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さまざまな証ひょうⅠ-納品書兼請求書-

証ひょう(しょうひょう)とは、どのような取引があったのかを示す書類のことです。スーパーマーケットやコンビニでの買い物をした際に受け取るレシートや領収書がそれにあたります。

お店や会社間での取引にも証ひょうは欠かせません。

検定試験の場合、大抵の状況を文章で説明してくれますが、日常業務では残念ながら誰も文章にしてくれません。そういうこともあって、2019年の出題改定時に証ひょうを見て仕訳をする問題が出題範囲となりました。

お店や会社間の取引で使用される代表的な証ひょうには、納品書や請求書、振込依頼書、領収書などがありますが、ほかにも税金を支払う際の納付書や預金口座の通帳なんかも証ひょうのひとつです。

まずは、商品取引には欠かせない納品書兼請求書(のうひんしょけんせいきゅうしょ)から見ていきましょう。

納品書兼請求書

納品書兼請求書は名前の通り納品書と請求書を1枚にした証ひょうです。これは、納品先に納品した明細を記入して渡すと同時に支払いの請求をするための書類でして、商品を販売した側が作成します。

納品書兼請求書には、商品名・単価・数量といったさまざまな情報が記入されています。

スライド42

※納品書と請求書が別々の書類となっている場合もあります。

下図を見ていくと、1番上の真ん中に①証ひょう名が入っています。納品書兼請求書となっていますね。また、左上には『ひよこ商店 御中』とあります。これは②購入側の名称ですので、ひよこ商店が仕入れをしたということです。

2納品書兼請求書名称

さらに、右端上から③取引日、その下に④販売側の名称=うさぎ商店、⑤商品金額があり、⑥消費税額、最終行に合計金額、左下には代金の支払い期日振込先が記載されています。

では、この証ひょうと補足文にそって仕訳を考えてみます。

【例題10-1】①
ひよこ商店は商品を購入し、下記の納品書兼請求書を受け取った。なお、代金は全額掛けとしている。

1納品書兼請求書

問題文と資料の納品書兼請求書から、証ひょうを受け取ったひよこ商店の仕訳を問われていることが分かります。商品代として費用の発生=仕入を記入します。

例題10-1①1


消費税がかかっているので、資産の増加=仮払消費税を記入します。

例題10-1①2


代金は掛けとしているので、負債の増加=買掛金を記入します。

例題10-1①3


納品書兼請求書(控)

納品書兼請求書は、販売した側が作成し取引先に渡すための書類でした。このとき、販売側には納品書兼請求書の控えが残っています。

スライド43

この証ひょうがあることで、販売側も仕訳ができるわけですね。

【例題10-1】②
うさぎ商店は商品を販売し、納品書兼請求書とともに送付した。なお、代金は全額掛けとしている。

3納品書兼請求書(控)

問題文と資料の納品書兼請求書(控)から、販売側であるうさぎ商店の仕訳を問われていることが分かります。商品を販売しているので商品代として収益の発生=売上を記入します。

例題10-1②1


消費税がかかっているので、負債の増加=仮受消費税を記入します。

例題10-1②2


代金は掛けとしているので、資産の増加=売掛金を記入します。

例題10-1②3


証ひょうの問題を解く際には、日ごろから問題文を注意深く読むことに加え、資料もすみずみまでチェックするようにしましょう。

今回はここまで。
ではまた。


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しぃ
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