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『空中晩餐会』を読む。-なりかわりと直喩-
滝口泰隆氏の歌集
『空中晩餐会』。
この歌集の大きな特徴は
・なりかわり
と
・直喩
にあると思う。
なりかわりとは、自分が他のモノになっている設定である。
隠喩に含んでもいいかもしれない。
・なりかわりの一例
君のてのひらの静かな空港へ降りる天道虫のわたくし
(捕まってたまるか!)金魚のわたくしは暴れてポイを突き破りたり
おおみそかのカウントダウンの大合唱それにふるえる空気だ僕は
・直喩の一例
きりきりと廃墟のように立ちおればわたくしの中の何か崩れ落つ
あっけらかんと新年は来て生きるとはごまめのような悲しみですか
冬茜 あなたの声はあたたかなミルクココアのようだと思う
また、
表紙に『現代短歌集』とあり
現代的な印象の一冊だった。
空中晩餐会 現代短歌集 https://amzn.asia/d/fNJB0ah
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