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飯田マユミ句集『沈黙の函』ー光景と共感ー
この句集は
・光景が面白い句
・読むと感覚が蘇る句
が多いと感じた。
そんな
飯田マユミ氏の句集『沈黙の函』
から五句紹介。
ふらここの風蹴飛ばして蹴飛ばして
リフレインが効いていて、躍動感がある。
梟の振り向くときの真顔なる
納得と共感をした。
こういった作者独特の発見の句は読者としては楽しい。
何処までも空どこからも青葉風
俳句という短い詩形で、広い空間が表現されている。
熟柿踏む罪を問はれてゐる如く
やわらかい柿をうっかり踏んだ時の、ぐにゃっとした不快感を巧みな比喩で表現している。
樹齢千年寿命百年雲の峰
木と人の寿命の対比が面白い。
なおかつ地上にある木と人から、空の雲の峰に視点が移動する。
季語の使い方に無理が無く、楽しく拝読した句集だった。
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