帳簿Ⅴ-買掛金元帳(仕入先元帳)・売掛金元帳(得意先元帳)-
買掛金元帳(仕入先元帳)
買掛金の詳細を記録する補助簿には、買掛金元帳(かいかけきんもとちょう)があります。仕入先元帳(しいれさきもとちょう)と呼ばれることもありますが、どちらであっても仕入先ごとに人名勘定(じんめいかんじょう)とよばれる勘定を設けて記録しています。
【例題15-9】①
次の取引を補助元帳(買掛金元帳)に記入し、締め切りなさい。なお、きりん商店の月初買掛金残高は 5,000円である。
8月 4日 : きりん商店より商品 2,250円を掛けで仕入れた。
21日 : きりん商店より商品 2,000円を掛けで仕入れた。
23日 : 21日にきりん商店より仕入れた商品のうち、不良品のため 200円分を返品した。
31日 : きりん商店への買掛金 5,000円を当座預金より振り込んだ。
仕訳は以下の通りです。
答案用紙の買掛金元帳が『きりん商店』勘定となっているので、取引のうちきりん商店の買掛金勘定だけを買掛金元帳へ記入していきます。今回の場合すべての取引がきりん商店なので、すべて対象ですね。
帳簿を見てみると、左欄から日付欄・摘要欄・借方欄・貸方欄・借/貸欄・残高欄が並んでいますね。
この並びと活用方法は、当座預金出納帳と同じです。1つ異なるのは、帳簿名の下に①人名勘定として取引先名を記入しているところです。
また月末に帳簿を締め切る際は、次期繰越として残高とは反対側へ金額を記入します。残高は通常ホームポジション側にあるので、買掛金の次月繰越は、借方に記入するわけですね。
その後、借方欄と貸方欄をそれぞれ合計し、一致したら締切線を引きます。最後に前月繰越として、翌月1日付にて残高と同じ側(ホームポジション)へ金額を記入します。
売掛金元帳(得意先元帳)
買掛金と同様、売掛金の詳細を記録する補助簿に、売掛金元帳(うりかけきんもとちょう)があります。得意先元帳(とくいさきもとちょう)と呼ばれることもありますが、どちらであっても取引先ごとに人名勘定を設けて記録しています。
【例題15-9】②
次の取引を補助元帳(売掛金元帳)に記入し、締め切りなさい。なお、うさぎ商店の月初売掛金残高は 7,000円である。
8月 5日 : うさぎ商店に商品 3,700円を販売し掛けとした。
22日 : うさぎ商店に商品 3,000円を販売し掛けとした。
23日 : 22日にうさぎ商店へ販売した商品のうち、300円分が不良品のため返品された。
25日 : うさぎ商店への売掛金 7,000円が当座預金に振り込まれた。
仕訳は以下の通りです。
答案用紙の売掛金元帳がうさぎ商店勘定となっているので、うさぎ商店の売掛金勘定だけ売掛金元帳へ記入していきます。今回の場合も④つの取引すべてが対象ですね。
また月末に帳簿を締め切る際には、次期繰越として残高とは反対側へ金額を記入します。残高は、通常ホームポジション側にありますので、売掛金の次月繰越の場合、貸方に記入するわけですね。
その後、借方欄と貸方欄の合計し、一致したら締切線を引きます。最後に前月繰越として、翌月1日付にて残高と同じ側(ホームポジション)へ金額を記入します。
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例題では取引先が1社のみでしたが、一般的には複数企業と取引をしています。買掛金の場合、買掛金元帳にあるすべての人名勘定の残高を合計とすると、総勘定元帳の買掛金勘定残高と一致します。
また売掛金の場合も同様に、売掛金元帳にあるすべての人名勘定の残高を合計すると、総勘定元帳の売掛金勘定残高と一致します。こちらも合わせて覚えておきましょう。
今回はここまで。
ではまた。
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