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お笑い初期衝動
82.「操り人形」発言の真意
「奥山は、田中三球の操り人形なんか?」
養成所担当社員大江さんから発せられたこの言葉で、複雑な気持ちになったと前回述べたが。
正確には、言われた瞬間は、どういう意味なのかが全くわからなかった。
操り人形…。なぜ俺が田中の操り人形なんだろう。はて??
何のことかわからなさすぎて、その場では何の反論もしなかったのだが。
「あ、そういうことか」と気がついたのは、その帰り道だった。
おそらくこういうことだ。
大江さんは「田中三球がネタ台本を全て書き、奥山は田中三球の言われた通りに演じている」と思い込んでいて。
そして、その一方的な思い込みをベースにした「奥山はただの操り人形だよな」という、僕を小バカにした発言であったのだ。
僕と田中三球は、いつも2人でネタ作りをしていた。
『手のり津川雅彦』など、田中三球発案の秀逸なボケがあったのは事実だが、ネタには僕の考えたボケも普通に含まれている。僕発案の設定で作ったネタもある。
つまり、この「操り人形」という表現は、見当違いな上に、失礼でもあり。全く不適切な一言であったのだ。
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