見出し画像

10年ちょい好きなバンドの台湾公演に行くために初めて海外へ飛んだら人生でいちばんたのしい3日間になった話

 こんばんは。空似と申します。初noteです。
 もはやタイトル以上のオチはありませんが、あまりにも楽しかった&フォロワーさんにチラホラと反応をいただけたので覚書として。クソ長なのでお暇があれば是非。あと、もし同じ目に遭う方がいたらなにかの一助になれば幸いです(稀)
 記事の構成としては、バンド側から台湾公演が告知され、パスポートを取得し、事前準備を済ませフライト、台湾での3日間から帰国までの話、最後にやり残しリストになっています。途中で、海外に行くにあたって気をつければよかったこと、現地で伺ったお店の紹介や実際の支出なども記載しているので、台湾に行く方の参考になれば感無量です。
*掲載している写真は、自身で撮影しています。
*トップ画像含め、海外公演のためライブ中の撮影が可能で、国内公演での撮影は禁止されています。

台湾公演が告知された日

 10年ちょい好きなバンド=オルタナティブロックの申し子※ことcinema staff は、以前から告知のタイミングがファンを振り回しがちなところがあり、今回もなんの前触れもなく転機が訪れた。(※MCから派生したネタ。岐阜県出身のかっこよすぎる4人組ロックバンドです、よろしくどうぞ)
 仕事を終えて帰宅中。どうやらリアルタイムでの告知を見逃したようで、12月半ばに行う合同主催ライブが発表された模様。平日だけど行けるかな〜なんて呑気に思っていると、さらに新しい告知が。"実はそのライブを最後にボーカルの喉の手術で年明けまで活動休止するんで"………!?! そうなの!?! "平日だけど行けるかな"ではなく"絶対に行かねば!"になってしまった………そんなファンの動揺をよそに、まるで思い出したかのように、しばらくして更なる告知が。"あっ、その前に台湾でツーデイズ公演するんで"!?!?! いや、2時間ごとにその順番でそんな発表してくるバンド、他にいる? 落ち着け 適正な順番があるはずだ で、まさかの5週間前に発表された台湾公演。わたしは、どうするの!?!

混乱から一夜明け、迎えた翌朝

 コロナ禍前に、台湾はもちろん、韓国やタイなど海外公演は確かにあった………しかし、行くという選択肢が生まれることはなかった。
 ところが、気づけばわたしは市役所の窓口にいた。(海底のリズムでどうぞ)
 えっ? パスポート取得の申請をしている。

 海外旅行の経験がないので、当然ここからのスタート。最短で1週間くらいで取得できるとのことで駆け込んだ。10年の有効期限で、1.6万円。突然の出費にしてはなかなかの額。受け取り時に収入印紙を現金で購入して支払う。
 余談だが、取得時に学んだことは「証明写真の規定が厳しく、目や輪郭に髪の毛は一切かかってはいけない」撮り直して無駄金「パスポートと予約情報、1文字でもローマ字表記が異なっていたら飛行機へ搭乗できないので申請時に控えておくこと」ヘボン式や伸ばす音に対してそんな真剣に向き合ったことないよ、の2点。飛行機単体での予約だと旅券番号も必要になる場合があるようだ。(わたしは、国内では未だに5,000円を切るレベルの限界ビジホに宿泊するが、初海外ではさすがに勇気がなく、LCCとホテルのパックを選んだため不要だった)

なにはともあれ、事前準備

 近くても海外ですよ? 台湾に行くんですか? ………思い返せば、やけに自問自答の時間が短かった。
 実は、夏に中国公演を3週間前に発表され、ブチギレていた。台風の影響で中止になってしまったものの、フェス+ワンマンのツーデイズ予定で、発表時に思わず「は?」と声が出た。それを思えば、台湾は友人曰く"モスト・イージー・海外"(あとは韓国。でも、冬がとんでもなく寒く、台湾は気候も沖縄同等と考えれば余裕)台湾が無理なら海外なんてぜんぶ無理! 行くしかねえ! と反射神経が仕事をしてしまったようだ。
 幸か不幸か、直近で他バンドの台湾公演に行ったフォロワーさんがいらして情報提供いただき、スムーズに事前準備を終えられた。なんたる奇跡。ありがたや。聞くと、公演3ヶ月以上前には発表されたらしく、いや、普通はそう。あとは、仕事とプライベート合わせて5回以上台湾に行ったことがある上司にも助けられた。

 LCCとホテルのパックを楽天トラベルで予約し、チケットを購入してからは、肩の荷が降りて正直ず〜〜〜っと楽しかった。旅は好きだから!

 チケットはプラットフォームを把握した後、あらかじめ購入の手順を調べたり、同時刻発売だったので主催者に入場順を問い合わせたり(初日は並んだ順で、2日目は整理番号順だったから2日目を優先し)翻訳したり諦めて連打したり、で、なんとか20番台前半を購入できた。思い返すと、ここまでがマジで心折れそうだった。やっと一安心。
 kkday経由で空港から台北市内までの地下鉄とICカードを事前購入、eSIMを予約し、なんなら旅行ガイドをめくって行きたいお店や場所をGoogleマップにピン留めしていく。ライブで夜の時間が取れなかったので、なんとか初日は台北101に滑り込む&昼でもいいから九份と十分に行くことにした。ライブでよく会う友人と現地合流予定なのは心強い。

突然の! 気になる支出を大公開!

 台北市内3泊4日の旅、以下の通り。
LCC(タイガーエア)と宿泊(京都商務ホテル)のパック 86,000円
海外保険 2,470円(人によってはいらん)
eSIM(1GB/24時間×3)390円
往復地下鉄・ICカード 3,060円(悠遊カードに200TWDチャージ込)
九份・十分行きの貸切タクシー 7,000円前後(割り勘でお得に4人まで可)
台北101入場料 2,775円
チケット代 1日目 4,630円 2日目 4,300円
現地空港両替 15,000円(主に飲食店・お土産屋さんで使用)
合計 12.5万円〜 て感じでしょうか!

 安いのか高いのか? わたしは、2泊3日の飛行機と宿、4万円以下で北海道や沖縄に行く人間のため、さすが海外のお値段と思いつつも、ホテルのグレードでかなり左右される。とは言え、最安値を探していた時、レビューに書かれていた「昼はラブホとして経営しているのが気にならなければお得です!」を選ぶ勇気はさすがになかった(笑)

時は来た、出発前夜

 肩が爆発するようなリュックが生まれてしまったが、わたしは岐阜+台湾の計4泊5日でお洋服も妥協せずリュックひとつで旅に出られる女、まかせろ!
 奇しくも岐阜スタートになってしまったのは、なにかの因果なのか? "直近で他バンドの台湾公演に行ったフォロワーさんがいらして"の他バンドことヒトリエのギターボーカル・シノダさんの弾き語り公演が前から決まっていたのだ。まさか"おかげで有休にしていたので遠征の事前準備ができました"と感謝すべき謎の展開になるとは………

 しかも、公演中はcinema staffの話がマジで多くね? って感じ。リクエストコーナーでは、「初めて聴いた時に敵わねえなと思った曲を」と言って"制裁は僕に下る"を演る始末。挙げ句、初日のライブでセトリ入りしており、その瞬間に(あ!!! 本家だ!!!!!)と思ったの、わたししかいないと思う。そんな頻繁に演る曲でもないので思わず笑ってしまった。笑うような曲では一切ありません。

 終演後、岐阜のホテルに戻り、いよいよ明日と思っていると、友人のポストが目に飛び込んできた。国際線の液体物と機内持ち込み荷物の重量問題にブチ当たる。液体物………!?! 深夜のコンビニに走り、ジップロックを入手。涙ぐましい努力。ところが実際は、ほぼノールックだった。まあ、過信して持ち込み手荷物を一度も量らずに行ったものの合計6.5kgで余裕だったし、人生なんてそんなもんか? みなさん、国際線は計画的なご利用を。

ついに、台湾へ飛び立つ

 翌朝、眠い目を擦りながら………でもなく、バキバキの目をしながら空港に向かう。チェックインがオンラインではなく、カウンターのみで衝撃を受けるも、持ち込み手荷物をクリアし、無事に搭乗。
 飛行機の座席でお隣になった方が岐阜県民で、留学してる娘さんに会いに行く&ライブにもよく行くらしく話がめちゃくちゃ盛り上がる。「台湾に行くくらいだからかっこいいバンドを好きなんだね〜」と言われ、嬉しくなる。cinema staffのことはご存知なかったので、OOPARTS(岐阜で毎年春に行う主催フェス)を合わせてきちんと宣伝した(笑)

 気づけば、スマホに表示される時間が1時間巻き戻っていて、時差をやっと体感する。不思議だ。どうにかこうにか地下鉄に乗り込み、ホテルに辿り着いて、日本語が通じるって最高! と泣き出しそうになる。チェックインを担当してくれたスタッフさんに結婚してって思わず言いかけた(弱りすぎ)
 なぜなら、空港の看板で併記されているのは英語ばかり。日本語がなくて疲弊していた。漢字だから雰囲気で感じ取れるのではないかと思ったけれど、意外とそんなこともない。日本だと「消火器」が、台湾だと「滅火器」なところ、選ぶ漢字の主張が強くてわたしは好きだけどね!

 のんびりする暇もなく、再出発。台北101へ。

なぜなら、最終入場が20:15まで。

 どうしても行きたい。地下鉄から降りてタワーの真正面から駆け込むものの、展望台への入場口がどこか分からず、狂ったカーナビのようにその場で回転していたらエレベーター付近にいらした案内係の方に「どうしました?」と声をかけられ「展望台に行きたいです…」「5階!」と教えていただき、8分前に受付できました………待って、もしかして日本語がそこそこ通じる!?!

さすがの夜景を一望

 せっかくなので、入場時にもらった割引券を使用し、一億光年ぶりくらいにタピオカミルクティーを飲む。上司から「台湾の飲み物はぜんぶ甘い」と聞いていたので、砂糖は"リトル"と答えて大正解。

もう一度言います。砂糖は、リトル。

 そして、きっと一生に一度の、本気のお遊び………ッ! 物販情報が出た際には、バンドマンのアクスタとは? と微妙な気持ちになったものの、開き直ってしまえば楽しむ方法などいくらでもあった。本人がどんな気持ちなのかは知らん。

 フォトスポットが充実していて、他にも大谷翔平さんの50-50ホームランボールが展示されていた。ガラスの箱の中に飾られたボールを見張り続ける黒服2人。冬の時期だからか、入り口のイルミネーションなど、飾り付けも派手なような?

でかい「愛」

 一通りはしゃぐも気力と体力がなくなったので夜市屋台に行けず、同タワー内のフードコートで夕飯。なんの気なしに選んだものの、海老すぎる。海老味噌なんて美味しいに決まっている。海老の脂がたまらないツミレのスープ。どうやら使われている香辛料が得意な味なのかもしれない。

わたし、台湾やれます!

 ホテルに戻ってくつろぐ。上司から「ある程度以上なら水回りの違いじゃない?」と聞いていた通り。足を伸ばしてからだをひらいてゆ〜っくり熱めのお風呂に浸かる。シャンプーとリンスで気づく、この地に足を踏み入れてからなんの香りだろうとずっと思っていたの、レモンバーベナだ。お風呂から出ると、すでに終わっちゃうのが嫌で、帰りたくなくて鬱になる。まだ1本もライブを観てないのに!!! ウケる!
 異国の地だからこそ、余計に思うことがある。ぜんぜん知らない土地で、もちろん誰もわたしのことを知らなくて、ふらっと散歩して行きたいところに行ってボーッとして すんごく楽で もう全部なかったことにしてこのまま消えちゃうのもいいな〜〜〜って まだライブに行っていないので、消えないけれど!

やっと、ライブ初日

 おはようございます。連泊の醍醐味、時間を気にせず寝て起きる。そのまま、朝食へ。

お粥定食が豪華すぎてビビる

 着いてからなにを食べても美味しくてハッピーすぎる。味が濃いのではなく、にんにくとか生姜とか薬味が効いているから? 自分の舌と合うだけの話なのかもしれない。外はパリパリなのに、中は半熟の平たい焼き方の謎の卵焼き、タレまで美味しい。
 あたたかいお茶までいただき、部屋に戻ろうとすると男性から突然「コーヒーでも飲んで行きませんか?」ナンパではなく、驚くことに声をかけてくださったのはホテルの社長。宿泊客と話すのが楽しみのひとつらしい。「好きなバンドのライブがあるので1人で初めて台湾に来た」と伝えると「あなたみたいな行動力のある人は素晴らしい!」と絶賛され、名刺とLINEを交換することに。さらにはLINEでバンドのライブ情報を送る(笑)なにこれ(笑)

 突然ですが、海外旅行に行く時はカード会社に事前連絡してから行きましょう。不正利用検知で楽天カードを止められてクソ焦ったわたし(とは言え、前年にリアル不正利用があったので厳しめセキュリティには感謝)カード会社から電話をかけてきてくれて本人確認して解除。サブカードがなかったら危なかった。そもそも、楽天トラベル→楽天海外保険→現地の旅行サイトでアクティビティ購入の順だったから、分かってくれてるよね! みたいな気持ちでいたのがダメだった。電話で「ぜんぶ、本人が使いました………」と答えている様がアホすぎる「あっ、もう現地ですか!?! いつまでいらっしゃいますか?」「ほんとごめ」

 ハイ、気を取り直して。食べ歩きするほどおなかがない人間なので、雑貨屋さん巡りをすると意気込んで2時間くらい散歩。異国の地だからこそ体力オバケやらせてもらいます。なにもかもがかわいすぎる〜!

南京東路にある素敵な雑貨屋さん「雲彩軒」
ハガキに、レターセットにメモ帳…
永康街に移動し、ならではの刺繍巾着も!

 永康街に向かう途中で、豆花(トーファー)を食べに入ったら、店内がまるで美術館のようでびっくり。燕の巣を扱っているお店がオープンした「滋粒氷菓室」は、かき氷屋さんらしい。トッピングを尋ねられたものの、メニューを指差し「OK」で突破(笑)

量が多くてビビったものの、ペロリと!
店内が油絵の具を重ねたような白基調でお洒落

 街とアートが共存していて羨ましくなる。つまり、散歩が本当に楽しい土地。到着した永康街には、布小物や紙ものが豊富でオリジナルのパイナップルケーキもある雑貨屋さん「来好」(オンラインショップあり)、様々なモチーフの刺繍小物がかわいい「繍珍森活」、布小物やステッカー、ピンバッジなどの雑貨全般を扱う「Bao maison/gift 宝物」(上の画像の巾着はこちらで購入)など所狭しとお店が並んでいる。時間もお金も足りない。
 ここまでの台北市の印象は「みなさん親切で優しいけど、雑でせっかちめなので呑気に歩いてると轢かれる」「バイクが多い、2人乗りも多すぎる」

 「セブンとファミマが隣同士ある、なんなら3軒先はコンビニってくらい多い」

「もう日本にはないピンキーがある」

 「地下鉄もバスもタクシーも安!?」かな。ピンキーは、友人から頼まれて該当する星座を探し歩いたのだけど、店舗によって2種類ずつしかなくて宝探しみたいでワクワクした。そうこうしているうちに地下鉄にも乗り慣れた。案内板を見る度に思う。駅のプラットフォームが「月台」なの、なんかかわいくない? 街に溢れるビビットなあれやこれや。とてもかわいくない???

 あと、個人的には、歩行者用の信号機が赤になるまでのカウントダウン付きなところと、明らかに歩く速度じゃなくて走る速度の人形が点滅するところが好き〜〜〜!

お願いだから日本もこれにしよ?

 お土産物屋さんで、信号機の刺繍ワンポイントの靴下があって思わず買ってしまった。かわいすぎる刺繍とピンバッヂとステッカーが溢れているので、どれもこれも欲しくて困った………

翌日に行った迪化街の「梁山泊壹零捌」にて

 初日は、PIPEという川沿いの雰囲気のあるライブハウス。キャパは200程度。

 並んだ順に日和って開場1時間以上前に来たからか誰も並んでいない。勇んで来たため、おなかが空いている。目の前には屋台。日本人5人、突然の野外で鍋を囲む(笑)ナッツが振り掛けられている鶏肉も無限にいける。ジャンキーだな。

これまたスープが謎の優しい甘さで無駄に美味しい

 煮込んだ野菜なら一生食べていられる味をしている。しかし、追いダレのようなものがあまりにも辛い。辛いというより痺れ系? 味は好みなものの、段違いの辛さのおかげで、台湾にいることを思い出した。
 30分前くらいから並ぶ雰囲気が出始め、急いで平らげて箱の前へ戻る(食い意地)リハが押して開場時間を過ぎても開場せず、開演までに15分くらいしかなかったのはさすがに笑ったものの、入場!
 初めてのライブハウスはいつだってドキドキする!

近! 最前ゼロ距離!!!

 えっ? 柵もなく、どうしたらいいのか戸惑う。

 戸惑ったまま、開演時間となり、まずは現地のバンド・hueが登場。とても澄んだ音を出す。ギターの繰り返されるフレーズがなんともお洒落。ベースが5弦なのに的確な指弾きで、もはや謎。MCで「日本語ぜんぜんわかりません、よろしくお願いします」と言ってくださったけれど、こちらもそれ以外のMCは分からなくてお互い様すぎた(笑)突然、ドラムの方が歌い始めたドラえもんの歌はなんだったんだ。知ってる有名な曲だよってことだったのかしら? チャーミングさを兼ね備えている。(cinema staffも応えるようにCHA-LA HEAD-CHA-LAを歌った。日本のアニメはすごい!)
 あくまで台湾旅行記(ただの覚書)なので、cinema staffのライブの感想は、割愛。2日目も同様。
 箱の話をすると、PIPEは、キャパ小さめの箱だったので、ザ・ライブハウスの醍醐味とも言える爆音を体感できて、ステージとの距離もなくて、それはもう楽しかった。速い曲のイントロで血が沸騰するあの感じ、後半は脳味噌に電流が走る。
 THE WALLは、キャパもそこそこあり、ステージも天井も高くて観やすい箱だったので、バンドから奏でられる曲を鑑賞するという意味で音をきちんと受け取れたように思う。ツーデイズで違う箱、なんてラッキー! わたしは、同じ曲の違うシーンをいくつも作れてしまうバンドが好きだ。
 そんなこんなで海外公演だったので、撮影が可能で。試みたものの、情緒がおかしいカメラロール。ここまでうまく撮れないことってあるんだ? だって、ライブ中なんて撮ってる場合じゃないのよ。供養。

 ↑ せっかくなので、新曲を聴いてって〜〜〜!(遅い方)

 終演後に、コンビニで台湾ビールにありつきつつ、24時間営業している牛肉麺屋さんへ移動。

北門の近く。台北駅から一駅。
甘めに煮付けられたゴロゴロの牛肉がたまらん!

 1杯600円しないくらい? 友人たちとシェアして水餃子を食べる。ここでも辣油は辛い。さすがに学習してきた。にしても、うどんよりも軽く、ソフト麺みたいな麺で食べやすい。思い出したら食べたくなってきた。

 日付も変わり、ホテルに戻る地下鉄やバスがなくなる。安いと聞いていたタクシーに、同じ方面の友人と乗車。10分走った程度で700円しない。安! 台湾は地下鉄もバスも初乗り90円とかで、交通手段が本当に安くて便利。
 まだこれからお風呂に入るのに、明日の朝イチから九份/十分に向かう人間の気持ちが分かるか???(めちゃくちゃ楽しみではある)

あっという間に、ライブ2日目

 早起きして(?)ホテルに迎えに来てくれた車に乗り込み、友人と合流。バスツアーだとライブの時間までに戻って来れなさそうだったので、時間が選べて朝から出発できる貸切タクシーを選んだ。なんてリッチ! と言っても日本だったら、もっとお高いはず………現地の運転手さん、前日まで大阪出張だったらしく日本語はペラペラ。台湾のことや九份の歴史のことなど移動中のお喋りも楽しかった。

友人たちと1文字ずつ書きました

 念願のランタン上げ、なんのお願い事をするか色を選んで、なんて書くか考えて、飛ばす前後でお写真を撮ってもらうまでなにもかもが楽しかった。スタッフさんが手慣れすぎていてYouTuberばりにわたしたちを撮影してくれるし、集合写真を撮る時にプリクラばりにポーズ指定してくれる。金運で「お金〜👌 くださ〜い👐」恋愛運で「好き〜🫰 かわいい〜(顎に手を当てる)」みたいな!

 4色で1,250円。エンタメとしてなんてお得な! ちなみに、山の木に引っかかったり、川に落ちたりするから、回収屋さんがいるんだって。

 十分の名物は、骨付き鶏モモ肉の堅い骨を抜き取った後に、ご飯を詰めて照り焼き風に焼いた料理(名前が読めない)「辛いの? 辛くないの?」と聞かれ、前日にタレが激辛だったことで察していたわたしたち「辛くないので!!!」結果、食べたらピリ辛で、クセになる味だ。

ワンちゃんネコちゃんが多いのは、少子化の影響(運転手さん談)

 そして、九份へ移動。台北市内と違って天気が変わりやすくあいにくの雨だったけれど、散策するだけで楽しかった。しかも、運転手さんが傘を貸してくれる神対応。目的地に降ろされて終わりじゃなくて、現地のガイドや名物も教えてくれる。全体的に時間が足りなかったよ〜〜〜………リベンジ求ム!

素敵な雰囲気!
わたしの後ろ姿(友人撮影)

 週末だからかかなり混んでいたけれど、ここで友人たちと一緒にご飯が食べられてよかったな。だいたいひとりでなんでもできるけど、中華は人と一緒に食べるべき料理。種類も量も多すぎるから。
 台湾は、赤が印象的で素敵。ありとあらゆるところに提灯が下がっていて主張が強い………ッッ! 夜はまた違った表情を見せるのだろう。

小籠包、やわらかすぎ筍の煮物、炒飯

 心残りがあるとするなら、花文字。市内のお店「吉利字画」が臨時休業中だと知らなかったので、自分の名前を書いてもらうのは難しくても花文字のなにかしらを記念に買ってくればよかった。九份には2店舗あるのだ。

 市内に戻り、お土産物屋さんを覗いた後、ライブハウスの最寄駅へ移動。迪化街はお土産屋さんが多くて、立ち寄った「梁山泊壹零捌」は、アパレル系からインテリアまでなんでも揃っていて見応えあり。
 開場前にお手洗いを探していたら公衆トイレがあると思っていたところになくて、困って近くのビルの警備員さんに尋ねたら、衝撃の「wait a minute」とお返事。半分シャッターが閉まっている隣の飲食店に乗り込んで頼んでくださって、トイレを貸してくれた。親日をこんなにも感じることがあるのだろうか………! 「非常感謝」の発音が難しすぎて、読めずに見せるしかなかった。ありがとうございました。

 2日目は、THE WALL。キャパは600くらいの老舗のライブハウス。

  地下に行く階段すらも、雰囲気がある。バーカンも広めで、ソファとテーブルがいくつか並び、フロアまでかなり余裕のあるつくり。

 ↑ せっかくなので、新曲を聴いてって〜〜〜!(速い方)
 隣で観ていた台湾人のおにーさん、とても優しかった。cinema staff終わりで、イヤープラグを落としちゃって探していると「このあたりに(三島さんのピック)飛んできましたよね!?」と声かけられた。「あっ、わたしは捜し物なんです…」と説明したら(いや、ピック探せよ)「それは大変!」でも、すぐに見つからなかった。早々に諦めて、詰めて観てくださいと場所を譲って、わたしはバーカンに台湾ビールをもらいに行って(笑)
 飲みながら観たLITEは、まさに「音を楽しむ」と書いて「音楽」。ライブハウスという箱で、とても自由にいられる。わたしは、歌詞に左右されてしまう人間なので、メロディが良くても歌詞が合わなくて好きにならなかったバンドも多い。むしろ、インストバンドの方が純粋な気持ちで聴けるのかしら。井澤さんのベースのタッピング、観てても理解できなかった(笑)あと、お互いにギターコラボの曲もあって、双方のファンが盛り上がる対バンだった。

現地のフロアの雰囲気、最高!

 終演後、物販に並んでいたら誰かに呼ばれた。「おねーさん、あったよ! でも、落ちていたから使うなら消毒するべき!」とおにーさんから拾ったイヤープラグを渡された。優しすぎでは!?! と混乱しながら御礼をお伝えしつつ、そのまま立ち話に。おにーさんは、cinema staffもLITEもどちらもファンで「両方とも観られるなんてすごいです! このライブハウスは日本のバンドもたくさん来ます。違うバンドですが日本に遠征したこともあります!」って熱っぽく話してくれて、わたしがアガッちゃって(笑)続けて「日本のフロアは、みんなタイミングが決められてるような反応で、台湾は勝手に好き好きに声をあげてしまいます。今日、大丈夫でしたか?」と聞かれたから「そのいつもと違うフロアがとても良かったです…」と答えたら「本当ですか、嬉しいです! 楽しかったですね(満面の笑み)」って、そんなんさ! 思い出したらちょっと泣けてきた! なんでお前がって感じだけど、音楽には国境とか人数とか関係なくてこんな風にちゃんと好きなファンがいるんだと思ったらすごいことだなって まあ! 日本語がお上手すぎてお話できただけなんですけど!!! すごい! ありがとう、おにーさん!

 そして、サイン会。初めてひとりで海外に来たこと、海外のライブハウスでお酒を飲みながら観ることが夢のひとつだったこと、台湾がとても楽しかったから連れて来てくれて感謝していること、メンバーみなさんに伝えたいことばかりで。
 順番では三島さんが最後だったんだけど、わたしがニコニコしながら話し込みすぎて、現地スタッフさんにまさかの「ソーリー! タイム!」と剥がされた。ふふ、わたしは台湾でも剥がされる女…

一生の思い出すぎる…

 連れて来てくれたcinema staffのおかげではあるけど、現地で活動してるバンドも観られて、日本で観ているバンドを海外のライブハウスで飲みながら観られて、cinema staffだけじゃなくライブそのものが楽しめる2日間で、もしかしてわたしって音楽のこと愛してるかも!? なんて錯覚してしまった。本当に楽しかった!

 そして、最後の晩餐は「無老鍋」にて。ライブ後なのもあって、台湾ビールが吸い込まれていく夜。

麻辣/豆乳と2種類の薬膳スープ

 野菜にお肉に、どんどん放り込まれていく。煮たら、ぜんぶ美味しい。なぜか白米が無料だし、デザートも無料。なぜかはよくわからん。その桃のシャーベットは、半分溶けているようなシャリシャリした飲めるタイプのもので、さっぱりした甘みがスッキリして食後にちょうどよい。
 そうこうしているうちに、気づけばまた日付が変わってしまう。cinema staff、台湾、非常感謝!

オールナイトからの、帰国

 ホテルに戻り、止まることなくライブの感想をポストし続けていたら4時を回った。今の今まで連絡をとっていた人間が全員寝落ちた気配がする。わたし、なんで今月2回も徹夜してんの? アホなの? 生活ヘタクソ選手権には呼んでくれ、ぶっちぎり優勝候補だぜ! ………なぜならば、地下鉄の始発に乗り込み、空港に向かわねばならない。LCCのありがちな末路でもある。ずっと起きていたのに、お風呂から出て荷づくりしたら思ったより時間がかかって、余裕綽々どころか、まあ普通って感じになって笑ってしまった。

 部屋を眺める。お部屋も広くて家具もかわいくて。台湾は湿気があるから綺麗なまま維持するの大変らしいけど、開業当初からのこだわりなのだそう。
 不安すぎて新日のホテルを選んだ甲斐があった。「京都商務ホテル」という台北駅から一駅の中山にあるホテル、リピーター率が異常に高いというレビューを読んで決めた。スタッフさんが全員日本語を話せるし、家族のようにあったかく迎えたり送り出してくれる。チェックインした時から始発で空港行かなきゃで手段を確認させてもらったり、外出時に鍵を預けたら赤と黒でまとめたお洋服とメイクを見て「綺麗ね〜いってらっしゃい〜」と褒めてもらえたり、ド深夜なせいもあるけど帰ってきたら本気の顔パスで鍵を渡されたり(笑)

お土産「ミルクタイヨウパイ」

 お気遣いいただき、社長からお土産を渡され、フライト前になんと「直接お見送りできず…」と電話までくださった。ド朝に出てったの自分の都合なのに!
 家族なんて母親しかいないけど、台湾に家族がいるみたいな気持ちにさえなった。また泊まりたくなっちゃうよ。勤労感謝の日がある週末で、なんかね、台湾にまた来ることができるくらい頑張れる自分でいたいな、なんて思った。

  空港までの地下鉄に乗り込む時、最後の最後で駅員さんに「not here」と言われ、挫けそうになったけれども行きの100倍スムーズに搭乗口に辿り着くことに成功。

パイナップルケーキと塩漬け卵黄入りパイとカップ麺

 そうそう、お土産はスーパーで買うと、お安くて美味しくてお得とのことで、検索しつつ狙いを定め、移動中に立ち寄ってこんなラインナップに。本当は、パイナップルケーキの食べ比べがしたかった。
 機内持ち込み荷物の重量も9kgで余裕。ただ、全身で背負って帰れる気がまったくしない………肩が死ぬ………

両替した現金は、ミラクルが起きて残金これだけ。

 寝ていたらフライト時間が過ぎるのもあっという間。着いての第一声が「日本、寒ッ!」だった。他に言うことあるやろが! 初めての海外でこんなにも良い思いができるなんてと驚くことばかり。終わってしまえば、すべてがあっけなくて切なくなった。ライブのおかげで訪れることができた土地が、わたしにはたくさんあるなあ。またいろんなところに連れて行ってください、よろしく頼みます、cinema staff。

 事前準備で支えてくれた台湾経験勢、情報共有し合ってもちろん現地でも構ってくれて「また名古屋でね!」と別れた友人たち(バンドもファンも良い意味で気が狂っているため、3日後に名古屋でライブがあった)、滞在中のリアルタイム大騒ぎのポストに反応をくださったフォロワーさんたち、非常感謝!!!
 さて、始まったばかりの2025年がどんな年になるかは分からないけれど、また素敵な年にしようと思います。がんばっちゃうぞ〜!


 以上、ここまで長々とお読みくださってありがとうございました。メンバー個人での活動も精力的で幅広く、ボーカル復帰後のcinema staffとしてのライブも続々と決まっていますので要チェックでお願いします。
 cinema staffのライブを観たことがないけれど、この記事を最後まで読んでしまったあなたは、4/12(土)13(日)に岐阜で行われるOOPARTSという主催フェスに行くことをオススメします。行けば素敵な出会いの日になること間違いなし!

★やり残しリスト

・鹹豆漿を食べる(朝食に出かける時間がなかった)
・カフェで台湾茶を楽しむ(時間がなかった)
・夜市に行って飲み食べする(ひとりで行ける気はしない)
・花文字を自分の名前で書いてもらう(市内のお店が臨時休業だったので)
・夜の九份に行く(ライブがあって昼に行ったので)
・複数種のパイナップルケーキを買って食べ比べる

いいなと思ったら応援しよう!

いつどこにいてもあなたは他人
いただいたチップは、仕事終わりで駆け込んだライブハウスで飲む美味しいビール代になります。