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仮払金・仮受金
従業員が出張する際には、旅費や何かの備えのために概算でおカネを渡すことがあります。最近ではICカードへのチャージなんかもそれにあたります。
このような使い道や金額は今はまだ分からない
けれども、とりあえずおおよその金額を渡しておくことを仮払いといいまして、仮払金(かりばらいきん)勘定(資産)で処理します。
反対に、預金や現金の受け取りがあったけれども、その時点ではまだ内容が定かでないモノを仮受けといいまして、仮受金(かりうけきん)勘定(負債)で処理します。
どちらの勘定も『理由がわからないままにおカネが動いている』というところが特徴です。もちろん、理由が判明した際には、本来の勘定科目に振替えします。
仮払金・仮受金勘定は一時的な処理をするための勘定なんですね。
あと、仮払金勘定(資産)には『払う』という文字が入っているのに、資産であるところに違和感を感じる方が多いかもしれません。
これは、『とりあえず支払ってはいるものの使い道が確定するまでは、まだまだ会社のおカネ(資産)と思っている』と考えると分かりやすいです。
仮受金勘定(負債)の場合も同じような考え方ができます。おカネを受け取ってはいるもののその理由が判明するまでは、まだ会社のものと決まったわけではない…というイメージです。
仕訳のタイミングは、①とりあえずおカネを支払った or 受け取ったとき ②使いみちと金額が確定した or おカネを受け取った理由と金額が判明したとき の2つです。
仮払金
①とりあえずおカネを支払ったとき
【例題8-10】①
従業員の出張にさいし、交通費として概算額50,000円を現金で渡した。
概算額は大まかに計算した金額という意味です。詳細が確定していないので、資産の増加=仮払金を記入します。
現金で渡しているので、資産の減少=現金を記入します。
②使いみちと金額が確定した
【例題8-10】②
従業員が出張から戻ったので旅費を精算し、残金6,000円を現金で受け取った。
旅費を精算しているので、資産の減少=仮払金を記入します。
旅費の精算は旅費として支払ったということなので、受け取った残金以外を費用の発生=旅費交通費として記入します。
残金は現金で受け取っているので、資産の増加=現金を記入します。
仮受金
①とりあえずおカネを受け取ったとき
【例題8-11】①
出張中の従業員から当座預金に150,000円の振込みがあったが、詳細は不明である。
詳細がわからないままの入金なので、負債の増加=仮受金を記入します。
当座預金に受け取っているので、資産の増加=当座預金を記入します。
②おカネを受け取った理由と金額が判明したとき
【例題8-11】②
従業員が出張から戻り①の振込みについて、売掛金120,000円の回収と商品注文の手付金30,000円であることが判明した。
入金の理由が判明したので、負債の減少=仮受金を記入します。
売掛金の回収と商品注文の手付金といっているので、資産の減少=売掛金と負債の増加=前受金を記入します。
例題では、仕訳が必要な2つのタイミングをそれぞれ理解しやすいように問題を分けて掲載しています。ところが、本試験ではこれらが1つの問題としてまとめられ、出題されることがほとんどです。
情報が多くなると混乱しやすくなりますが、まずはどの取引を問われているのかをしっかりと見極めましょう。
そのあとで、与えられた条件や状況を把握すれば必ずできるようになります。あせらずていねいに読み進めていきましょう。
今回はここまで。
ではまた。
◎次の記事◎
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