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『芥川竜之介俳句集』の紹介②
動物の句を五句紹介
目刺
凩や目刺に残る海の色
芥川龍之介
目刺は食材な気がしたが、魚なので動物部門として紹介。
この句でも内容的に
「魚だったもの」
として扱われている印象。
大象
大象も花笠したる祭かな
芥川龍之介
お祭りの見せ物で呼ばれた象も花笠をしている。
楽しいが、どこかかなしい。
現代だったら
写真に撮られて
SNSにアップされていそう。
青蛙
青蛙おのれもペンキぬりたてか
芥川龍之介
前の記事でも紹介したが改めて。
↓前の記事
蛙は名句が多く、
蛙で句を詠むのはかなり勇気が要ると思う。
たとえば
やせ蛙負けるな一茶これにあり
小林一茶
古池や蛙飛びこむ水の音
松尾芭蕉
など。
青蛙とペンキの取り合わせで、
蛙の肌の独特なつややうるおいをよく表現している。
海豚(いるか)
群れ渡る海豚の声や梅雨の海
芥川龍之介
同じページに類似の句がある。
季語を大南風にした句や
「黒南風」から始まり
「海豚かな」で終わる句など。
推敲した跡が窺える。
蝶
蝶の舌ゼンマイに似る暑さかな
芥川龍之介
蝶の舌の喩が面白い句。
蝶の舌→ゼンマイ→ぐるぐる→暑い
と連想で発想が広がる。
以上、駆け足で紹介しました。
少しでもご興味をお持ち頂ければ幸いです。
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