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自宅のお風呂が使えなくなり、やむなく、銭湯のお世話になりました。

まだ寒さの残る季節でした。


銭湯なんて小学校以来。

緊張しつつ引き戸を開けると、むわっと湯気の香りと、

視線が。

新参者だとすぐにわかってしまう。


脱衣場と浴室の境の引き戸を閉めるのを忘れて浴室に入ってしまった私に、

「扉を閉めて。」と先客さんから声が。

いけない! 閉める。


うろうろしていると、

「ボディソープはここよ。自分のとこに持ってって使っていいわよ。」

と親切な方が。


銭湯の方が、

「うちはサウナも無料なの。ぜひ入っていって。」

私にだけ声をかけて通り過ぎる。


浴室内でよく体を拭かずに、脱衣場に行ってしまう。

私の落とした水滴を、先に出た方がモップでさりげなく拭きながら

通り過ぎる。

そういえば皆さん上がる前に丁寧に体を拭いていた。


わーすみません!と詫びつつロッカーを開けると、

隣のロッカーを使っていた方が、

私の衣類がぎゅうぎゅうに詰め込まれているのを見て、

「そんなにぎゅうぎゅうに詰めなくても、入りきらなかったら下の棚も

使っていいのよ。」と。


ドライヤーは10円玉1枚で2分間。


10円玉が…ない!

番台で両替してもらうか、もう濡れ髪でもいっか、迷っていると、

「10円玉ないの?あげるわ。私はいつも持っているの。」と!

ありがたくお言葉に甘えました。

あらためてお礼を言うと、

「いいのよ。今度もし困っている人がいたら、

その時はあなたが助けてあげて。」

と言って、風のようにお帰りになりました。


皆、知らない方々ばかり。


ただお風呂を借りて帰るつもりが、

みんなが気持ちよく使うためのお作法があることを、

教えて頂きました。


お作法をマスターして、

今度はもっとスマートに、銭湯を利用したいと思います。















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お灸堂 まり鍼灸院
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