それでもマイクタイソンが好きだ
昨日は、ジェイクポールvsマイクタイソンのボクシングの試合がありましたね。
前回の記事で、僕なりの試合予想を書いてたのですが。
マイクタイソンの判定勝ちという、甚だ見当違いな予想をたててしまっていたこと、大変失礼致しました。
「ボクシング経験皆無の素人考えで恐縮ですが」と前置きはしていたものの、希望的観測を入れすぎてしまったと反省しております。
「58才の老人を公式のリングに上げるなんて、ボクシングを冒涜している」という批判がたくさん出ているようで。
タイソンのあの試合での動きを見れば、言われても仕方ないのかなとは思います。
力の差を歴然と感じさせるもので、ジェイクポールは途中からやや手加減すらしていたかもしれません。
ただ、あの試合が行われたことが良い悪いは別として。僕は個人的には、タイソンの試合をものすごく楽しめました。
つまらない試合だった、とは全然思わないです。
タイソンが試合中に何度も何度もグローブを噛んでたことが、「なんでだろう」と少し話題になってたようですが。
それについて、触れておきたい。
あれは、名トレーナー・故カスダマトが、タイソンに教え込んだピーカブースタイルを、実践する意識からきてるんですね。
ボクシングはアゴにパンチをくらうのが一番きくんで、基本アゴの前にグローブの位置をもってくる。
その意識を忘れてしまわないよう、「グローブの位置は絶対ここだぞ」と自分に言いきかせるようにして、タイソンはグローブを噛むんですね。
昨日の試合は、タイソンがアゴにパンチをくらったら、一発でノックアウトだったと思います。
タイソンはそれをわかっていたので、攻撃よりも防御の方に意識の比重をおき、いつも以上にグローブを噛んでいた。そういうことなんです。
カスダマトがタイソンにピーカブースタイルを教え始めた頃、ボクシングの世界では、「ピーカブースタイルはもう古い」という声がけっこうあったらしく。
若きタイソンは、「カスの教えが間違ってなかったことを証明したい」という思いも抱きながら、日々励んでいたんですね。
タイソンは、インタビューでカスダマトの話になると、今でもよく涙を流す。
僕はそういうバックボーンも、タイソンの本や動画から知っていたんで、いつも以上にグローブを噛むその姿が、なんかジーンときました。
あぁ、ここへきて基本中の基本にたち返り、カスダマトの教えをより忠実に実践しようとしてる…。
あくまで僕個人の見方ですが、そんなふうにも感じて、心動かされました。
ジェイクポール、マイクタイソン。
お疲れ様でした。