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本の紹介

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#本

短歌紹介日記-「舞いあがれ!」の歌集より-

短歌紹介日記-「舞いあがれ!」の歌集より-

-2025年1月19日の日記-

日記

最近ふと思い出す短歌がある。

この短歌は朝ドラ「舞いあがれ!」のアンソロジーの歌集『トビウオが飛ぶとき』から引用した。

昨今では、様々なやむを得ない理由で退職代行業が流行している。いつかは就職代行や面接代行も出てくるかもしれない。現在でも就職斡旋業やキャリアアドバイザーが、同じでは無いがそれに近いのではないだろうか。

今、私は面接の結果待ちで退屈かつ

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杉山一陽句集『案山子』を読む。

杉山一陽句集『案山子』を読む。

杉山一陽氏の句集『案山子』を読みました。

概要

何気ない日常と、食べ物の美味しそうな感じ、家族の事、散りばめられたユーモアなど、見どころの多い句集。

ちなみに本のタイトルの読み方は
「かかし」ではなく、「かがし」である。

五句選

たくさん付箋を付けた内、感想を添えたい五句に厳選した。

あかご、あかり、あまのがわ、と「あ」で韻を踏んでいて流れが綺麗。
内容の良さを際立たせている。

この

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『名句と遊ぶ 俳句バイキング』を読む。

『名句と遊ぶ 俳句バイキング』を読む。

『名句と遊ぶ 俳句バイキング』を読んだ。

本の概要

作者の2012年7月から同年12月までの文章をまとめた一冊。
厚さ約3センチの分厚い文庫本。
文章の構成は、俳句の紹介と鑑賞文。俳句の位置は様々。

感銘句紹介

以上。

リンク

出版社公式 コールサック社

※Amazonでの中古本の出品は価格高騰中(2025年1月7日時点)

『水色の傘は買はない』(池田玲歌集)を読む。

『水色の傘は買はない』(池田玲歌集)を読む。

『水色の傘は買はない』(池田玲歌集)を読んだ。

歌集の概要

家族のことや、病気や手術の事など人生の一大事を詠みつつ、ユーモアのある短歌もあり、人生経験を活かした一冊だと思う。

2024年の第27回日本自費出版文化賞 大賞作品。

リンク↓

五首選

以上。

『黒田杏子俳句コレクション2 月』を読む。

『黒田杏子俳句コレクション2 月』を読む。

『黒田杏子俳句コレクション2』の「月」を読んだ。

装丁

金箔押しのタイトルと編著者名、
夜空を思わせる濃紺の装丁など、
重厚感がある。

背のタイトルも箔押しで、
帯を外すと編著者明も箔押し。

他の同シリーズ

同シリーズには
黒田杏子俳句コレクション1 螢
黒田杏子俳句コレクション3 雛
黒田杏子俳句コレクション4 櫻
がある。

今回は一番興味があった、
2の月を読んだ。



月おぼ

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『みじかい曲』堀静香歌集を読む。

『みじかい曲』堀静香歌集を読む。

かばん会員の堀静香氏の
歌集『みじかい曲』を読みました。

装丁

表紙のかわいらしいドーナツの絵が目を引く一冊。

パラフィン紙が巻いてあり、
本格的かつ保存しやすいです。



おめでとう、と打って出てくるいくつかの絵文字のなかからいいのを選ぶ

いつしかそれが呪文になって永遠にまわりつづけるサンカンシオン
三寒四温をカタカナにするとたちまち呪文のようになる面白さ。

そうだと気づく春は突然

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句集『にもつは絵馬』(阿部完市氏)を読む。

句集『にもつは絵馬』(阿部完市氏)を読む。

句集『にもつは絵馬』(阿部完市氏)を読みました。

第三句集の文庫化版にあたるそうです。

作者の経歴

この作者の異色の経歴はWikipediaをご覧下さい。

五句選

余談

ご紹介した手元の句集は古本です。

同出版社の句集文庫の俳人メンバーが豪華です。
奥付裏広告より。
当時の俳壇の雰囲気が伺えますので、ご覧ください。

〔既刊〕

後藤比奈夫 第三句集『祇園守』

藤田湘子 第四句集『

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降雪の短歌・俳句

降雪の短歌・俳句

雪が数センチ積もりました。

雪を見ると創作意欲が増す、
かと思いきや色々な作品を思い出すのでした。

雪が降る度にX(旧Twitter)の短歌のタイムラインは
「ゆひら」
と言って騒ぎになります。

これは穂村弘氏の有名な短歌の一部から「ゆひら」の部分だけを取って言っています。

当該の短歌は以下です。

さて、それとは別に私が思い出す短歌は
以前noteの記事で紹介しました歌集
『スーパーアメ

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歌集『金魚を逃がす』(鈴木美紀子氏)を読む。

歌集『金魚を逃がす』(鈴木美紀子氏)を読む。

鈴木美紀子氏の第二歌集
『金魚を逃がす』を拝読しました。

感想と鑑賞

-火と水の相聞-

歌集の前半の相聞群は、
作者(作中主体)が火、
相聞の相手は水としての喩が多いように感じました。

******************

雨量の短歌は、前述の法則からは外れます。
自分の気持ちの高まりや積もり具合が雨量で喩えられているように読みました。
「相聞の相手が水で喩えられる」という読みを当てはめ

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歌集『櫻さくらサクラ』(大湯邦代氏)を読む。

歌集『櫻さくらサクラ』(大湯邦代氏)を読む。

歌集『櫻さくらサクラ』(大湯邦代氏)を読みました。

本の紹介

2017年刊行の大湯邦代氏の第六歌集です。
普遍性のある短歌が多いためか、内容が全く古くなくて、読み返しても面白い歌集です。

黒い表紙に櫻の花びらが映える
シックな装丁の一冊です。

五首選

歌集の前半の櫻の連作から一首と、
他に好きな短歌をご紹介します。

リンク

↑Amazon

歌集『ひかる水』(北神照美氏)を読む。

歌集『ひかる水』(北神照美氏)を読む。

歌集『ひかる水』(北神照美氏)を拝読しました。

北神照美氏の第四歌集にあたります。

装丁

ハードカバーの歌集です。

表紙のタイトル『ひかる水』が銀箔押しで、銀色に光る点にデザインの美しさを感じます。

五首選

リンク

Amazonで現行で販売・購入出来るものは英語版のため、英語版のリンクを掲載しました。

歌集『夜を着こなせたなら』(山階基氏)を読む。

歌集『夜を着こなせたなら』(山階基氏)を読む。

第二歌集『夜を着こなせたなら』(山階基氏)を読んだ。

本について

文学フリマでの購入品。

文学フリマ限定ペーパーが挟まっていた。

「各々の本の作者が、文フリの場を活かして色々と販売などの工夫をしているのだな」
という面でも勉強になった、
思い出がある一冊。

装丁も凝っている。

ページ数(ノンブル)について

ページ数(ノンブル)の表記が独特。

一章分/当該ページ
となっていると思われ

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歌集『パルティータの宙』(福田淑子氏)を読む。

歌集『パルティータの宙』(福田淑子氏)を読む。

歌集『パルティータの宙』(福田淑子氏)を読んだ。

歌集について

福田淑子氏の第二歌集である。

宙と書いてそらと読ませる。
この漢字の読み方は歌集の内容に大いに関係がある。

例を挙げると、歌集の帯にある一首。

※「宙」に「そら」とルビあり。

宇宙の宙でそらである。

その他にも、多様なテーマの短歌が収録されている。
それぞれ別々のテーマに見えるが、根底で「自分が生きること、誰かが生きたこ

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『風のアンダースタディ』(鈴木美紀子氏)を読む。

『風のアンダースタディ』(鈴木美紀子氏)を読む。

『風のアンダースタディ』(鈴木美紀子氏)を読んだ。

本について

書肆侃侃房による
新鋭短歌シリーズ34である。

「アンダースタディ」は英語で代役の意。

※語義が広いため、詳細をご覧になりたい方はwikipediaのリンクをご覧ください。

五首選

服を着ると、内側は暗くなる。

しかしこの短歌では、「白いワンピース」なので、白い光で体を包むイメージだろうか。

「読みかけ」という途中さが

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