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ゆめいるか書房
2025年1月15日 12:58
杉山一陽氏の句集『案山子』を読みました。概要何気ない日常と、食べ物の美味しそうな感じ、家族の事、散りばめられたユーモアなど、見どころの多い句集。ちなみに本のタイトルの読み方は「かかし」ではなく、「かがし」である。五句選たくさん付箋を付けた内、感想を添えたい五句に厳選した。あかご、あかり、あまのがわ、と「あ」で韻を踏んでいて流れが綺麗。内容の良さを際立たせている。この
2025年1月7日 15:58
『名句と遊ぶ 俳句バイキング』を読んだ。本の概要作者の2012年7月から同年12月までの文章をまとめた一冊。厚さ約3センチの分厚い文庫本。文章の構成は、俳句の紹介と鑑賞文。俳句の位置は様々。感銘句紹介以上。リンク出版社公式 コールサック社※Amazonでの中古本の出品は価格高騰中(2025年1月7日時点)
2024年9月20日 08:04
土井探花氏の句集『地球酔』を読みました。五句選二箇所の「よい」の使い分けがよいと思いました。中秋の名月など、名月はSNSさえも賑わす存在。月を美しく感じる感性は、DNAに刻まれた感覚かもしれない。「〜の件」はライトノベルのタイトルやネットスラングでよく見る言い回しである。※ライトノベルの場合「〜な件」という言い回しもある。まさか俳句に取り入れるなんて!という意外性と
2024年8月19日 12:00
『黒田杏子俳句コレクション2』の「月」を読んだ。装丁金箔押しのタイトルと編著者名、夜空を思わせる濃紺の装丁など、重厚感がある。背のタイトルも箔押しで、帯を外すと編著者明も箔押し。他の同シリーズ同シリーズには黒田杏子俳句コレクション1 螢黒田杏子俳句コレクション3 雛黒田杏子俳句コレクション4 櫻がある。今回は一番興味があった、2の月を読んだ。選月おぼ
2024年8月13日 12:00
黒岩徳将氏の句集『渦』を読んだ。装丁銀色を基調とした装丁が美しい。銀色で厚みがあるせいか、重厚感や近未来感や機械感がある。本棚に収めた際、背の厚みやフォントがかっこいい一冊。選付箋をたくさん付けながら拝読したため、たくさん引用しようかと思ったが、感想などを書きたい句を厳選して紹介。バンズよりはみ出す肉やサングラスバンズ(ハンバーガーのパン)からはみ出す肉と、サ
2024年2月12日 12:00
句集『にもつは絵馬』(阿部完市氏)を読みました。第三句集の文庫化版にあたるそうです。作者の経歴この作者の異色の経歴はWikipediaをご覧下さい。五句選余談ご紹介した手元の句集は古本です。同出版社の句集文庫の俳人メンバーが豪華です。奥付裏広告より。当時の俳壇の雰囲気が伺えますので、ご覧ください。〔既刊〕後藤比奈夫 第三句集『祇園守』藤田湘子 第四句集『
2024年2月9日 12:00
句集『白熱灯』(東國人氏)を拝読しました。本の装丁白熱灯の写真と黒い背景、ハードカバーであるなど、重厚感があります。昭和から令和にかけての作者の俳句が収録されており、時間的な層の厚みも、デザインだけではない面での重厚感を生んでいるのだと思います。本のスピン(栞紐)がオレンジ色である点が、白熱灯を連想させます。五句選良い句や面白い句が多いので選に迷いました。今回は一言コメン
2024年2月6日 08:00
雪が数センチ積もりました。雪を見ると創作意欲が増す、かと思いきや色々な作品を思い出すのでした。雪が降る度にX(旧Twitter)の短歌のタイムラインは「ゆひら」と言って騒ぎになります。これは穂村弘氏の有名な短歌の一部から「ゆひら」の部分だけを取って言っています。当該の短歌は以下です。さて、それとは別に私が思い出す短歌は以前noteの記事で紹介しました歌集『スーパーアメ
2024年1月29日 12:00
句集 『呼鈴のあと』(佐藤久氏)を読みました。本の構成序文→本編の俳句→跋文の順になっています。新緑のような緑色の装丁が、収録されている俳句の内容と合っていると思います。五句選装丁だけではなく、帯の一句にも惹かれて購入しました。レトロ感と未来への明るい期待感が、季語のソーダ水に詰まっています。俳句らしい省略の一句です。港のキリンですので、キリンのような形の
2023年11月27日 12:00
句集『雲ぷかり』(工藤惠氏)を読みました。この句集についての雑談。タイトルに惹かれて購入して読んだところ、見覚えがある俳句がちらほらあり「どこで見たのかな」と考えていました。すると手元にある『天の川銀河発電所』という現代俳句のアンソロジーの本で紹介されていて「ここか!」と納得しました。五句選チョコでもココアでもなく、高級感のある「ショコラ」です。消しゴムを大切に
2023年10月28日 20:02
詩歌句関連書籍、飛び出す絵本、読み物系の本などを少し追加しました。宜しければご覧ください!Pay IDとメルカリshopsです。Pay IDは久しぶりに商品追加します。
2023年10月13日 12:00
俳句は奥が深く、(浅学のせいか)季語や俳人などまだまだ知らない事が多い。この本で紹介されている、小川双々子(おがわそうそうし)という俳人も知らなかったため、興味深く拝読した。本の構成見開き二ページでは・右ページに俳句。・左ページに共同著者一名の解説と、左端にその句にルビをふったもの、ページの左上に収録句集名がある。個人的に俳句の漢字の読み方が数パターンあって迷う場合
2023年2月13日 18:05
越智友亮氏の句集『ふつうの未来』から五句紹介。噴水の水が落ちた直後の景を詠んでいる点が珍しい。『体温はたましいの熱』の言い回しが面白い。梨のみずみずしさやおいしさも感じる。『Wi-Fiとんでない町』は田舎だと推測できる。田舎と夏の取り合わせが爽やか。水槽のぼんやりとした明るさと、夏風邪のぼんやりした体感が重なる。動かない駅を『残された』とし、『悴みぬ』という擬人法で終わる。
2023年2月12日 08:48
この句集は・光景が面白い句・読むと感覚が蘇る句が多いと感じた。そんな飯田マユミ氏の句集『沈黙の函』から五句紹介。リフレインが効いていて、躍動感がある。納得と共感をした。こういった作者独特の発見の句は読者としては楽しい。俳句という短い詩形で、広い空間が表現されている。やわらかい柿をうっかり踏んだ時の、ぐにゃっとした不快感を巧みな比喩で表現している。木と人の寿命の