうけど・・・。
ということでここではそのまま訳したものを載っけている。長々と書いたのに直訳になってしまって悔しいところである。
ここの解釈は海外の人も分からないらしく、スラングか何かなのかと検索していたら向こうのヤフー知恵袋みたいなサイトにたどり着いた。回答者が自らの見解を述べているが、最後に「多分700%違う」と自ら言っているので向こうの人も分からないのだろう。
意味が知りたかったら本人に聞きに行くべし。死んでるけど。

注5:all in all 概して、全部で、何よりも大切で
ここは倒置の形になっている。
本来はAll we are is all in all.で「俺たちみんな大切なんだ」である。
倒置なので、ここで伝えたい大事なことはall in all。
つまり大事なんだということが強調されている。
うつ病、双極性障害、薬物依存。
精神的にも肉体的にも苦しみに満ちていた彼の人生。
この一節は彼にとっての人間賛歌だったのかもしれない。


この曲は、私がNirvanaの中で最も好きな曲である。
簡単なフレーズに、大して動かないコード。そして諦観にも似た歌詞。

それでいてこの魅力なのだから、Nirvana、ひいてはカート・コバーンの表現力というのは本当に飛び抜けていたのだと思わされる。

それにしても彼は、贔屓目に見てもギターがヘタクソである。

このライブなんて酷いものだ。
2番辺りからミスってから全然立て直せないし。
私の所属していた軽音楽部の新入生でも半年したらこんな演奏はしない。

しかし、それでもなお、このバンドの魅力というものは全く失われていないようにも思う。

そもそもNirvanaというバンドに演奏の上手さなんて求めていないのだ。
もちろん演奏が上手いに越したことはないのだが、かといって上手ければ良いという訳でもない。

込めた思いを、悲痛な叫びのように、我々に訴えかけるその姿、その精神に惹かれるのだろう。

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