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『harako』(岩倉曰第一歌集)を読む
作者の岩倉日さんは、
歌会サイト『うたの日』に頻繁に参加している。
そして投稿後の結果と詠草をTwitterにマメにアップしており、
短歌が生活の一部になっているようだ。
歌人集団かばんの会にも参加している。
そんな日々の積み重ねが歌集になった。
内容はライトで、世知辛い内容もあるが気楽に読める。
Amazonの商品紹介に
『This is ネクラポップ!!
岩倉曰の第一歌集。
548首の怒涛の曰節を体感せよ。』
と書かれているのに納得する。
紹介しすぎるとネタバレなので
数首だけ紹介。
その辺のゴリラにオールを任せたらゴリラに任せたなりの人生
「その辺」や「~たなりの人生」という表現から、このゴリラはマイナスの存在のようだ。
自発的に生きることの大切さを伝える寓話のような一首。
腐っても鯛でしょうけど鯛ですよなんで腐らせちゃったんですか
「腐っても鯛」ということわざへの違和感がよくまとまっている。
確かに高級魚の鯛は腐らせる前に食べるよなぁと共感。
どうせ切る大根だけどできるだけ独創的なかたちのを買う
きれいな形とかおいしそうとかより「独創的な形」で選ぶ。
歌を詠む人ならではの価値観かもしれない。
生活感も魅力的な一首。
この先もずっと闇かと思ったらプラネタリウムにつながっていた
プラネタリウムの使い方が上手い。
闇から、すてきな闇のプラネタリウムへの移動が面白い。
深読みすると、励まし系の内容の短歌に思える。
この歌集は
Amazonの
『プリント・オン・デマンド』サービスを
利用している。
顧客がAmazonで購入すると
Amazonで印刷物が製作されて顧客に届く。
注文があった分だけ印刷をするので
在庫なし、資源のムダなしだ。
今風の面白い歌集のひとつ
『harako』をぜひ!
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