「もっと写真が楽しくなる!『映え』る写真講座(2回目)」活動レポート!
こんにちは、大川市文化センターです。今回は、12月10日(日)に行われた「もっと写真が楽しくなる!『映え』る写真講座」の様子をお届けします!
この日の最高気温は19度。冬とは思えない暖かさと気持ちのいい天気での撮影日和になりました。
前回の記事はこちらからご覧ください。↓
それでは、早速まいりましょう!
写真講座×小保・榎津の町並み
3週間あけての写真講座。昨年よりもパワーアップしたい!という思いから、今年はレンズ交換式カメラ向けコースを2回に分けて行うことにしました。
「せっかくなら撮影場所も変えよう」となり、候補として持ち上がったのが……?
こちらの、「小保・榎津の町並み」です!
江戸時代後期から昭和初期にかけての美しい町並みや、質の高い伝統的建造物が残されています。
旧久留米藩と旧柳河藩の藩境に位置し、交通の要衝として発展した町並みは、あの伊能忠敬も歩いて宿泊したと言われています。
福岡県下でも珍しい江戸のノスタルジックな町並みを散策できる、非常に貴重な場所です。
強力な助っ人は「旧吉原家住宅」の皆さん
さて、今回「小保・榎津の町並みを撮影場所にする」とはいったものの、講座担当は困り果てていました。
「実際、どういうところを撮ればいいんだろう?」と。
昨年の記事でも紹介したSさんに聞いてみると、「旧吉原家住宅にいくといいよ」というアドバイスを貰いました。
事務室のデスクで考えていても仕方がないので、早速小保・榎津の町並みを訪ねてみることに。すると、素敵な出逢いが待っていました……!
突然に訪れたにも関わらず、旧吉原家住宅の皆さんが快く受け入れてくださりました。住宅内をぐるりと案内していただくと、面白い発見の連続でした。
「この廊下に使っている板、どこのものだと思います?」
「ここで写真撮るとね、綺麗なんですよ。青空だったらもっと綺麗に映えるんだけどね」
「大工さんの遊び心がふんだんに隠されてるんだけど、一番紹介したいのは……」
職員だからこそ知っている旧吉原家住宅の魅力を、惜しみなくたっぷりと。じっくりと下見をするよりもはるかに詳しく知ることができ、本当にありがたかったです。
「当日はどこを撮影するんですか?」
「小保・榎津の町並みをぐるっと撮れたらいいなぁと思っていまして」
「じゃあ、森田うるし屋さんも撮影にはよかやんね。ちょっと話ば通しにいこうか」
足早に駆けていくスタッフさんの頼もしい背中を、サンダルを履いたまま追いかけました。
「森田さん、ごめんね。写真講座やるらしいんやけど、撮影してよかやろか」
「よかよ~」
「ありがとうございます……!」
「あっ、でも日曜休みやろ?」
「なら開けとくたい」
「よかと?」
「あっ、ありがとうございます……!」
トントン拍子で話が進み、頭が上がりません。
その他にも、町並絵図のリーフレットを人数分用意していただいだり、講座当日にしっかりとご案内していただいたりと、旧吉原家住宅の皆さんには大変お世話になりました!
座学の会場は、小保・榎津の町並みにほど近い「ワークピア大川」さんをお借りしました。
リーフレットを置いてみたり、前回の講座記事の案内をしたり、下見の写真を飾ったりして、受講生の皆さんを待ち受けます。3週間ぶりにお会いする山路和彦先生からパワーを頂きつつ、いよいよ開講です!!
開講!「レンズ交換式カメラ向けコース」
まず最初に、山路先生自ら作られた動画から始まります。
美術展に作品を出品するような経験豊富な方もいれば、近隣の高校や大学に通う若い方も参加されました。さまざまな世代の受講生らがひとつのスクリーンを見つめる姿は、担当からすると感動もの。
山路先生は、受講生が普段撮っているもの、持っているカメラの性質を見極めながら、講座を進めていきます。
藩境に潜む妖怪、その名も「べたべたくっぞこ」
早速、撮影タイムです。
最初は旧吉原家住宅さん!
旧吉原家住宅のスタッフさんに、とても熱心にご案内していただきました。
スタッフの説明に聞き入る受講生や、外観をぐるりとみて回る受講生、玄関先を重点的に撮る受講生など、それぞれが思うままに撮影をしていきます。
住宅の内と外では、撮る被写体も、受ける印象もガラリと変わります。山路先生のアドバイスを聞くなど、受講生は思い思いに撮影をしていました。
お次は、森田うるし屋さん!
店に入った途端、受講生から感嘆の声があがりました。
「うわっ、すごい」「雰囲気ありますね~」
「この看板、すごいですね」「あー、それはね……」
店主の森田さんの解説が入ると、重ねた時間の膨大さに驚かされます。
築110年以上の建物や、オレンジの照明に照らされた漆器たち。それらは趣きに溢れていて、他の場所では撮れないものを撮ることができました。
お次は、べたべたくっぞこ通り
べたべたくっぞことは、小保・榎津の藩境に位置する通りに現れる妖怪のこと。さまざまな表情をしたべたべたくっぞこたちが点々と留まり、散歩する人を和ませてくれます。
(実は、諍いの絶えなかった小保・榎津。子どもたちが間違って向こう側に行かないよう脅かすために、大人が妖怪を作り上げた……という話があるそうです。)
「べたべたくっぞこは隠れていたり、わかりやすく姿を見せたりしているので、思うままに撮ってください!」
そう案内をすると、興味を持った受講生は次々通りに足を踏み入れ、カメラを構え始めます。途中、幸運にも猫が現れると、それを追いかける方もいらっしゃいました。
最後はフリー撮影タイム!それぞれが小保・榎津の町並みを歩きながら、心の琴線に触れたものを撮っていきます。
建物を撮る人、町並みを撮る人、引き続きべたべたくっぞこにシャッターを切る人。皆さん、待ちに待った撮影タイムにそれぞれが撮影に楽しんでいました。
以上で、2回目の「レンズ交換式カメラ向けコース」は終了です!
おわりに
いかがだったでしょうか。今年の大川わっかもん講座の第2弾として、「もっと写真が楽しくなる!『映え』る写真講座」の2回目の様子をお届けしました。
前回に引き続き、素晴らしい写真講座を作り上げてくださった山路先生、ありがとうございました!そして受講してくださった皆様、本当にありがとうございました!
ちなみにこの写真は、講座担当が講座中に撮った「九州建具」さんの建物です。雰囲気が出ていて、お気に入りの作品となりました。(写真初心者でもそれっぽいものが撮れるようになるので、受講をオススメします!)
なんとこちらは、R4年度の写真講座を受講した方からいただいたものです。1年以上前の講座で撮ったものをいただけるとは思わず、大変嬉しく思います。
改めて講座というものは、たくさんの方々の協力がなければ成り立たないものだということを実感しました。今回の出逢いを大切にして、次年度の講座でも活かしていきたいと思います。
大川市文化センター職員 福山