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ゆめいるか書房
2023年2月26日 12:59
滝口泰隆氏の歌集『空中晩餐会』。この歌集の大きな特徴は・なりかわりと・直喩にあると思う。なりかわりとは、自分が他のモノになっている設定である。隠喩に含んでもいいかもしれない。・なりかわりの一例・直喩の一例また、表紙に『現代短歌集』とあり現代的な印象の一冊だった。
2023年2月13日 18:05
越智友亮氏の句集『ふつうの未来』から五句紹介。噴水の水が落ちた直後の景を詠んでいる点が珍しい。『体温はたましいの熱』の言い回しが面白い。梨のみずみずしさやおいしさも感じる。『Wi-Fiとんでない町』は田舎だと推測できる。田舎と夏の取り合わせが爽やか。水槽のぼんやりとした明るさと、夏風邪のぼんやりした体感が重なる。動かない駅を『残された』とし、『悴みぬ』という擬人法で終わる。
2023年2月12日 08:48
この句集は・光景が面白い句・読むと感覚が蘇る句が多いと感じた。そんな飯田マユミ氏の句集『沈黙の函』から五句紹介。リフレインが効いていて、躍動感がある。納得と共感をした。こういった作者独特の発見の句は読者としては楽しい。俳句という短い詩形で、広い空間が表現されている。やわらかい柿をうっかり踏んだ時の、ぐにゃっとした不快感を巧みな比喩で表現している。木と人の寿命の